第三編 債権/第二章 契約/第九節 請負
民法 第634条(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 完成とみなされる部分の可分性の限定:完成とみなされて利益割合の報酬を請求できるのは、注文者の利益となる可分な部分だけ。
- 注文者の責めによる完成不能時の報酬請求:注文者の責めで完成不能なら、注文者は反対給付を拒めず請負人は報酬を請求できる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第634条(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
この条文の〇×問題(2問)
完成とみなされる部分の可分性の限定
請負人が工事の途中で契約を解除された場合、既に給付した成果が全体と切り離せない不可分なものであったとしても、注文者がその成果から利益を得ている以上、その部分は完成したものとして扱われ、請負人は利益の割合に応じた報酬を請求することができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。この規定が仕事の完成とみなすのは、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受ける場合に限られる。不可分な部分は対象から除かれるため、利益を受けたというだけでは完成とみなされず、利益割合の報酬請求も認められない。「可分な部分」という限定自体が要件である。
学習ポイント:完成とみなされて利益割合の報酬を請求できるのは、注文者の利益となる可分な部分だけ。
第634条2号
注文者の責めによる完成不能時の報酬請求
請負契約において、注文者の責めに帰すべき事由によって仕事を完成することができなくなった場合、請負人は仕事を完成していないのであるから、報酬を請求することはできない。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。注文者の責めに帰すべき事由によって債務の履行が不能となった場合、債権者である注文者は反対給付の履行を拒むことができず、請負人は報酬を請求できる。634条は注文者の責めに帰することができない事由による完成不能などの場合に可分な部分の利益割合報酬を認める規定であり、請負人の報酬請求の根拠は同条に限られない。
学習ポイント:注文者の責めで完成不能なら、注文者は反対給付を拒めず請負人は報酬を請求できる。
第634条1号、関連:第536条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和5年度 問18オ
請負契約が仕事の完成前に解除された場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。仕事の完成前の解除でも、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付により注文者が利益を受けるときは、その利益の割合に応じて報酬を請求できる(634条)。
賃管令和4年度 問5肢3
引き渡された建物が契約の内容に適合しないものである場合、Bは、Aに対し、目的物の修補を請求することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。引渡された目的物が契約に適合しない場合、注文者は目的物の修補を請求できる。
マン管令和7年度 問16肢1
Aの責めに帰することができない事由によってBが仕事を完成することができなくなった場合において、Bが既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によってAが利益を受けるときは、Bは、Aに対し、Aが受ける利益の割合に応じて報酬の支払を請求することができる。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。仕事の完成が不能でも、既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付により注文者が利益を受けるときは利益の割合に応じた報酬を請求できる。
解説で第634条を参照している問
問題で確認する
第634条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。