第三編 債権/第二章 契約/第十一節 寄託
民法 第657条(寄託)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 寄託の成立要件:委託と承諾で効力が生じるのは諾成契約。物の引渡しが必要なのは要物契約だけである。
- 消費寄託における返還:消費できる寄託(消費寄託)では同種・同質・同量の物を返せば足り、原物の返還は不要である。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第657条(寄託)
寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
寄託の成立要件
寄託は、保管の委託とこれに対する承諾だけではまだ成立せず、寄託物の引渡しがあった時に初めて効力を生ずる契約である。
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正解 ×
誤り。寄託は、当事者の一方がある物の保管を相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる諾成契約であり、物の引渡しは成立要件ではない。物の受取りを効力発生の要件とする消費貸借とは性質が異なる。
学習ポイント:委託と承諾で効力が生じるのは諾成契約。物の引渡しが必要なのは要物契約だけである。
第657条、関連:第587条
消費寄託における返還
銀行に金銭を預ける場合のように、受寄者が契約により寄託物を消費することができるときは、受寄者は寄託されたその個物自体を保管して返還するのではなく、これと種類、品質及び数量の同じ物をもって返還すれば足りる。
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正解 ○
正しい。受寄者が契約により寄託物を消費することができる場合(消費寄託)、受寄者は寄託された物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還すれば足り、同じ個物の保管・返還は要しない。預金等の金銭寄託には消費貸借の規定も準用される。
学習ポイント:消費できる寄託(消費寄託)では同種・同質・同量の物を返せば足り、原物の返還は不要である。
第657条、関連:第666条1項・3項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和5年 問33オ
寄託契約においては、寄託物を受け取るべき時期を経過しても寄託者が受寄者に寄託物を引き渡さない場合には、書面による寄託でも無報酬の受寄者は、直ちに契約の解除をすることができる。
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書面による寄託(要物性が緩和)では無報酬受寄者でも『直ちに』解除できるわけではなく、書面によらない寄託の特則の適用が問題となる。誤り。
管業令和7年度 問2肢1
委任契約は当事者間の合意のみで成立する諾成契約であるが、寄託契約は寄託物の引渡しを伴う要物契約である。
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誤り
誤り。現行民法では寄託契約も保管の委託と承諾によって成立する諾成契約であり、引渡しを要件とする要物契約ではない。
解説で第657条を参照している問
問題で確認する
第657条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。