第三編 債権/第二章 契約/第十一節 寄託
民法 第659条(無報酬の受寄者の注意義務)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 無報酬受寄者の注意義務の程度:受寄者の注意基準は報酬の有無で変わる。無報酬なら自己の財産と同一の注意で足りる。
- 無償委任の受任者の注意基準との比較:無償でも善管注意が軽減されるのは受寄者だけ。受任者は有償無償を問わず善管注意義務を負う。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第659条(無報酬の受寄者の注意義務)
無報酬の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。
この条文の〇×問題(2問)
無報酬受寄者の注意義務の程度
報酬を受けないで他人の物の保管を引き受けた者が、その物を自己の財産を管理するのと同程度の注意をもって保管していたときは、保管中に物が滅失した場合でも、寄託者に対する損害賠償責任を負わない。
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正解 ○
正しい。無報酬の受寄者の保管義務は自己の財産に対するのと同一の注意と定められており、善良な管理者の注意義務までは課されていない。その程度の注意を尽くしていれば保管中の滅失について債務不履行責任は生じない。無償だから無責任ではなく、軽減された注意基準が課される点を区別する。
学習ポイント:受寄者の注意基準は報酬の有無で変わる。無報酬なら自己の財産と同一の注意で足りる。
第659条
無償委任の受任者の注意基準との比較
無償で他人の事務処理を引き受けた受任者の注意義務も、無報酬で物の保管を引き受けた者の注意義務と同様に、自己の財産に対する程度の注意にまで軽減される。
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正解 ×
誤り。注意基準の軽減は無報酬の受寄者に限られた特例であり、受任者は報酬の有無にかかわらず善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。事務処理を委ねる委任と物の保管を委ねる寄託は別の典型契約であり、無償だから注意が軽いと類推できるのは寄託だけである。
学習ポイント:無償でも善管注意が軽減されるのは受寄者だけ。受任者は有償無償を問わず善管注意義務を負う。
第659条、関連:第644条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成24年 問32肢5
寄託が無償で行われた場合、受寄者は他人の物を管理するにあたり、善良なる管理者の注意をもって寄託物を保管しなければならない。
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妥当でない
無償の受寄者は『自己の財産に対するのと同一の注意』で足り(659条)、善良な管理者の注意義務は負わない。妥当でない。
賃管平成28年度 問10肢4
管理受託契約は、無償であっても管理業者は委託者に対して善管注意義務を負う。
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正しい
正しい。受任者は有償・無償を問わず委任の本旨に従い善良な管理者の注意で事務を処理する義務を負う。
管業令和7年度 問2肢3
委任契約も寄託契約も、当該契約が有償か否かによって、受任者や受寄者の注意義務の程度が異なる。
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誤り
誤り。注意義務の程度が有償・無償で変わるのは寄託のみであり、委任の受任者は有償・無償とも善管注意義務を負う。
解説で第659条を参照している問
問題で確認する
第659条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。