第三編 債権/第三章 事務管理
民法 第698条(緊急事務管理)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 緊急事務管理における賠償責任の軽減:急迫の危害を免れさせる管理では、悪意・重大な過失がない限り生じた損害の賠償を免れる。
- 免責と費用償還請求権の併存:緊急管理の免責は損害賠償の話であり、有益費用の償還請求は別途認められる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第698条(緊急事務管理)
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
この条文の〇×問題(2問)
緊急事務管理における賠償責任の軽減
甲は、乙の財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたところ、悪意や重大な過失はないが軽い過失によって乙の物を損傷させた。この場合、甲は生じた損害を賠償する責任を負う。
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正解 ×
誤り。本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるための事務管理では、管理者に悪意又は重大な過失がある場合に限り損害賠償責任を負い、軽い過失では責任を負わない。緊急時の介入を促すため責任が特に軽減されている。
学習ポイント:急迫の危害を免れさせる管理では、悪意・重大な過失がない限り生じた損害の賠償を免れる。
第698条
免責と費用償還請求権の併存
甲は乙宅の火災を鎮めるため、乙の留守中に窓を破って消火作業を行い、消火器具の購入費を支出した。甲に悪意も重大な過失もない場合、甲は窓の損害について賠償責任を負わないが、有益な費用の償還を請求することはできる。
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正解 ○
正しい。急迫の危害を免れさせる事務管理では、悪意又は重大な過失がなければ管理によって生じた損害の賠償責任を負わない。この免責は賠償責任の軽減にすぎず、本人のために有益な費用の償還請求は別途認められるため、消火器具の購入費は請求できる。
学習ポイント:緊急管理の免責は損害賠償の話であり、有益費用の償還請求は別途認められる。
第698条、関連:第702条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成23年 問33肢5
Bは、Aからあらかじめ甲の管理を頼まれていなかったにもかかわらず、工務店を営むCに修繕を請け負わせたが、実はAがCによる修繕を望んでいないことが後になって判明した。このような場合、甲にとって必要不可欠な修繕であっても、Bは、Aに対してその費用の支払いを請求することができない。
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妥当ではない
修繕が客観的に本人の利益で緊急の事務管理にあたれば、本人の意思に反しても費用の償還を請求できる(698条)。誤り。
司法書士令和4年度 問19オ
管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重過失があるのでなければ、その事務管理によって生じた損害を賠償する責任を負わない。
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正しい
正しい。緊急事務管理では、悪意又は重過失がなければ事務管理によって生じた損害の賠償責任を負わない(698条)。
宅建平成30年 問5肢3
Aは、B宅の屋根を善良な管理者の注意をもって修理しなければならない。
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誤り
誤り。緊急事務管理では悪意・重過失の場合のみ損害賠償責任を負う(民法698条)。善管注意義務より緩い。
宅建平成25年 問8肢1
倒壊しそうなA所有の建物や工作物について、Aが倒壊防止の措置をとらないため、Aの隣に住むBがAのために最小限度の緊急措置をとったとしても、Aの承諾がなければ、Bはその費用をAに請求することはできない。
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誤り
誤り。急迫の危険を免れるための事務管理(緊急事務管理・民法698条)では本人の承諾なくても有益な費用を本人に請求できる(702条)。
解説で第698条を参照している問
問題で確認する
第698条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。