第三編 債権/第四章 不当利得
民法 第704条(悪意の受益者の返還義務等)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 悪意受益者のなお損害賠償責任:悪意受益者は利息付き返還では終わらず、返還を超えてなお残る損害の賠償責任まで負う。
- 悪意受益者に現存利益の限定が及ばない:現存利益の限度で返せば足りるのは善意の受益者だけで、悪意なら消滅分も返還する。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第704条(悪意の受益者の返還義務等)
悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
この条文の〇×問題(2問)
悪意受益者のなお損害賠償責任
悪意の受益者は、受けた利益に利息を付して返還すれば足り、返還してもなお本人に残る損害についてまで賠償する責任を負わない。
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正解 ×
誤り。悪意の受益者は受けた利益に利息を付して返還しなければならない上、その返還によってもなお損害があるときは賠償の責任を負う。利息付きの返還で足りるわけではなく、返還を超えて残った損害まで填補義務が及ぶ加重された責任である。
学習ポイント:悪意受益者は利息付き返還では終わらず、返還を超えてなお残る損害の賠償責任まで負う。
第704条
悪意受益者に現存利益の限定が及ばない
悪意の受益者は、受けた利益が返還すべき時点で現に残っていない部分についても、その消滅を理由に返還義務を免れない。
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正解 ○
正しい。返還義務が利益の存する限度にとどまるのは善意の受益者の扱いである。法律上の原因の不存在を知りながら利益を受けた悪意の受益者にはその限定が適用されず、受けた利益に利息を付して返還し、なお損害があれば賠償責任も負う。
学習ポイント:現存利益の限度で返せば足りるのは善意の受益者だけで、悪意なら消滅分も返還する。
第704条、関連:第703条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和6年 問28肢2
売買契約が無効であるにもかかわらず、既に当事者双方の債務の履行が完了している場合、売主は受け取った金銭を善意で費消していたとしても、その全額を返還しなければならない。
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正しい
無効な売買で履行済みの場合、善意で費消していても全額返還義務を負う(悪意受益人は利息等付加・704条、善意でも受領利益は返還対象)。
司法書士平成29年度 問19イ
悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しても損失者になお損害がある場合には、不法行為の要件を充足していないときであっても、その賠償の責任を負う。
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誤り
誤り。民法704条後段の賠償責任は、不法行為の要件を充足する場合に注意を喚起したものにすぎず、不法行為の要件を満たさなければ負わない(最判平21.11.9)。
解説で第704条を参照している問
問題で確認する
第704条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。