第一編 総則/第四章 物
民法 第89条(果実の帰属)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 天然果実の帰属時点と日割計算の不適用:天然果実は分離時の収取権者に一括帰属。日割按分は法定果実だけのルール。
- 法定果実の日割計算による取得:賃料・利息は収取権の存続期間で日割取得。期間途中の消滅は按分される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第89条(果実の帰属)
天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
②法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。
この条文の〇×問題(2問)
天然果実の帰属時点と日割計算の不適用
土地を賃借して農作物を育てていた者の賃借権が収穫期の途中で終了した場合、まだ元物から分離していない収穫物については、栽培に要した期間に応じて旧賃借人と新たな収取権者に日割で帰属が分かれる。
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正解 ×
誤り。収取する権利の存続期間に応じた日割計算が定められているのは法定果実の取得であり、天然果実は元物から分離する時に、その時点で収取する権利を有する者に一括して帰属する。栽培期間の長短によって天然果実の帰属が按分されることはない。二類型の帰属ルールの混同がひっかけである。
学習ポイント:天然果実は分離時の収取権者に一括帰属。日割按分は法定果実だけのルール。
第89条1項・2項
法定果実の日割計算による取得
建物の賃貸借が月の途中で終了した場合、別段の特約がない限り、終了月の賃料は、賃料を収取する権利の存続期間に応じて日割計算により取得される。
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正解 ○
正しい。賃料は物の使用の対価として受けるべき法定果実であり、収取する権利の存続期間に応じて日割計算により取得する(89条2項)。権利が月の途中で消滅すれば、その月分は権利が存続した日数に応じた取得となる。もっとも89条2項は任意規定であり、日割計算をしない旨の有効な特約があればそれに従う。
学習ポイント:賃料・利息は収取権の存続期間で日割取得。期間途中の消滅は按分される。
第89条2項、関連:第88条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問4イ
利息の計算は、法定果実と同様に、別段の意思表示がなければ、これを生ずべき債権の存続期間に応じて、日割による。
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正しい
正しい。法定果実はこれを収取する権利の存続期間に応じて日割計算で取得し(89条2項)、利息の計算も同様と判例は解する。
司法書士令和7年度 問4エ
天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
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正しい
正しい。天然果実は元物から分離する時にこれを収取する権利を有する者に帰属する(89条1項)。
解説で第89条を参照している問
問題で確認する
第89条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。