第一編 総則/第四章 物
民法 第88条(天然果実及び法定果実)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 分離前の天然果実の法的地位:分離前の天然果実は原則として元物の一部。独立の取引対象とするには明認方法等が問題となる。
- 法定果実の範囲:果実には天然・法定の二類型がある。利息・賃料は使用対価としての法定果実。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第88条(天然果実及び法定果実)
物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
②物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。
この条文の〇×問題(2問)
分離前の天然果実の法的地位
果樹に実っている果実は天然果実であるから、まだ樹から分離していない段階でも、当然に樹木とは別個の独立した物として扱われる。
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正解 ×
誤り。天然果実は元物から分離するまでは元物の構成部分であり、天然果実であることから当然に独立した物となるわけではない(88条1項・89条1項参照)。もっとも、判例は未分離の果実についても明認方法を施すことで独立の取引の対象となることを認めており、収穫後の果実を引き渡す売買契約を結ぶことも妨げられない。
学習ポイント:分離前の天然果実は原則として元物の一部。独立の取引対象とするには明認方法等が問題となる。
第88条1項、関連:第89条1項
法定果実の範囲
金銭消費貸借における利息は、元本という物の使用の対価として受けるべき金銭であるから、天然果実ではないものの法定果実にあたる。
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正解 ○
正しい。法定果実とは物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物をいい、元本の使用の対価たる利息や土地・建物の賃料がこれにあたる。産出物として自然に生じる天然果実とは区別され、果実にはこの二類型がある。果実を自然の産出物だけと考えると誤る。
学習ポイント:果実には天然・法定の二類型がある。利息・賃料は使用対価としての法定果実。
第88条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問4ア
家賃は、法定果実に当たる。
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正しい
正しい。家賃は物の使用の対価として受ける金銭であり、法定果実に当たる(88条2項)。
司法書士令和7年度 問4ウ
乳牛から搾取される牛乳は、天然果実には当たらない。
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誤り
誤り。乳牛から搾取される牛乳は、物の用法に従い収取する産出物であり天然果実に当たる(88条1項)。
解説で第88条を参照している問
問題で確認する
第88条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。