第五編 相続/第三章 相続の効力/第三節 遺産の分割
民法 第909条(遺産の分割の効力)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 遺産分割の効力発生時点:分割の効力は協議成立時ではなく相続開始時にさかのぼって生じるのが原則。
- 分割後に現れた相続人の救済方法:分割済みなら後からの認知相続人は価額請求だけ。遡及効で分割は巻き戻せない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第909条(遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
この条文の〇×問題(2問)
遺産分割の効力発生時点
遺産の分割によって特定の土地を取得することになった相続人は、分割協議が成立した時点ではなく、被相続人の死亡による相続開始の時点からその土地を自らの権利として有していたものとして扱われる。
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正解 ○
正しい。民法909条本文は遺産の分割が相続開始の時にさかのぼって効力を生ずると定める。分割により取得した財産は分割の時に新たに取得するのではなく、相続開始時からその相続人に帰属していたものとして扱われるのが原則である。
学習ポイント:分割の効力は協議成立時ではなく相続開始時にさかのぼって生じるのが原則。
第909条本文
分割後に現れた相続人の救済方法
相続開始後に認知によって相続人となった者が遺産分割を請求しようとする場合、他の共同相続人が既に分割を終えていても、遺産分割は相続開始時に遡って効力を生じるのだから、その者は現物による分割のやり直しを求めることができる。
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正解 ×
誤り。民法910条は、この場合に認知により相続人となった者は価額のみによる支払の請求権を有するとし、現物分割のやり直しを認めない。909条の遡及効も、既に確定した分割その他の処分による権利関係を害さない範囲で調整される。
学習ポイント:分割済みなら後からの認知相続人は価額請求だけ。遡及効で分割は巻き戻せない。
第910条、関連:第909条ただし書
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問22ア
B及びCは、遺産分割協議において、BがAの遺産である甲土地の所有権全部を取得することに合意したが、その後、Cが、第三者に対し、甲土地の2分の1の持分を売却した場合、Bは、当該第三者に対し、登記なくして甲土地の所有権全部の取得を対抗することができる。
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誤り
誤り。遺産分割協議は相続開始時に遡って効力を生じるが、第三者の権利を害することはできない(909条)。共同相続人が自己の法定相続分を超える持分については、登記なくして第三者に対抗できない(最判昭38.10.4)。
宅建令和5年 問1肢3
遺産分割の効力は、相続開始の時にさかのぼって生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
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正しい
正しい。遺産分割の効力は相続開始時に遡及するが、第三者の権利は害せない(民法909条ただし書)。
宅建令和元年 問6肢4改正前の出題
遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。
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誤り
誤り。遺産分割の効力は相続開始時に遡及する(民法909条)。
解説で第909条を参照している問
問題で確認する
第909条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。