第五編 相続/第七章 遺言/第三節 遺言の効力
民法 第985条(遺言の効力の発生時期)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 検認と遺言の効力発生時期の区別:検認は証拠保全の手続であって遺言の効力要件ではなく、効力は死亡時に発生する。
- 停止条件付遺言の効力発生時期:停止条件が死亡後に成就すれば効力は成就時に発生し、死亡時への遡及はない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第985条(遺言の効力の発生時期)
遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
②遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。
この条文の〇×問題(2問)
検認と遺言の効力発生時期の区別
自筆証書による遺言は家庭裁判所の検認を経ることが予定されているが、検認は遺言書の事後的な証拠保全の手続であって、遺言の効力は検認の有無にかかわらず遺言者の死亡の時から生ずる。
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正解 ○
正しい。遺言の効力は遺言者の死亡の時に発生する。検認は遺言書の偽造・変造を防ぐための証拠保全手続にすぎず、効力発生の要件ではない。検認を経ていない遺言も有効であり、検認を怠って執行した場合の制裁は五万円以下の過料にとどまり、遺言の効力には影響しない。
学習ポイント:検認は証拠保全の手続であって遺言の効力要件ではなく、効力は死亡時に発生する。
第985条1項、関連:第1004条・第1005条
停止条件付遺言の効力発生時期
遺言に停止条件が付されている場合、その条件が遺言者の死亡後に成就したときであっても、遺言の効力は遺言者の死亡の時にさかのぼって生じたものとされる。
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正解 ×
誤り。停止条件付遺言でその条件が遺言者の死亡後に成就したときは、条件が成就した時から効力を生ずるのであって、死亡時にさかのぼらない。死亡の時に遡って効力を生ずるのは受遺者による遺贈の放棄であり、効力発生時期を定める規定とは仕組みが異なる。
学習ポイント:停止条件が死亡後に成就すれば効力は成就時に発生し、死亡時への遡及はない。
第985条2項、関連:第986条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問23ウ
遺言に停止条件が付されていた場合において、遺言者の死亡後に条件が成就したときは、条件が成就した時から、遺言の効力が生ずる。
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正しい
正しい。停止条件付遺贈は条件の成就の時から効力を生ずる(民法985条)。遺言者の死亡後に条件が成就したときは成就の時から遺言の効力が生ずる。
司法書士平成27年度 問38エ
遺言者の生前における遺言の無効確認の訴えは、現在の法律関係の確認を求めるものとして適法である。
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誤り
誤り。遺言は遺言者の死亡の時から効力を生ずるため(民法985条1項)、遺言者の生前における遺言無効確認の訴えは不適法である(判例)。
司法書士平成26年度 問23エ
Aは、公正証書によって「 Bが大学に合格したら甲土地をBに譲る 」旨の遺言をした後に死亡した。その後、Bが大学に合格した後に、Aの唯一の相続人Cが甲土地について相続を原因とするCへの所有権の移転の登記をした。
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取得できる
取得できる。停止条件付遺贈の条件は遺言者死亡後に成就したため遺贈は有効に成立し(民法985条2項)、Cの登記は遺贈の効力を妨げず、BはCに対し所有権を主張できる。
解説で第985条を参照している問
問題で確認する
第985条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。