第一編 総則/第六章 商業使用人
商法 第23条(支配人の競業の禁止)
この条の要点
- 競業避止違反取引の効力:競業違反の取引は有効。得た利益の額が損害額と推定されるだけ。
- 支配人の競業禁止の範囲(代理商との対比):支配人は自ら営業・使用人就任も禁止。代理商にはこの制限がない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第23条(支配人の競業の禁止)
支配人は、商人の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一 自ら営業を行うこと。
二 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること。
三 他の商人又は会社若しくは外国会社の使用人となること。
四 会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
②支配人が前項の規定に違反して同項第二号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって支配人又は第三者が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定する。
この条文の〇×問題(2問)
競業避止違反取引の効力
支配人が商人の許可を受けずに自己のためにその商人の営業の部類に属する取引をした場合、その取引は無効となる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。許可なく競業取引をしても取引自体は有効であり、支配人又は第三者がその行為によって得た利益の額が商人に生じた損害の額と推定されるにとどまる。取引の相手方を保護するため、行為の効力自体は否定されない。
学習ポイント:競業違反の取引は有効。得た利益の額が損害額と推定されるだけ。
第23条1項・2項
支配人の競業禁止の範囲(代理商との対比)
支配人は、商人の許可がなければ、自ら営業を行うことも他の商人の使用人となることもできないが、代理商についてはこのような制限はない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。支配人は商人の許可なく自ら営業を行い、自己又は第三者のために営業部類の取引をし、他の商人の使用人となり、会社の取締役等となることが禁じられる。代理商にはこのうち自ら営業や使用人就任の禁止はなく、禁止範囲が狭い。
学習ポイント:支配人は自ら営業・使用人就任も禁止。代理商にはこの制限がない。
第23条1項、関連:第28条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成26年 問36肢4
支配人は、商人に代わり営業上の権限を有する者として登記されるから、当該商人の許可を得たとしても、他の商人の使用人となることはできない。
正誤と理由を見る
誤り
支配人は商人の許可を受ければ他の商人の使用人となることができる(商法23条)。誤り。
司法書士令和4年度 問35イ
支配人は、当該支配人を選任した商人の許可を受けなければ、他の商人又は会社の使用人となることができない。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。支配人は商人の許可を受けなければ、他の商人又は会社の使用人となることができない(商法23条1項3号の競業避止義務)。
司法書士令和4年度 問35ウ
支配人が当該支配人を選任した商人の許可を受けずに自己のためにその商人の営業の部類に属する取引をしたときは、当該取引によって支配人が得た利益の額は、その商人に生じた損害の額と推定される。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。支配人が許可なく自己又は第三者のために商人の営業の部類に属する取引をしたとき、その利益の額は商人に生じた損害の額と推定される(商法23条2項)。
司法書士平成28年度 問35ウ
支配人が商人の許可を受けないで自ら営業を行ったときは、当該営業によって自己が得た利益の額は、商人に生じた損害の額と推定される。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。支配人が商人の許可なく自ら営業を行ったとき、その営業により自己が得た利益の額は商人に生じた損害の額と「推定」ではなく「みなされる」(商法23条2項)。
解説で第23条を参照している問
問題で確認する
第23条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。