第二編 商行為/第一章 総則
商法 第521条(商人間の留置権)
この条の要点
- 商事留置権の牽連性の緩和:商事留置は債権と物の牽連性不要。双方商行為債権と商行為による占有で足りる。
- 商事留置権の双方商行為要件:商事留置の被担保債権は双方商行為に基づくものに限る。
条文原文
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第521条(商人間の留置権)
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券を留置することができる。ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
商事留置権の牽連性の緩和
商人甲は、商人乙に対して双方の営業のための売買取引から生じた弁済期の到来した代金債権を有する場合、乙から商行為に基づく委託により占有に属した乙所有の貨物を、その代金債権の弁済を受けるまで留置することができる。
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正解 ○
正しい。双方商行為に基づく弁済期の債権があれば、債務者との商行為によって占有に属した債務者所有の物は、被担保債権と留置物との牽連性がなくても留置できる。民法の留置権が物に関して生じた債権を要するのとは異なる。
学習ポイント:商事留置は債権と物の牽連性不要。双方商行為債権と商行為による占有で足りる。
第521条1項、関連:民法第295条
商事留置権の双方商行為要件
商人が、商人でない者との取引によって取得した債権が弁済期にある場合でも、その債務者との商行為によって占有に属した債務者所有の物を留置することができる。
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正解 ×
誤り。商事留置権が成立するには、留置しようとする債権が商人間において双方のために商行為となる行為によって生じたものであることが必要である。債務者が商人でない者との取引に基づく債権では成立しないのである。
学習ポイント:商事留置の被担保債権は双方商行為に基づくものに限る。
第521条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成24年 問36肢1
債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、目的物が債務者所有の物であることを要する。
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誤り
商人間の留置権は目的物が債務者との間の商行為によって占有に属した物であることを要し、かつ債務者所有の物でなければならない(商法521条)。牽連性は不要。誤り。
行政書士平成24年 問36肢2
留置の目的物が債務者との間における商行為によらないで債権者の占有に属した物であってもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
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誤り
商行為によらないで占有に属した物は留置の目的物にならない(商法521条)。誤り。
行政書士平成24年 問36肢3
債権が留置の目的物に関して生じたものではなく、かつ、目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。
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誤り
目的物は債務者所有の物でなければならない(商法521条)。誤り。
行政書士平成24年 問36肢4
債権が留置の目的物に関して生じたものでなくてもよいが、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であり、かつ、目的物が債務者所有の物であることを要する。
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正しい
双方商行為により生じた弁済期の債権について、商行為によって占有に属した債務者所有の物を留置できる。債権と目的物の牽連は不要(商法521条)。正しい。
行政書士平成24年 問36肢5
留置の目的物が債務者所有の物でなくてもよいが、債権が目的物に関して生じたものであり、かつ、目的物が債務者との間における商行為によって債権者の占有に属した物であることを要する。
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誤り
牽連性は不要だが、目的物は債務者所有の物でなければならない(商法521条)。誤り。
解説で第521条を参照している問
問題で確認する
第521条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。