第二編 商行為/第九章 寄託/第二節 倉庫営業
商法 第616条(倉庫営業者の責任の消滅)
この条の要点
- 責任消滅の要件(受領と支払の双方):責任消滅には異議なき受領と保管料等の支払の双方が必要。隠れた損傷・悪意は例外。
- 直ちに発見できない損傷の通知期間:隠れた損傷は引渡し日から2週間以内の通知で責任を維持できる。受領・支払だけでは消滅しない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第616条(倉庫営業者の責任の消滅)
寄託物の損傷又は一部滅失についての倉庫営業者の責任は、寄託者又は倉荷証券の所持人が異議をとどめないで寄託物を受け取り、かつ、保管料等を支払ったときは、消滅する。ただし、寄託物に直ちに発見することができない損傷又は一部滅失があった場合において、寄託者又は倉荷証券の所持人が引渡しの日から二週間以内に倉庫営業者に対してその旨の通知を発したときは、この限りでない。
②前項の規定は、倉庫営業者が寄託物の損傷又は一部滅失につき悪意であった場合には、適用しない。
この条文の〇×問題(2問)
責任消滅の要件(受領と支払の双方)
寄託者が異議を述べずに寄託物を受け取っただけでは、倉庫営業者の損傷・一部滅失についての責任は消滅せず、あわせて保管料等を支払ったときに責任が消滅する。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。倉庫営業者の損傷・一部滅失の責任は、寄託者等が異議をとどめないで寄託物を受け取り、かつ保管料等を支払ったときに消滅し(616条1項本文)、一方だけでは足りない。ただし、直ちに発見できない損傷等について引渡しの日から2週間以内に通知を発したときや(同項ただし書)、倉庫営業者が悪意であったとき(同条2項)は消滅しない。
学習ポイント:責任消滅には異議なき受領と保管料等の支払の双方が必要。隠れた損傷・悪意は例外。
第616条1項・2項
直ちに発見できない損傷の通知期間
引渡しの時点で直ちに発見できない損傷が寄託物にあった場合でも、寄託者が異議なく受け取って保管料等を支払った以上、その後いつ損傷を発見して通知しても、倉庫営業者の責任は既に消滅している。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。直ちに発見することができない損傷・一部滅失があった場合は、寄託者等が引渡しの日から2週間以内に倉庫営業者に対してその旨の通知を発したときは、異議なき受領・支払によっても責任は消滅しない。いつ通知しても消滅しているわけではない。
学習ポイント:隠れた損傷は引渡し日から2週間以内の通知で責任を維持できる。受領・支払だけでは消滅しない。
第616条1項ただし書
根拠・関連条文
問題で確認する
第616条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。