第二編 商行為/第九章 寄託/第二節 倉庫営業
商法 第610条(倉庫営業者の責任)
この条の要点
- 倉庫営業者の免責に必要な立証内容:倉庫営業者は無過失の証明で免責される。不可抗力の立証を要する場屋営業者とは程度が異なる。
- 異議なき受領・支払による責任消滅:異議なき受領と保管料等の支払で責任消滅。隠れた損傷の通知・悪意の場合は例外。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第610条(倉庫営業者の責任)
倉庫営業者は、寄託物の保管に関し注意を怠らなかったことを証明しなければ、その滅失又は損傷につき損害賠償の責任を免れることができない。
この条文の〇×問題(2問)
倉庫営業者の免責に必要な立証内容
倉庫営業者は、保管中の寄託物が滅失した場合、場屋営業者と同様に、その滅失が不可抗力によるものであったことを証明しなければ、損害賠償の責任を免れない。
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正解 ×
誤り。倉庫営業者は、寄託物の保管に関し注意を怠らなかったことを証明すれば免責される。不可抗力の証明までは要求されず、不可抗力の立証を要する場屋営業者より立証の負担は軽い。両者の免責要件を混同しないこと。
学習ポイント:倉庫営業者は無過失の証明で免責される。不可抗力の立証を要する場屋営業者とは程度が異なる。
第610条、関連:第596条1項
異議なき受領・支払による責任消滅
保管中に寄託物の一部が滅失した場合、倉庫営業者が自ら無過失を証明できなくても、寄託者が異議をとどめずに寄託物を受け取り、かつ保管料等を支払ったときは、直ちに発見できない滅失や倉庫営業者が悪意の場合を除き、その責任は消滅する。
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正解 ○
正しい。倉庫営業者の損傷・一部滅失の責任は、寄託者等が異議をとどめないで寄託物を受け取り、かつ保管料等を支払ったときは消滅する(616条1項本文)。無過失の証明とは別の消滅事由である。ただし、直ちに発見できない損傷等について引渡しから2週間以内に通知を発したとき(同項ただし書)や、倉庫営業者が悪意のとき(同条2項)は消滅しない。
学習ポイント:異議なき受領と保管料等の支払で責任消滅。隠れた損傷の通知・悪意の場合は例外。
第610条、関連:第616条1項・2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第610条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。