第二編 商行為/第九章 寄託/第二節 倉庫営業
商法 第617条(倉庫営業者の責任に係る債権の消滅時効)
この条の要点
- 倉庫営業者責任の短期消滅時効:倉庫営業者の責任債権は1年の短期時効。倉庫営業者が悪意なら適用されない。
- 全部滅失の場合の時効起算点:全部滅失の時効は倉庫営業者の通知発送日から起算。滅失発生日からではない。
条文原文
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第617条(倉庫営業者の責任に係る債権の消滅時効)
寄託物の滅失又は損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、寄託物の出庫の日から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。
②前項の期間は、寄託物の全部滅失の場合においては、倉庫営業者が倉荷証券の所持人(倉荷証券を作成していないとき又は倉荷証券の所持人が知れないときは、寄託者)に対してその旨の通知を発した日から起算する。
③前二項の規定は、倉庫営業者が寄託物の滅失又は損傷につき悪意であった場合には、適用しない。
この条文の〇×問題(2問)
倉庫営業者責任の短期消滅時効
倉庫営業者に対する寄託物の滅失・損傷についての賠償請求権は、倉庫営業者が悪意であった場合を除き、場屋営業者に対する同種の債権と同様に、民法の一般的な消滅時効期間ではなく1年の短期消滅時効に服する。
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正解 ○
正しい。寄託物の滅失・損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、出庫の日(全部滅失のときは通知を発した日)から1年間行使しないと時効によって消滅する(617条1項・2項)。ただし、倉庫営業者が滅失・損傷について悪意であった場合には適用されず(同条3項)、一般の消滅時効による。
学習ポイント:倉庫営業者の責任債権は1年の短期時効。倉庫営業者が悪意なら適用されない。
第617条1項〜3項、関連:第598条1項
全部滅失の場合の時効起算点
寄託物が全部滅失した場合、倉庫営業者に対する損害賠償請求権の1年の時効期間は、滅失が発生した時点から起算される。
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正解 ×
誤り。全部滅失の場合の1年の期間は、倉庫営業者が倉荷証券の所持人(倉荷証券を作成していないときや所持人が知れないときは寄託者)に対してその旨の通知を発した日から起算される。滅失発生時ではなく、権利者が滅失を知りうる通知発送時が起点である。
学習ポイント:全部滅失の時効は倉庫営業者の通知発送日から起算。滅失発生日からではない。
第617条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和3年度 問35エ
倉庫営業者が寄託物の損傷につき悪意でなかった場合には、寄託物の損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、寄託物の出庫の日から1年間行使しないときに、時効によって消滅する。
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正しい
正しい。寄託物の滅失又は損傷についての倉庫営業者の責任に係る債権は、倉庫営業者が悪意である場合を除き、寄託物の出庫の日から1年間行使しないときは時効によって消滅する(商法617条)。
解説で第617条を参照している問
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第617条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。