第二編 株式会社/第三章 新株予約権/第二節 新株予約権の発行/第一款 募集事項の決定等
会社法 第239条(募集事項の決定の委任)
この条の要点
- 募集事項決定の委任の効力期間:募集事項決定の委任は割当日が決議日から1年以内の募集に限り有効。
- 委任決議で定めるべき範囲:委任決議では内容・数の上限に加えて払込金額の下限も定める必要がある。
条文原文
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第239条(募集事項の決定の委任)
前条第二項及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集新株予約権の内容及び数の上限
二 前号の募集新株予約権につき金銭の払込みを要しないこととする場合には、その旨
三 前号に規定する場合以外の場合には、募集新株予約権の払込金額の下限
②次に掲げる場合には、取締役は、前項の株主総会において、第一号の条件又は第二号の金額で募集新株予約権を引き受ける者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。
一 前項第二号に規定する場合において、金銭の払込みを要しないこととすることが当該者に特に有利な条件であるとき。
二 前項第三号に規定する場合において、同号の払込金額の下限が当該者に特に有利な金額であるとき。
③第一項の決議は、割当日が当該決議の日から一年以内の日である前条第一項の募集についてのみその効力を有する。
④種類株式発行会社において、募集新株予約権の目的である株式の種類の全部又は一部が譲渡制限株式であるときは、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定の委任は、前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
募集事項決定の委任の効力期間
新株予約権の募集事項の決定を株主総会の決議で取締役に委任した場合でも、その委任が及ぶのは、割当日が当該委任決議の日から一年以内に到来する募集だけである。
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正解 ○
正しい。募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社では取締役会)に委任する株主総会の決議は、割当日が決議の日から一年以内の日である募集についてのみ効力を有する。一年を超える先の募集を包括的に委任することはできない。
学習ポイント:募集事項決定の委任は割当日が決議日から1年以内の募集に限り有効。
第239条1項・3項
委任決議で定めるべき範囲
株主総会が新株予約権の募集事項の決定を取締役に委任する決議をする場合、その委任に基づいて決定できる募集新株予約権の内容及び数の上限を定める必要があるが、金銭の払込みを要する募集の払込金額については下限を定める必要はない。
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正解 ×
誤り。委任決議では、委任に基づいて決定できる募集新株予約権の内容及び数の上限を定めるほか、払込みを要する募集では払込金額の下限をも定めなければならない。上限のみの定めでは委任決議として足りず、委任の範囲が確定しない。
学習ポイント:委任決議では内容・数の上限に加えて払込金額の下限も定める必要がある。
第239条1項各号
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問29ア
会社法上の公開会社でない取締役会設置会社において、募集新株予約権の行使に際して出資される財産の価額が当該募集新株予約権を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、株主総会の特別決議によって、当該募集新株予約権に関する募集事項の決定を取締役会に委任することはできない。
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誤り
誤り。募集新株予約権の募集事項の決定の取締役会への委任は株主総会の普通決議で足りる(239条1項前段)。有利発行であっても特別決議の要件が加重されるわけではない(有利発行自体が特別決議を要するのは別の問題——238条2項・309条2項5号)。
解説で第239条を参照している問
問題で確認する
第239条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。