区分所有法31条の過去問
区分所有法31条を根拠にした本試験の過去問を、マン管・管業・宅建の3試験から9問・10肢集めました。 試験ごとの問われ方と、肢ごとの正誤の理由を確認できます。
建物の区分所有等に関する法律第31条の条文
第1項規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回…
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第1項規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
第2項前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
出典:e-Gov法令検索(2026年4月1日施行版)/区分所有法の条文一覧で見る
出題実績(9問)
| 試験 | 年度 | 問題 | 論点 | 根拠になった肢 |
|---|---|---|---|---|
| 宅建 | 平成30年 | 問13 | 区分所有建物の規約管理 | 肢1 |
| マン管 | 令和6年度 | 問5 | 駐車場使用料の増額と特別の影響 | 肢1 |
| マン管 | 令和2年度 | 問1 | 一部共用部分・規約敷地 | 肢2・肢3 |
| マン管 | 令和元年度 | 問5 | 一部共用部分の管理主体 | 肢4 |
| マン管 | 平成30年度 | 問1 | 規約の設定・保管 | 肢2 |
| マン管 | 平成30年度 | 問3 | 駐車場使用料増額と特別の影響 | 肢2 |
| マン管 | 平成28年度 | 問6 | 規約の設定事項・保管 | 肢2 |
| 管業 | 平成29年度 | 問37 | 集会の招集と決議要件 | 肢4 |
| 管業 | 平成28年度 | 問33 | 規約で定められる事項 | 肢1 |
当サイトの自作解説で区分所有法31条を根拠として特定した肢を集計しています(解説を確認中の肢・図表が必要な問題・不成立の問題は除く)。
試験別の問われ方と肢別の正誤
マンション管理士(6問・7肢)
「特別の影響」の有無が繰り返し出題されます。専用使用権者に無断で使用料を増額できないこと、未利用の規約敷地を特定の区分所有者が排他的に使えるようにするには他の区分所有者全員の承諾が要ること、特別の影響の判断基準、買取請求の制度がないこと、2項の4分の1超の反対が問われました。
専用使用権者に特別の影響を及ぼすべきときは、専用使用権者の承諾を得ることなく規約を変更して、使用料を増額することはできない。
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正誤:正しい
解説:正しい。規約の変更が専用使用権者に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければ使用料を増額する規約変更はできない。
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の3以上で、かつ、議決権の4分の3以上の賛成を要する。
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正誤:誤り
解説:誤り。全員の利害に関係しない一部共用部分の事項の全員規約の設定は、共用者の4分の1超又は議決権の4分の1超の反対がない限り可能で、4分の3以上の賛成は要しない。
未利用の規約敷地の一部について、特定の区分所有者に対して特に有利な条件で、かつ、排他的に使用収益をする権利を規約で設定する場合には、その集会の決議に当たり、他の区分所有者全員の承諾を得なければならない。
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正誤:正しい
解説:正しい。未利用の規約敷地に特定者の排他的使用収益権を設定するのは他の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすので、その全員の承諾を要する。
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の 4 分の 1 を超える者又はその議決権の 4 分の 1 を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません。
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正誤:正しい
解説:正しい。全員の利害に関係しない一部共用部分の事項に係る全員規約の設定は、共用者の4分の1超又はその議決権の4分の1超の反対があるときはできない。
規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者は、規約の設定、変更又は廃止の決議に賛成した区分所有者に対し、自己の区分所有権等を時価で買い取るべきことを請求することができる。
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正誤:誤り
解説:誤り。特別の影響を及ぼすべきときは当該区分所有者の承諾を要するが、自己の区分所有権等を時価で買い取るべきことを請求する制度はない。
区分所有法第31条に規定されている特別の影響を及ぼすべきときに当たるのは、規約の設定、変更等の必要性及び合理性とこれによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較衡量し、区分所有関係の実態に照らして、その不利益が区分所有者の受忍すべき限度を超える場合である。
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正誤:正しい
解説:正しい。特別の影響を及ぼすべきときとは、規約変更等の必要性・合理性と受ける不利益とを比較衡量し、区分所有関係の実態に照らしてその不利益が受忍限度を超える場合をいう(判例)。
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。
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正誤:正しい
解説:正しい。一部共用部分に関する事項で全員の利害に関係しない規約について、当該共有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える反対があれば、全員の規約を設定・変更・廃止できない(区分所有法31条2項)。
管理業務主任者(2問・2肢)
規約の設定・変更・廃止の決議要件が問われました。区分所有者及び議決権の各4分の3以上とされ、「区分所有者の過半数」では足りないこと、特別の影響を受ける者の承諾が必要なことが出題されています。出題は2026年4月施行の改正前の規定によるため、現行法の母数と区別して読む必要があります。
規約を変更するには、集会において区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要であり、この場合において、当該変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾が必要である。
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正誤:正しい
解説:正しい。規約の変更は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の特別多数決議で、一部の者に特別の影響があるときはその承諾を要する。※令和7年改正(2026年4月施行)前の規定による出題。現行31条1項は、区分所有者・議決権とも過半数の出席を要したうえで、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上で決する。
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者の過半数及び議決権の4分の3以上で決する。
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正誤:誤り
解説:誤り。規約の設定・変更・廃止は区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議によるのが法定要件で、「区分所有者の過半数及び議決権の4分の3以上」とする定めは規約でもできない(区分所有法31条1項)。本問は「規約に定めることのできないもの」を選ぶ問題で、この肢が正解。なお、令和7年改正(2026年4月施行)で、現行31条1項の母数は出席した区分所有者及びその議決権に改められている。
宅建(1問・1肢)
規約の設定・変更・廃止の決議要件が問われ、「区分所有者の過半数」による集会の決議では足りず、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数が必要とされました。出題は2026年4月施行の改正前の規定によるため、現行法の出席要件と区別して読む必要があります。
規約の設定、変更又は廃止を行う場合は、区分所有者の過半数による集会の決議によってなされなければならない。
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正誤:誤り
解説:誤り。規約の設定・変更・廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議によってする(出題当時の区分所有法31条1項)。過半数ではない。(2026年4月施行の改正後は、区分所有者の過半数で議決権の過半数を有するものが出席し、出席者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議となる)
間違えやすいポイント
令和7年の改正(2026年4月施行)で、規約の設定・変更・廃止の決議は「出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上」で行う形になり、区分所有者の過半数かつ議決権の過半数を有する者の出席が必要になりました。改正前の過去問は「区分所有者及び議決権の各4分の3以上」と出題されているため、現行法の母数と区別して読みます。「特別の影響」を受ける者の承諾は決議要件とは別に必要で、4分の3以上の賛成があっても、承諾を得なければなりません。
| 論点 | 規約の設定・変更(31条1項) | 共用部分の変更(17条1項) | 普通決議(39条1項) |
|---|---|---|---|
| 決議の割合 | 出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上 | 出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上(形状・効用の著しい変更を伴わないものを除く) | 出席した区分所有者及びその議決権の各過半数 |
| 出席の要件 | 区分所有者の過半数かつ議決権の過半数を有する者の出席(規約で上回る割合を定めることも可) | 同左(規約で上回る割合を定めることも可) | 法律上の出席要件の定めはない |
| 規約による変更 | 4分の3は規約で変えられない | 4分の3は、2分の1を超える割合まで規約で引き下げられる | 規約に別段の定めがあればそれによる |
| 承諾が必要な場合 | 一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきとき、その者の承諾 | 専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきとき、その専有部分の所有者の承諾(17条2項) | 定めなし |
よくある質問
- 規約を変更するには、何分の何の賛成が必要ですか?
- 集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の賛成が必要です。2026年4月施行の改正で、区分所有者の過半数かつ議決権の過半数を有する者の出席が要件として加わりました。改正前は、出席者ではなく区分所有者及び議決権の各4分の3以上と定められていました。
- 「特別の影響を及ぼすべきとき」とは、どのような場合ですか?
- 規約の設定・変更等の必要性・合理性と、これによって一部の区分所有者が受ける不利益とを比較し、区分所有関係の実態に照らして、その不利益が受忍すべき限度を超える場合をいうとされます(判例)。該当するときは、決議のほか、その区分所有者の承諾を得なければなりません。
- 一部共用部分に関する規約は、区分所有者全員で決められますか?
- 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについて、全員で規約を設定・変更・廃止しようとしても、その一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又は議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません(31条2項)。
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区分所有法のほかの条の過去問
論点・試験別の説明の確認日:2026.10.08。現行条文(第1項・第2項。令和7年改正後)と各肢の自作解説の結論との整合、17条・39条の現行条文との比較表の照合。改正前の規定による出題(管理業務主任者2問)の解説には注記を追記した。判例の事件番号・原文までは照合していない