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建物の区分所有等に関する法律 規約・集会・管理命令

第30条〜第46条の14

建物の区分所有等に関する法律の規約・集会・管理命令分野(第30条〜第46条の14)をまとめて学べるページです。条文穴埋め31問と判例0件を収録しています。

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規約・集会・管理命令の解説

この分野(第30条〜第46条の14)は、マンションの管理ルールを定める規約と、区分所有者の意思決定の場である集会、2026年4月施行の改正で加わった管理不全・所有者不明の専有部分や共用部分の管理命令からなります。区分所有法の中で、マンション管理士・管理業務主任者試験の過去問に最も多く出てくる分野です。

2026年4月施行の改正で、集会の決議要件が大きく変わりました。普通決議は「出席した区分所有者及びその議決権の各過半数」で決し(39条1項)、規約の設定・変更・廃止などの特別決議も、区分所有者と議決権の各過半数が出席した集会で、出席者とその議決権の各4分の3以上で決める方式になりました(31条1項)。所在が分からない区分所有者を、裁判所の決定で決議の母数から除く制度も設けられています(38条の2)。

集会の招集では、管理者が少なくとも毎年1回招集すること、区分所有者と議決権の各5分の1以上による招集請求、会日の1週間前までの招集通知が基本です。規約と集会の決議は、区分所有者の特定承継人にも効力が及び、賃借人などの占有者も建物の使用方法については同じ義務を負います(46条)。

決議・手続要件(2026年4月施行後)規約での変更根拠
普通決議(集会の議事)出席した区分所有者とその議決権の各過半数別段の定めができる39条1項
規約の設定・変更・廃止区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者とその議決権の各4分の3以上定足数は引き上げのみ可31条1項
共用部分の変更(軽微なものを除く)区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者とその議決権の各4分の3以上4分の3は過半数まで引き下げ可17条1項
瑕疵の除去・バリアフリー化のための共用部分の変更上記の4分の3を3分の2とする—17条5項
管理組合法人の設立区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者とその議決権の各4分の3以上定足数は引き上げのみ可47条1項
建替え決議区分所有者と議決権の各5分の4以上(耐震性不足など一定の場合は4分の3以上)できない62条
集会の招集請求区分所有者と議決権の各5分の1以上定数は減らせる34条3項
招集通知の発送会日の少なくとも1週間前伸長のみ可35条1項

出典:e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律

3つの論点を具体例で比べる

原則・例外を確認したら、事例と対照例の条件の違いを読み分けてください。善意や過失の要件は、誰について判断するかも確認します。

規約の設定・変更・廃止

原則
規約の設定・変更・廃止は、区分所有者(議決権を有しない者を除く)の過半数で議決権の過半数を有する者が出席した集会で、出席した区分所有者とその議決権の各4分の3以上の多数による決議で行います。定足数は規約で引き上げることができます。
例外・制限
規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その区分所有者の承諾が必要です(31条1項後段)。規約は書面又は電磁的記録で作成し、管理者が保管して、保管場所を建物内の見やすい場所に掲示します。
具体例
ペットの飼育を禁止する規約を新たに設けるには、所定の定足数を満たした集会で、出席者とその議決権の各4分の3以上の賛成が必要です。
条件を変えた対照例
特定の住戸だけ管理費を大幅に引き上げるような規約変更は、その区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすため、4分の3以上の賛成があってもその区分所有者の承諾がなければできません。
第三者との関係
規約は区分所有者の特定承継人(住戸を買った人など)にも効力が及びます。規約の保管者は、利害関係人から請求があれば、正当な理由がない限り閲覧させなければなりません(33条2項)。

集会の招集

原則
集会は管理者が招集し、少なくとも毎年1回招集しなければなりません。区分所有者と議決権の各5分の1以上を有する者は、会議の目的を示して管理者に招集を請求できます(この定数は規約で減らせます)。
例外・制限
招集請求から2週間以内に、請求日から4週間以内の日を会日とする招集通知が出されないときは、請求した区分所有者が自ら招集できます。管理者がいないときは、区分所有者と議決権の各5分の1以上を有する者が招集できます。
具体例
管理者が年1回の集会を開かないため、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を持つ人たちが、議題を示して管理者に招集を請求しました。
条件を変えた対照例
集会では、あらかじめ招集通知で示した事項についてだけ決議できます(37条1項)。通知していない事項を当日追加して決議することは、規約で別段の定めがない限りできません(特別の定数が定められた事項は規約でも変えられません)。
第三者との関係
招集通知は会日の少なくとも1週間前に、会議の目的と議案の要領を示して各区分所有者に発します。区分所有者全員の同意があれば、招集の手続を経ずに集会を開けます(36条)。

集会の決議

原則
集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決します。議決権は、規約に別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合によります(38条・14条)。
例外・制限
議決権は書面や代理人によっても行使でき、規約や集会の決議があれば電磁的方法でも行使できます。これらの方法で行使した区分所有者は、出席した区分所有者に算入されます(39条2項・3項)。
具体例
管理費の使い道を決める普通決議は、出席した区分所有者とその議決権の各過半数の賛成で決まります。欠席して書面で議決権を行使した区分所有者も出席者として数えます。
条件を変えた対照例
区分所有者全員の承諾があれば、集会を開かずに書面又は電磁的方法で決議できます(45条)。全員の承諾がない限り、一部の区分所有者の書面だけで決議することはできません。
第三者との関係
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する賃借人などは、会議の目的について利害関係があるときは集会に出席して意見を述べられますが、議決権はありません(44条)。占有者も、建物の使用方法については規約や集会の決議に従う義務を負います(46条2項)。

原文照合日時:2026/10/7 4:00:00(日本時間)

原文照合:e-Gov原文(2026年4月1日施行版)の第30条〜第46条と、比較表に引用した第17条・第47条・第62条、この分野の説明・3つの学習ノートを照合。管理命令(46条の2以下)は概要のみ。人による法的監修は未実施。

確認した原文版:337AC0000000069_20260401_507AC0000000047

e-Govの原文を確認

第一章 建物の区分所有 / 第五節 規約及び集会

第30条(規約事項)

建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

第2項一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。

第3項前二項に規定する規約は、専有部分若しくは共用部分又は建物の敷地若しくは附属施設(建物の敷地又は附属施設に関する権利を含む。)につき、これらの形状、面積、位置関係、使用目的及び利用状況並びに区分所有者が支払つた対価その他の事情を総合的に考慮して、区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならない。

第4項第一項及び第二項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。

第5項規約は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により、これを作成しなければならない。

第31条(規約の設定、変更及び廃止)

規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

第2項前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

第32条(公正証書による規約の設定)

最初に建物の専有部分の全部を所有する者は、公正証書により、第四条第二項、第五条第一項並びに第二十二条第一項ただし書及び第二項ただし書(これらの規定を同条第三項において準用する場合を含む。)の規約を設定することができる。

第33条(規約の保管及び閲覧)

規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で規約又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。

第2項前項の規定により規約を保管する者は、利害関係人の請求があつたときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧(規約が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの当該規約の保管場所における閲覧)を拒んではならない。

第3項規約が電磁的記録で作成されているときは、第一項の規定により規約を保管する者は、前項の規定による当該電磁的記録に記録された情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の請求をした利害関係人の承諾を得て、当該電磁的記録に記録された情報を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該規約を保管する者は、同項の規定による閲覧をさせたものとみなす。

第4項規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

第34条(集会の招集)

集会は、管理者が招集する。

第2項管理者は、少なくとも毎年一回集会を招集しなければならない。

第3項区分所有者(議決権を有しないものを除く。第五項において同じ。)の五分の一以上の者であつて議決権の五分の一以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。

第4項前項の規定による請求がされた場合において、二週間以内にその請求の日から四週間以内の日を会日とする集会の招集の通知が発せられなかつたときは、その請求をした区分所有者は、集会を招集することができる。

第5項管理者がないときは、区分所有者の五分の一以上の者であつて議決権の五分の一以上を有するものは、集会を招集することができる。ただし、この定数は、規約で減ずることができる。

第35条(招集の通知)

集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸長することができる。

第2項専有部分が数人の共有に属するときは、前項の通知は、第四十条の規定により定められた議決権を行使すべき者(その者がないときは、共有者の一人)にすれば足りる。

第3項第一項の通知は、区分所有者が管理者に対して通知を受けるべき場所を通知したときはその場所に、これを通知しなかつたときは区分所有者の所有する専有部分が所在する場所にあててすれば足りる。この場合には、同項の通知は、通常それが到達すべき時に到達したものとみなす。

第4項建物内に住所を有する区分所有者又は前項の通知を受けるべき場所を通知しない区分所有者に対する第一項の通知は、規約に特別の定めがあるときは、建物内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、同項の通知は、その掲示をした時に到達したものとみなす。

第36条(招集手続の省略)

集会は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。

第37条(決議事項の制限)

集会においては、第三十五条の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。

第2項前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。

第3項前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。

第38条(議決権)

各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、第十四条に定める割合による。

第38条の2(所在等不明区分所有者の除外)

裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、当該区分所有者(次項において「所在等不明区分所有者」という。)以外の区分所有者(以下この項及び第三項において「一般区分所有者」という。)又は管理者の請求により、一般区分所有者による集会の決議をすることができる旨の裁判をすることができる。

第2項前項の裁判により所在等不明区分所有者であるとされた者は、前条の規定にかかわらず、集会における議決権(当該裁判に係る建物が滅失したときは、当該建物に係る敷地利用権を有する者又は当該建物の附属施設(これに関する権利を含む。)の共有持分を有する者が開く集会における議決権)を有しない。

第3項一般区分所有者の請求により第一項の裁判があつたときは、当該一般区分所有者は、遅滞なく、管理者にその旨を通知しなければならない。ただし、管理者がないときは、その旨を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

第39条(議事)

集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する。

第2項議決権は、書面又は代理人によつても行使することができる。この場合において、書面又は代理人によつて議決権を行使した区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、当該議決権の数は出席した区分所有者の議決権の数に、それぞれ算入する。

第3項区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によつて議決権を行使することができる。この場合においては、電磁的方法による議決権の行使を書面による議決権の行使とみなして、同項後段の規定を適用する。

第40条(議決権行使者の指定)

専有部分が数人の共有に属するときは、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもつて、議決権を行使すべき者一人を定めなければならない。

第41条(議長)

集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。

第42条(議事録)

集会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。

第2項議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。

第3項前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名しなければならない。

第4項第二項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び集会に出席した区分所有者の二人が行う法務省令で定める署名に代わる措置を執らなければならない。

第5項第三十三条の規定は、議事録について準用する。

第43条(事務の報告)

管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

第44条(占有者の意見陳述権)

区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

第2項前項に規定する場合には、集会を招集する者は、第三十五条の規定により招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。

第45条(書面又は電磁的方法による決議)

この法律又は規約により集会において決議をすべき場合において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。次項において同じ。)全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係る区分所有者の承諾については、法務省令で定めるところによらなければならない。

第2項この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項については、区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的方法による決議があつたものとみなす。

第3項この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項についての書面又は電磁的方法による決議は、集会の決議と同一の効力を有する。

第4項第三十三条の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係る書面並びに第一項及び第二項の電磁的方法が行われる場合に当該電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。

第5項集会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

第46条(規約及び集会の決議の効力)

規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる。

第2項占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。

第一章 建物の区分所有 / 第六節 所有者不明専有部分管理命令

第46条の2(所有者不明専有部分管理命令)

裁判所は、区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分(専有部分が数人の共有に属する場合にあつては、共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分の共有持分)について、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、その請求に係る専有部分又は共有持分を対象として、所有者不明専有部分管理人(第四項に規定する所有者不明専有部分管理人をいう。第三項において同じ。)による管理を命ずる処分(以下「所有者不明専有部分管理命令」という。)をすることができる。

第2項所有者不明専有部分管理命令の効力は、当該所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分(共有持分を対象として所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合にあつては、共有物である専有部分)又は共用部分、附属施設若しくは建物の敷地にある動産(当該所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者又は共有持分を有する者が所有するものに限る。)並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権(いずれも当該所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者又は共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。

第3項所有者不明専有部分管理命令は、所有者不明専有部分管理命令が発せられた後に当該所有者不明専有部分管理命令が取り消された場合において、当該所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分又は共有持分並びに当該所有者不明専有部分管理命令の効力が及ぶ動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権の管理、処分その他の事由により所有者不明専有部分管理人が得た財産について、必要があると認めるときも、することができる。

第4項裁判所は、所有者不明専有部分管理命令をする場合には、当該所有者不明専有部分管理命令において、所有者不明専有部分管理人を選任しなければならない。

第46条の3(所有者不明専有部分管理人の権限)

前条第四項の規定により所有者不明専有部分管理人が選任された場合には、所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分又は共有持分並びに所有者不明専有部分管理命令の効力が及ぶ動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権並びにこれらの管理、処分その他の事由により所有者不明専有部分管理人が得た財産(以下「所有者不明専有部分等」という。)の管理及び処分をする権利は、所有者不明専有部分管理人に専属する。

第2項所有者不明専有部分管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、この許可がないことをもつて善意の第三者に対抗することはできない。

一 保存行為

二 所有者不明専有部分等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

第46条の4(所有者不明専有部分等に関する訴えの取扱い)

所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴えについては、所有者不明専有部分管理人を原告又は被告とする。

第2項所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合には、所有者不明専有部分等に関する訴訟手続で当該所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。第五項において同じ。)を当事者とするものは、中断する。

第3項前項の規定により中断した訴訟手続は、所有者不明専有部分管理人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

第4項所有者不明専有部分管理命令が取り消されたときは、所有者不明専有部分管理人を当事者とする所有者不明専有部分等に関する訴訟手続は、中断する。

第5項所有者不明専有部分等の所有者は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

第46条の5(所有者不明専有部分管理人の義務)

所有者不明専有部分管理人は、所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)のために、善良な管理者の注意をもつて、その権限を行使しなければならない。

第2項数人の者の共有持分を対象として所有者不明専有部分管理命令が発せられたときは、所有者不明専有部分管理人は、当該所有者不明専有部分管理命令の対象とされた共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。

第46条の6(所有者不明専有部分管理人の解任及び辞任)

所有者不明専有部分管理人がその任務に違反して所有者不明専有部分等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、所有者不明専有部分管理人を解任することができる。

第2項所有者不明専有部分管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。

第46条の7(所有者不明専有部分管理人の報酬等)

所有者不明専有部分管理人は、所有者不明専有部分等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。

第2項所有者不明専有部分管理人による所有者不明専有部分等の管理に必要な費用及び報酬は、所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。)の負担とする。

第一章 建物の区分所有 / 第七節 管理不全専有部分管理命令及び管理不全共用部分管理命令

第46条の8(管理不全専有部分管理命令)

裁判所は、区分所有者による専有部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該専有部分を対象として、第三項に規定する管理不全専有部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全専有部分管理命令」という。)をすることができる。

第2項管理不全専有部分管理命令の効力は、当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分又は共用部分、附属施設若しくは建物の敷地にある動産(当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権(いずれも当該管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の区分所有者又はその共有持分を有する者が有するものに限る。)に及ぶ。

第3項裁判所は、管理不全専有部分管理命令をする場合には、当該管理不全専有部分管理命令において、管理不全専有部分管理人を選任しなければならない。

第46条の9(管理不全専有部分管理人の権限)

管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分並びに管理不全専有部分管理命令の効力が及ぶ動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権並びにこれらの管理、処分その他の事由により管理不全専有部分管理人が得た財産(以下「管理不全専有部分等」という。)の管理及び処分をする権限を有する。

第2項前項の規定にかかわらず、管理不全専有部分管理人は、集会において議決権を行使することができない。

第3項管理不全専有部分管理人が次に掲げる行為の範囲を超える行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。ただし、この許可がないことをもつて善意でかつ過失がない第三者に対抗することはできない。

一 保存行為

二 管理不全専有部分等の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

第4項管理不全専有部分管理命令の対象とされた専有部分の処分についての前項の許可をするには、その区分所有者の同意がなければならない。

第46条の10(管理不全専有部分管理人の義務)

管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分等の所有者のために、善良な管理者の注意をもつて、その権限を行使しなければならない。

第2項管理不全専有部分等が数人の共有に属する場合には、管理不全専有部分管理人は、その共有持分を有する者全員のために、誠実かつ公平にその権限を行使しなければならない。

第46条の11(管理不全専有部分管理人の解任及び辞任)

管理不全専有部分管理人がその任務に違反して管理不全専有部分等に著しい損害を与えたことその他重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人の請求により、管理不全専有部分管理人を解任することができる。

第2項管理不全専有部分管理人は、正当な事由があるときは、裁判所の許可を得て、辞任することができる。

第46条の12(管理不全専有部分管理人の報酬等)

管理不全専有部分管理人は、管理不全専有部分等から裁判所が定める額の費用の前払及び報酬を受けることができる。

第2項管理不全専有部分管理人による管理不全専有部分等の管理に必要な費用及び報酬は、管理不全専有部分等の所有者の負担とする。

第46条の13(管理不全共用部分管理命令)

裁判所は、区分所有者による共用部分の管理が不適当であることによつて他人の権利又は法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該共用部分を対象として、第三項に規定する管理不全共用部分管理人による管理を命ずる処分(以下「管理不全共用部分管理命令」という。)をすることができる。

第2項管理不全共用部分管理命令の効力は、当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分にある動産(当該管理不全共用部分管理命令の対象とされた共用部分の所有者又はその共有持分を有する者が所有するものに限る。)に及ぶ。

第3項裁判所は、管理不全共用部分管理命令をする場合には、当該管理不全共用部分管理命令において、管理不全共用部分管理人を選任しなければならない。

第46条の14(管理不全共用部分管理人の権限等)

第四十六条の九から第四十六条の十二までの規定は、管理不全共用部分管理命令及び管理不全共用部分管理人について準用する。この場合において、これらの規定中「管理不全専有部分等」とあるのは「管理不全共用部分等」と、第四十六条の九第一項中「専有部分並びに」とあるのは「共用部分及び」と、「動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権」とあるのは「動産」と、同条第四項中「専有部分の」とあるのは「共用部分の」と、「区分所有者」とあるのは「所有者」と、第四十六条の十二第二項中「の所有者の負担とする」とあるのは「を共有する者が連帯して負担する」と読み替えるものとする。