第一章 建物の区分所有/第八節 管理組合法人
建物の区分所有等に関する法律 第49条(理事)
この条の要点
- 理事の代表権:複数理事は各自代表が原則。規約・決議・互選による代表理事の指定は可。
- 理事の任期:理事の任期は原則2年。規約で変えられるのは3年以内のみ。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第49条(理事)
管理組合法人には、理事を置かなければならない。
②理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
③理事は、管理組合法人を代表する。
④理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表する。
⑤前項の規定は、規約若しくは集会の決議によつて、管理組合法人を代表すべき理事を定め、若しくは数人の理事が共同して管理組合法人を代表すべきことを定め、又は規約の定めに基づき理事の互選によつて管理組合法人を代表すべき理事を定めることを妨げない。
⑥理事の任期は、二年とする。ただし、規約で三年以内において別段の期間を定めたときは、その期間とする。
⑦理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(第四十九条の四第一項の仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
⑧第二十五条の規定は、理事に準用する。
条文の要点
理事とは、管理組合法人に必置の機関で、法人の事務を行い法人を代表する者です(49条1項・3項)。
複数の理事は規約に別段がなければ過半数で事務を決し、各自が法人を代表します。規約・集会の決議や規約に基づく互選で代表理事・共同代表を定められ、任期は2年で規約では3年以内に限り変えられます。
理事の権限の限界
任期の上限は3年で、それを超える規約の定めはできません。理事が欠けたときは任期満了又は辞任で退任した理事も新たな理事の就任まで職務を行います。法人の訴訟の当事者は法人で、理事個人が当事者になるのではありません。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 要件 | 管理組合法人には理事を置かなければならない |
| 2項 | 効果 | 理事が数人あるとき事務は、規約に別段の定めがなければ理事の過半数で決する |
| 3項〜5項 | 効果 | 理事は各自法人を代表するが、規約・集会の決議・互選で代表者の限定や共同代表を定められる |
| 6項 | 効果 | 任期は2年。規約で定められるのは3年以内の別段の期間に限られる |
| 7項 | 効果 | 欠員のときは退任した理事も、新たに選任された理事(仮理事を含む)の就任まで職務を行う |
具体例
A・B・Cの3人が管理組合法人の理事で、規約に代表者の定めはありません。
A・B・Cは各自が法人を代表し、事務は3人の過半数で決します。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、規約がAだけを代表理事と定めた場合に変えます。
5項により規約での代表者の限定は妨げられないので、代表権はAだけに帰ります。
関連条との違い
- 区分所有法 第25条:理事には管理者の選任・解任の規定が準用される。不正な行為等があれば裁判所への解任請求もできる
- 区分所有法 第47条:訴訟の当事者になるのは管理組合法人。理事は代表する機関であって当事者ではない
過去問で誤りとされた肢の型
- マン管平成28年度 問9肢1
理事が複数でも各理事が単独で事務を決せるとする誤り。規約に別段がなければ過半数で決する
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年4月1日施行版
この条文の〇×問題(2問)
理事の代表権
理事が数人あるときは、各自が管理組合法人を代表するのが原則であり、規約や集会の決議で代表理事や共同代表を定めることも妨げられない。
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正解 ○
正しい。理事が数人あるときは各自が法人を代表するのが原則だが、規約・集会の決議で代表理事・共同代表を定めたり、規約に基づく互選で代表理事を定めることも妨げない。原則と例外の併記構造を押さえたい。原則と例外が併記された構造を押さえる規定である。
学習ポイント:複数理事は各自代表が原則。規約・決議・互選による代表理事の指定は可。
第49条4項・5項
理事の任期
理事の任期は規約で別段の定めをしない限り4年であり、規約で定めれば何年でも自由に期間を変更できる。
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正解 ×
誤り。理事の任期は2年とされ、規約で3年以内において別段の期間を定めたときはその期間となる。原則は2年で、規約による変更も3年以内に限られるので、4年や無制限の変更は誤りである。数字と変更可能範囲の両方を正確に押さえたい。
学習ポイント:理事の任期は原則2年。規約で変えられるのは3年以内のみ。
第49条6項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
マン管令和4年度 問6肢3
集会の議事録を電磁的記録により作成するためには、規約による規定又は集会の決議が必要である。
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誤り
誤り。集会の議事録は書面又は電磁的記録で作成すればよく、電磁的記録での作成に規約の定めや集会の決議は不要(49条)。
マン管平成29年度 問7肢4
理事が欠けた場合又は規約で定めた理事の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した理事は、新たに選任された理事(仮理事を含む。)が就任するまで、なおその職務を行う。
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正しい
正しい。理事が欠けた場合、任期満了・辞任により退任した理事は新たに選任された理事(仮理事を含む)が就任するまで職務を行う。
マン管平成28年度 問9肢1
管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。
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誤り
誤り。保存行為は理事が決することができるが、理事が複数ある場合、規約に別段の定めがなければ過半数で決する。各理事が単独で決することはできない(区分所有法52条2項・49条2項)。
管業令和5年度 問34肢3
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正しい
正しい。アは規約で数人の理事の共同代表を定めることが妨げられないため誤り、イは理事の任期は規約でも3年以内までしか定められないため誤り、エは管理者の規定は管理組合法人に適用されず兼任できないため誤りで、不適切は3つである。
管業令和3年度 問35肢2
管理組合法人及び理事について、その代理権に加えた制限を規約で定めても、善意の第三者に対抗することができない。
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正しい
正しい。代理権に加えた制限は善意の第三者に対抗できない。
問題で確認する
第49条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。