第二編 普通地方公共団体/第六章 議会/第二節 権限
地方自治法 第100条
この条の要点
- 調査権と出頭・証言請求:出頭・証言・記録請求は「特に必要があるとき」限定。証人規定が準用される。
- 証言拒否への制裁:拒否の制裁=刑罰(6月以下拘禁刑or10万円以下罰金)。議会は告発義務のみ。
条文原文
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第100条
普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の事務(自治事務にあつては労働委員会及び収用委員会の権限に属する事務で政令で定めるものを除き、法定受託事務にあつては国の安全を害するおそれがあることその他の事由により議会の調査の対象とすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。次項において同じ。)に関する調査を行うことができる。この場合において、当該調査を行うため特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる。
②民事訴訟に関する法令の規定中証人の尋問に関する規定(過料、罰金、拘留又は勾引に関する規定を除く。)は、この法律に特別の定めがあるものを除くほか、前項後段の規定により議会が当該普通地方公共団体の事務に関する調査のため選挙人その他の関係人の証言を請求する場合に、これを準用する。この場合において、民事訴訟法第二百五条第二項中「、最高裁判所規則で」とあるのは「、議会が」と、「最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用してファイルに記録し、又は当該書面に記載すべき事項に係る電磁的記録を記録した記録媒体を提出する」とあるのは「電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)により提供する」と、同条第三項中「ファイルに記録された事項若しくは同項の記録媒体に記録された」とあるのは「提供された」と読み替えるものとする。
③第一項後段の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
④議会は、選挙人その他の関係人が公務員たる地位において知り得た事実については、その者から職務上の秘密に属するものである旨の申立てを受けたときは、当該官公署の承認がなければ、当該事実に関する証言又は記録の提出を請求することができない。この場合において当該官公署が承認を拒むときは、その理由を疎明しなければならない。
⑤議会が前項の規定による疎明を理由がないと認めるときは、当該官公署に対し、当該証言又は記録の提出が公の利益を害する旨の声明を要求することができる。
⑥当該官公署が前項の規定による要求を受けた日から二十日以内に声明をしないときは、選挙人その他の関係人は、証言又は記録の提出をしなければならない。
⑦第二項において準用する民事訴訟に関する法令の規定により宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の拘禁刑に処する。
⑧前項の罪を犯した者が議会において調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、その刑を減軽し又は免除することができる。
⑨議会は、選挙人その他の関係人が、第三項又は第七項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。ただし、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる。
⑩議会が第一項の規定による調査を行うため当該普通地方公共団体の区域内の団体等に対し照会をし又は記録の送付を求めたときは、当該団体等は、その求めに応じなければならない。
⑪議会は、第一項の規定による調査を行う場合においては、あらかじめ、予算の定額の範囲内において、当該調査のため要する経費の額を定めて置かなければならない。その額を超えて経費の支出を必要とするときは、更に議決を経なければならない。
⑫議会は、会議規則の定めるところにより、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができる。
⑬議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる。
⑭普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するため必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。この場合において、当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲は、条例で定めなければならない。
⑮前項の政務活動費の交付を受けた会派又は議員は、条例の定めるところにより、当該政務活動費に係る収入及び支出の状況を書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をもつて議長に報告するものとする。
⑯議長は、第十四項の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。
⑰政府は、都道府県の議会に官報及び政府の刊行物を、市町村の議会に官報及び市町村に特に関係があると認める政府の刊行物を送付しなければならない。
⑱都道府県は、当該都道府県の区域内の市町村の議会及び他の都道府県の議会に、公報及び適当と認める刊行物を送付しなければならない。
⑲議会は、議員の調査研究に資するため、図書室を附置し前二項の規定により送付を受けた官報、公報及び刊行物を保管して置かなければならない。
⑳前項の図書室は、一般にこれを利用させることができる。
この条文の〇×問題(2問)
調査権と出頭・証言請求
不祥事の疑惑について県議会が調査を進める際、特段の必要性があると判断した場合に限り、有権者などの関係者に対し出席・証言・記録類の提出を求めることができる。
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正解 ○
正しい。議会は団体の事務に関する調査を行うことができ、特に必要があると認めるときに限り、関係人の出頭・証言・記録提出の請求が認められる。民事訴訟の証人尋問規定も準用され、拒否への罰則まで設けられた強力な権能であり、常時請求できるわけではない限定がある。
学習ポイント:出頭・証言・記録請求は「特に必要があるとき」限定。証人規定が準用される。
第100条第1項
証言拒否への制裁
議会の請求に正当な理由なく応じず証言を拒んだ関係人に対しては、議会が自らの議決により拘留等の制裁を直接科すことができる。
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正解 ×
誤り。証言・出頭・記録提出の拒否に対する制裁は6か月以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金という刑罰であり、裁判所の裁判によって科される。議会が議決で刑罰を科す権限はなく、犯罪と認めるときは告発する義務があるにとどまる。議会の懲罰権や秩序権とは性質が異なる。
学習ポイント:拒否の制裁=刑罰(6月以下拘禁刑or10万円以下罰金)。議会は告発義務のみ。
第100条第3項・第9項
根拠・関連条文
問題で確認する
第100条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。