資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三章 宅地建物取引士

宅地建物取引業法 第19条の2(登録の移転)

分野:宅地建物取引士

出題試験:宅建

この条の要点

  • 他県勤務時の登録移転:他県の事務所で働くときは登録移転を申請できる(義務ではない)。事務禁止期間中は不可。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第19条の2(登録の移転)

第十八条第一項の登録を受けている者は、当該登録をしている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対し、当該登録をしている都道府県知事を経由して、登録の移転の申請をすることができる。ただし、その者が第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間が満了していないときは、この限りでない。

条文の要点

登録の移転とは、資格登録を受けた者が他の都道府県に所在する業者の事務所で働くときに、従前の登録知事経由で移転先の知事へ申請する手続です(19条の2)。

条文は申請「できる」とする任意の手続で、他県業者に移っても移転しなくてはならないわけではありません。ただし移転すると宅建士証は失効し、事務禁止処分の期間中は申請自体ができません。

登録の移転の申請事由

事由になるのは、登録先以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事・従事予定となることです。単に自宅の住所が他県へ変わるだけでは事由になりません。申請は登録している知事を経由して事務所所在地の知事へ出す形で、直接の申請はできません。

項役割内容
1項本文要件登録先以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所で、業務に従事するか従事しようとすること
1項本文手続登録している都道府県知事を経由して、事務所所在地を管轄する都道府県知事へ申請する
1項本文効果申請「できる」とする任意の手続で、移転は従事の前提条件ではない
1項ただし書例外68条の事務禁止処分を受け、その禁止期間が満了していない間は申請できない

具体例

甲県知事登録の宅建士Aは、乙県の事務所を持つ宅建業者Bのその事務所へ転職することになり、登録の移転を検討している。

Aは甲県知事を経由して乙県知事へ移転の申請ができるが、移転しなくてもBの業務に従事できる。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Aが68条による事務禁止の処分を受け、その期間がまだ満了していない場合に変えます。

但書により移転の申請自体ができなくなる。

関連条との違い

  • 宅建業法 第22条の2:登録の移転があると宅建士証は失効する(22条の2第4項)。移転申請と同時に証の交付を申請すれば、旧証の残存期間を引き継ぐ新証が交付される
  • 宅建業法 第20条:20条の変更登録は氏名・住所などの登録事項が変わったときの義務です。19条の2の登録移転は他県の事務所で従事する場合の任意の申請です。
  • 宅建業法 第68条:68条の事務禁止処分を受けた者は、期間中は登録の移転の申請もできない。処分の効果が登録手続にも及ぶ

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和4年 問33イ

    他県業者の専任宅建士になるには登録を移転しなければならないとする誤り。任意の手続で必須ではない

  • 宅建令和3年10月 問28肢1

    移転先の知事へ直接申請すればよいとする誤り。登録している知事を経由して申請する

  • 宅建令和3年10月 問35ウ

    住所が他県へ変わっただけで移転申請できるとする誤り。要件は従事先の事務所所在地の都道府県が変わること

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(1問)

他県勤務時の登録移転

甲県知事の宅建士登録を持ち、事務禁止処分の期間中でもないAが、乙県の宅建業者の事務所で業務に従事することになった。Aは甲県知事を経由して乙県知事へ登録の移転を申請できるが、移転は勤務開始時に必ず行う義務ではない。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。第19条の2は、登録先以外の都道府県に所在する宅建業者の事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときは、従前の登録先の知事を経由して事務所所在地の知事に登録の移転を申請できると定める。条文は『できる』としており義務ではない。ただし、事務禁止処分を受けその期間が満了していない者は申請できない(同条ただし書)。

学習ポイント:他県の事務所で働くときは登録移転を申請できる(義務ではない)。事務禁止期間中は不可。

第19条の2第1項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和7年 問42エ

宅地建物取引士は、登録を受けている都道府県知事の管轄する都道府県以外の都道府県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しているときは、登録の移転の申請をすることができる。

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正しい

正しい。他県の業者の事務所に従事する場合、登録移転の申請ができる。

宅建令和4年 問33イ

甲県知事登録の宅地建物取引士が、宅地建物取引業者(乙県知事免許)の専任の宅地建物取引士に就任するためには、宅地建物取引士の登録を乙県に移転しなければならない。

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誤り

誤り。登録の移転は、登録をしている都道府県以外の都道府県に所在する事務所の業務に従事し又は従事しようとするときに申請することが「できる」ものであり(宅建業法19条の2)、専任の宅地建物取引士に就任するために移転しなければならないわけではない。

宅建令和4年 問33ウ

丙県知事登録の宅地建物取引士が、事務の禁止の処分を受けた場合、丁県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときでも、その禁止の期間が満了するまで、宅地建物取引士の登録の移転を丁県知事に申請することができない。

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正しい

正しい。事務禁止期間中は登録の移転申請ができない。

宅建令和3年10月 問28肢1

宅地建物取引士A(甲県知事登録)が、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事することとなったときは、Aは甲県知事を経由せずに、直接乙県知事に対して登録の移転を申請しなければならない。

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誤り

誤り。登録移転は登録している甲県知事を『経由して』乙県知事に申請する。

宅建令和3年10月 問35ウ

宅地建物取引士(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。

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誤り

誤り。住所変更だけでは登録移転の申請事由にならない(移転は従事先の変更等による登録事項の変更が前提)。

宅建令和2年12月 問43肢2

甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が乙県知事に登録の移転の申請を行うとともに宅地建物取引士証の交付の申請を行う場合、交付の申請前6月以内に行われる乙県知事が指定した講習を受講しなければならない。

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誤り

誤り。登録移転に伴う講習受講の要件はない。

宅建令和2年10月 問28肢4

甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、乙県知事に登録の移転を申請するときは、乙県知事が指定する講習を受講しなければならない。

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誤り

誤り。登録移転に講習受講は要件でない。

宅建令和2年10月 問34肢4

丙県知事の登録を受けている宅地建物取引士が、丁県知事への登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付の申請をした場合は、丁県知事から、移転前の宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする新たな宅地建物取引士証が交付される。

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正しい

正しい。登録移転と同時に取引士証の交付を申請した場合、移転前の証の残存有効期間を引き継ぐ新証が交付される。

宅建令和元年 問44肢2

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)に勤務する宅地建物取引士(甲県知事登録)が、宅地建物取引業者B(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に対して、遅滞なく勤務先の変更の登録を申請しなければならない。

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誤り

誤り。勤務先変更で登録の『移転』申請はできるが必須ではなく、また勤務先の変更登録は取引士証の記載事項変更で対応(登録簿の変更登録申請は氏名・住所変更時)。

宅建平成30年 問42肢2

甲県知事の登録を受けている宅地建物取引士は、乙県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときは、乙県知事に対し登録の移転の申請をし、乙県知事の登録を受けなければならない。

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誤り

誤り。登録移転は義務ではなく任意(従事先の県が変わる場合に移転できる)。

ほか2肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第19条の2の内容は1問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。