資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第四章 営業保証金

宅地建物取引業法 第26条(事務所新設の場合の営業保証金)

分野:営業保証金

出題試験:宅建

この条の要点

  • 新設支店の追加供託額:営業保証金制度の業者が支店を新設すると、原則その一か所分500万円を追加供託。
  • 新設支店の営業開始時期:新設事務所では追加供託と供託済み届出の後でなければ営業を始められない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第26条(事務所新設の場合の営業保証金)

宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置したとき(第七条第一項各号の一に該当する場合において事務所の増設があつたときを含むものとする。)は、当該事務所につき前条第二項の政令で定める額の営業保証金を供託しなければならない。

②前条第一項及び第三項から第五項までの規定は、前項の規定により供託する場合に準用する。

条文の要点

事務所新設の場合の営業保証金とは、営業開始後に新たに事務所を設けたときに、その事務所について追加で供託する営業保証金です(26条1項)。

供託先は新設事務所の最寄りではなく主たる事務所の最寄りで、届出が済むまでその事務所で営業を始められません。

事務所新設の場合の営業保証金の供託ルール

追加する額は新設した事務所の分だけです。供託場所・有価証券の使用・届出・営業開始の制限には25条がそのまま準用されるため、本店ですでに営業していても新設事務所では届出後でないと業務を始められません。

項役割内容
1項要件事業の開始後に新たに事務所を設置したときは、その事務所について政令で定める額を追加で供託します。
2項効果供託場所・有価証券による供託・供託の届出・届出前の営業禁止のルールが追加供託にもそのまま適用されます。

具体例

営業中の宅建業者A社は、取引相手Bに対応する従たる事務所を乙県に新設しました。A社はその事務所の分の営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託し、供託書の写しを添えて免許権者に届け出ました。

追加供託と届出が済んだため、A社は新設の事務所でも営業を開始できます。

反例(結論が変わる)

同じA社が、新設事務所の分の供託は済ませたが、供託書の写しを添えた届出をまだしていない場合に変えます。

本店で営業中でも、新設した事務所では届出の後でなければ業務を始められません。

関連条との違い

  • 宅建業法 第25条:25条は営業開始に先立つ当初の供託、本条は営業開始後の新設事務所への追加供託で、場所・物・届出のルールは共通です。
  • 宅建業法 第28条:28条は還付で減った保証金の不足額の補充供託を定め、本条は事務所が増えたときの追加供託です。

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和7年 問35肢3

    新設した従たる事務所の近くの供託所に預ければよいとする誤り。追加の分も供託場所は主たる事務所の最寄りの供託所です。

  • 宅建令和2年10月 問35肢2

    新しい支店は供託すれば営業を始められるとする誤り。供託書の写しを添えた届出の後でないと始められません。

  • 宅建令和7年 問35肢2

    従たる事務所の追加供託は金銭に限られるとする誤り。有価証券や金銭との併用も使えます。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(2問)

新設支店の追加供託額

保証協会に加入していない宅建業者Aが、営業開始後に支店を一か所新設した。この支店につき追加する営業保証金の政令額は500万円である。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。第26条第1項は、営業開始後に事務所を新設した宅建業者に、その新事務所について第25条第2項の政令額を追加供託するよう求める。現行の施行令ではその他の事務所一か所につき500万円である。元の本店分1000万円を新支店分としてもう一度納めるわけではない。保証協会の社員なら別の分担金制度で判断する。

学習ポイント:営業保証金制度の業者が支店を新設すると、原則その一か所分500万円を追加供託。

第26条第1項、宅地建物取引業法施行令第2条の4

新設支店の営業開始時期

宅建業者Bが事業開始後に新たな支店を設けた。Bは新支店分の営業保証金を追加供託し、供託済み届出を行う前であっても、既に本店で営業しているので新支店の業務を開始できる。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。第26条第2項は、新設事務所の追加供託について、第25条の供託場所、供託物、供託済み届出、届出後の営業開始に関する規定を準用する。本店で適法に営業していても、新支店分の保証金の追加供託と届出が済む前にその事務所で宅建業を始めることはできない。新設日から2週間以内という保証協会の追加分担金ルールとも混同しない。

学習ポイント:新設事務所では追加供託と供託済み届出の後でなければ営業を始められない。

第26条第1項・第2項、関連:第25条第4項・第5項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和3年度 問44イ

宅地建物取引業者が事業の開始後新たに事務所を設置したときの営業保証金の供託は、主たる事務所の最寄りの供託所にしなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。宅地建物取引業者が事業開始後新たに事務所を設置したときは、その事務所についての営業保証金を、主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない(宅建業法25条1項・26条)。

宅建令和7年 問35肢2

Aが営業保証金を供託する場合において、金銭と有価証券を併用して供託することができるが、従たる事務所を設置したときの営業保証金については、金銭のみをもって供託しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。従たる事務所の営業保証金も金銭と有価証券の併用ができる。

宅建令和7年 問35肢3

Aは、事業の開始後新たに乙県に従たる事務所を設置したときは、従たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託し、その供託物受入の記載のある供託書の写しを添付して、その旨を甲県知事に届け出なければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。新設の従たる事務所の営業保証金は『主たる』事務所の最寄りの供託所に供託する。

宅建令和6年 問27肢4

Aは甲県内にある主たる事務所とは別に、乙県内に新たに従たる事務所を設置したときは、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。新設の従たる事務所の営業保証金は主たる事務所の最寄りの供託所に供託する。

宅建令和2年12月 問33肢1

宅地建物取引業者は、事業の開始後、新たに従たる事務所を設置したときは、その従たる事務所の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出なければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。新設の従たる事務所の営業保証金は『主たる事務所の最寄りの供託所』に供託する(各事務所の最寄りではない)。

宅建令和2年10月 問35肢2

Aが甲県内に新たに支店を設置したときは、本店の最寄りの供託所に政令で定める額の営業保証金を供託すれば、当該支店での事業を開始することができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。新たな支店設置は供託後、届出を経て事業を開始する(供託だけでは開始できない)。

宅建平成29年 問32肢2

宅地建物取引業者は、事業の開始後新たに事務所を設置するため営業保証金を供託したときは、供託物受入れの記載のある供託書の写しを添附して、その旨を免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。新たな事務所設置に伴う営業保証金の供託は供託書の写しを添えて届出。

問題で確認する

第26条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。