資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五章 業務/第一節 通則

宅地建物取引業法 第33条(広告の開始時期の制限)

分野:業務(広告・媒介契約・重要事項説明・書面交付)

出題試験:宅建

この条の要点

  • 開発許可申請中の広告:未完成物件の広告は必要な許可・確認等の処分後。申請や取得見込みでは足りない。
  • 建築確認後・工事完了前の広告
  • 賃貸広告への広告開始時期規制:未完成物件の広告時期制限は、売買だけでなく貸借の媒介広告にも及ぶ。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第33条(広告の開始時期の制限)

宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。

条文の要点

広告の開始時期の制限とは、工事完了前の宅地・建物について、開発許可・建築確認等の政令で定める処分があるまで広告を禁じる規定です(33条)。

広告の制限は売買・交換だけでなく貸借にも及びます。「申請済」と表示しても確認前の広告はできず、売買・交換の契約締結には36条による別の制限もあります。

広告の開始時期の制限の範囲

貸借の媒介・代理でも、未完成物件の確認前の広告は禁じられます。契約締結を制限する36条は売買・交換を対象とし、貸借は含みません。当初確認後の変更確認申請中は、変更確認予定と当初確認内容を併記すれば変更内容を広告できるとされています(国土交通省の解釈・運用)。

項役割内容
1項要件宅地の造成・建物の建築の工事が完了していない物件が対象です。
1項要件工事に必要な都市計画法の開発許可・建築基準法の確認等の政令で定める処分があった後でなければなりません。
1項効果処分前にその工事に係る宅地・建物の売買その他の業務に関する広告をすることが禁止されます。

具体例

宅建業者A社は、貸主Bから建築確認申請中の賃貸住宅の貸借の媒介を依頼され、入居者の募集広告を出しました。その後、A社は借主Cとの賃貸借契約も媒介しました。

建築確認前の物件の広告は貸借の媒介でも禁止されるため、A社の広告は33条に違反します。

反例(結論が変わる)

同じ貸借の媒介で、A社が募集広告を出さなかった点だけを変えます。Cとの賃貸借契約の媒介は同じです。

貸借の契約を広告なしで媒介する行為は33条の広告規制に当たらず、売買・交換を対象とする36条の契約制限にも当たりません。

関連条との違い

  • 宅建業法 第32条:32条は許可・確認の後でも中身が誇大なら禁止する内容規制、本条は処分前の広告を一律に禁じる時期の規制です。
  • 宅建業法 第34条:34条は広告する場合の取引態様の明示義務で、本条はそもそも広告をしてよい時点を定めます。
  • 宅建業法 第36条:36条は未完成物件の売買・交換の契約締結とその代理・媒介を制限し、貸借は含まない。33条の広告規制は貸借にも及ぶ

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和3年12月 問30肢2

    「建築確認申請済」と明示すれば確認前でも広告できるとする誤り。処分があった後でなければ広告できません。

  • 宅建令和5年 問31肢3

    確認申請中でも貸借の媒介の広告はできるとする誤り。売買・貸借を問わず広告は禁止です。

  • 宅建令和7年 問28イ

    売買について確認前でも広告できるとする誤り。33条は広告を、36条は売買・交換の契約締結を制限するので、確認前は広告も売買契約もできません。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(3問)

開発許可申請中の広告

宅地建物取引業者Aは、造成工事中の宅地について必要な開発許可を申請した。許可はまだ出ていないが取得は確実だと考えられるので、Aはその宅地の売買広告を開始できる。

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正解 ×

誤り。宅建業法第33条は、宅地の造成又は建物の建築工事が完了する前に、必要な開発許可や建築確認などの処分があった後でなければ、対象物件の売買その他の業務に関する広告を禁じる。許可申請を済ませたことや、許可を得る見込みが高いことでは足りない。Aは実際に必要な処分があった後に広告を開始しなければならない。

学習ポイント:未完成物件の広告は必要な許可・確認等の処分後。申請や取得見込みでは足りない。

第33条

建築確認後・工事完了前の広告

宅地建物取引業者Bは、建築工事中の分譲住宅について必要な建築確認を受けた。工事の完成前であっても、宅建業法第33条は、建築確認済みであることを前提とした当該住宅の広告を一律には禁じていない。

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正解 ○

正しい。宅建業法第33条が未完成物件の広告を制限するのは、工事に必要な建築確認等の処分があった後かどうかを基準とするためである。必要な建築確認を既に受けていれば、工事完了前というだけで同条により広告が禁止されるわけではない。ただし広告内容には第32条の誇大広告禁止が別に適用されるので、完成後の状態を事実に反して表示してよいわけではない。

学習ポイント:必要な建築確認後なら工事完了前の広告も可能。広告内容は別途正確に表示する。

第33条、関連:第32条

賃貸広告への広告開始時期規制

宅地建物取引業者Cは、建築確認を受けていない建築中の賃貸住宅について、貸主から入居者募集を依頼された。売買の広告ではないので、Cは建築確認前でも貸借の媒介広告を行える。

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正解 ×

誤り。宅建業法第33条は、工事完了前で必要な建築確認等の処分がまだない建物について、『売買その他の業務に関する広告』を禁止する。貸借の媒介広告も宅地建物取引業者の業務に関する広告に含まれ、売買広告に限って禁止する文言ではない。Cは貸主から募集を依頼されていても、必要な建築確認前にその住宅を広告してはならない。

学習ポイント:未完成物件の広告時期制限は、売買だけでなく貸借の媒介広告にも及ぶ。

第33条

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和7年 問28イ

自ら売主として土地付建物の売買契約を締結しようとする場合、当該土地上に建てようとする建物が建築確認申請前であっても、広告することはできるが、建築確認を受けるまで、契約を締結することはできない。

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誤り

誤り。建築確認前は広告自体ができない(確認後でなければ広告・契約とも不可)。

宅建令和5年 問31肢3

これから建築工事を行う予定である建築確認申請中の建物については、当該建物の売買の媒介に関する広告をしてはならないが、貸借の媒介に関する広告はすることができる。

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誤り

誤り。建築確認申請中の建物は貸借の媒介広告もできない(確認後でなければ広告不可)。

宅建令和4年 問37ア

Aが未完成の建売住宅を販売する場合、建築基準法第6条第1項に基づく確認を受けた後、同項の変更の確認の申請書を提出している期間においては、変更の確認を受ける予定であることを表示し、かつ、当初の確認内容を合わせて表示すれば、変更の確認の内容を広告することができる。

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正しい

正しい。変更確認申請中は変更確認予定の旨と当初確認内容を表示すれば変更内容を広告できる。

宅建令和3年12月 問30肢2

Aは、自ら売主として、建築基準法第6条第1項の確認の申請中である新築の分譲マンションについて「建築確認申請済」と明示した上で広告を行った。当該広告は、建築確認を終えたものと誤認させるものではないため、法第33条の規定に違反するものではない。

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誤り

誤り。建築確認を受ける前は『申請済』と明示しても広告できない(法33条)。

宅建令和3年12月 問38ア

宅地建物取引業者Aは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Bから当該住宅の貸借の媒介を依頼され、取引態様を媒介と明示して募集広告を行った。

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違反する

違反する。建築確認前の建物の貸借でも広告は禁止(売買・貸借を問わず確認前広告は違反)。

宅建令和3年12月 問38イ

宅地建物取引業者Cは、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Dから当該住宅の貸借の代理を依頼され、代理人として借主Eとの間で当該住宅の賃貸借契約を締結した。

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違反しない

違反しない。建築確認前の建物の貸借『契約』自体は禁止されておらず、広告が禁止されるのみ。

宅建令和3年10月 問30エ

賃貸マンションの貸借に係る媒介の依頼を受け、媒介契約を締結した場合であっても、当該賃貸マンションが建築確認申請中であるときは広告をすることができない。

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正しい

正しい。建築確認申請中の建物の広告は禁止(貸借でも同様)。

宅建令和2年12月 問27肢2

宅地建物取引業者は、建築確認申請中の建物について、建築確認申請中である旨を表示すれば、自ら売主として当該建物を販売する旨の広告をすることができる。

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誤り

誤り。建築確認を受ける前は、申請中の表示をしても広告できない(法33条)。

宅建令和2年12月 問27肢3

宅地建物取引業者は、宅地の造成工事の完了前においては、当該造成工事に必要とされる許可等の処分があった後であれば、当該宅地の販売に関する広告をすることができる。

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正しい

正しい。造成工事完了前でも必要な許可等の処分があった後は広告できる。

宅建令和2年10月 問27エ

宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に必要な都市計画法に基づく開発許可、建築基準法に基づく建築確認その他法令に基づく許可等の申請をした後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。

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誤り

誤り。広告ができるのは許可等の『処分があった後』であり、申請後では不十分(法33条)。

ほか10肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第33条の内容は3問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。