第五章 業務/第一節 通則
宅地建物取引業法 第36条(契約締結等の時期の制限)
この条の要点
- 工事完了前の売買等の契約締結制限(処分の有無):工事完了前の契約締結は必要な許可・確認等の処分があった後に限る。許可見込みでは足りない。
- 処分後の契約締結の可否(工事完了前):必要な処分をすべて受けた後なら、工事完了前でも契約締結・媒介は可能。
- 契約締結時期制限の対象行為(売買・交換に限る):36条の制限対象は売買・交換のみ。貸借の契約締結は含まれない。
条文原文
第36条(契約締結等の時期の制限)
宅地建物取引業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可、建築基準法第六条第一項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあつた後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物につき、自ら当事者として、若しくは当事者を代理してその売買若しくは交換の契約を締結し、又はその売買若しくは交換の媒介をしてはならない。
この条文の〇×問題(3問)
工事完了前の売買等の契約締結制限(処分の有無)
宅地建物取引業者である甲社は、都市計画法第29条第1項の許可を申請中でまだ許可を受けていない宅地造成工事区域内の宅地について、許可取得の見込みが高いとして、当該宅地を自ら売主として買主乙と売買契約を締結した。許可の見込みがある限り契約して差し支えない。
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正解 ×
誤り。宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前は、都市計画法第29条第1項又は第2項の許可、建築基準法第6条第1項の確認その他政令で定める処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物について売買・交換の契約を締結し、又はその媒介をすることはできない。処分の見込みではなく処分があったことが要件で、申請中や見込みの段階では契約締結は認められない。
学習ポイント:工事完了前の契約締結は必要な許可・確認等の処分があった後に限る。許可見込みでは足りない。
第36条(契約締結時期の制限)
処分後の契約締結の可否(工事完了前)
宅地建物取引業者である乙社は、建築基準法第6条第1項の確認その他その工事に必要な許可等の処分をすべて受けた建物について、建築工事の完了前であっても、自ら売主として売買契約を締結することができる。
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正解 ○
正しい。第36条は、工事の完了前においては、その工事に関し必要とされる開発許可・建築確認等の処分があった後でなければ、売買等の契約を締結してはならないとする。必要な処分をすべて受けた後であれば、工事完了前でも契約の締結や媒介ができる。建築確認以外に必要な許可等が残っている場合は、確認済証の交付だけでは足りない。
学習ポイント:必要な処分をすべて受けた後なら、工事完了前でも契約締結・媒介は可能。
第36条
契約締結時期制限の対象行為(売買・交換に限る)
宅地建物取引業者である丙社は、造成工事完了前で許可の処分を受けていない宅地について、その貸借の契約を締結することも第36条により禁止されている。
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正解 ×
誤り。第36条が制限するのは当該宅地又は建物の売買若しくは交換の契約締結とその媒介であり、貸借の契約締結は対象に含まれない。第33条の広告制限や37条の書面交付義務とは対象行為・対象契約の範囲が異なる点に注意が必要である。
学習ポイント:36条の制限対象は売買・交換のみ。貸借の契約締結は含まれない。
第36条(対象行為の範囲)
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建平成27年 問37肢4
宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前において、建築確認の申請中である場合は、建築確認を受けることを停止条件とする特約を付ければ、自ら売主として当該建物の売買契約を締結することができる。
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誤り
誤り。停止条件を付けても建築確認前の売買契約の締結は36条(契約締結時期の制限)の規制に反し違法。
宅建平成25年 問32イ
宅地建物取引業者C社は、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Dから当該住宅の貸借の代理を依頼され、代理人として借主Eとの間で当該住宅の賃貸借契約を締結した。
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違反しない
違反しない。広告には建築確認が必要だが、貸借の代理による契約締結自体は36条の契約締結時期の制限の対象外である。
解説で第36条を参照している問
問題で確認する
第36条の内容は3問の〇×問題で確認できます。