資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第五章 業務/第一節 通則

宅地建物取引業法 第40条(担保責任についての特約の制限)

分野:業務(自ら売主制限・手付金保全等)

出題試験:宅建

この条の要点

  • 契約不適合を通知できる期間の短縮特約:買主に不利な通知期間の特約は、引渡しから2年以上の場合だけ例外的に認められる。
  • 引渡しから2年以上とする期間特約
  • 契約不適合責任を全面免除する特約

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第40条(担保責任についての特約の制限)

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。

②前項の規定に反する特約は、無効とする。

条文の要点

担保責任についての特約の制限とは、業者が自ら売主の売買で、種類・品質の契約不適合責任について民法より買主に不利な特約を禁ずる規制です(40条1項)。

例外は通知期間を引渡しの日から2年以上とする特約だけです。免責や期間短縮など買主に不利な特約は無効になり、民法の規定に戻ります。

担保責任についての特約の制限の例外と効果

本条の買主保護は業者間取引では適用除外となります(78条2項)。買主に不利になるかは民法566条の知った時から1年以内の通知という規定との比較で決めます。解除権だけを排除する・責任を負う場合を限定するなどの特約も買主に不利で無効です。無効になったときの通知期間は民法の規定に戻ります。

項役割内容
1項要件自ら売主の売買で、種類・品質の契約不適合責任について民法566条より買主に不利な特約を禁じます。例外は通知期間を引渡しから2年以上とする定めだけです。
2項効果制限に反する特約は無効になります。

具体例

A社は自ら売主として宅建業者ではない買主Bと中古住宅の売買を締結し、契約不適合の通知期間を引渡しの日から2年とする特約を定めました。

引渡しから2年以上の通知期間を定める特約は唯一の例外で、この特約は有効です。

反例(結論が変わる)

同じ契約で、通知期間を引渡しから1年に限る特約に変えます。

民法の知った時から1年という規定より買主に不利で例外にも当たらないため無効となり、民法の規定に戻ります。

関連条との違い

  • 民法 第566条:民法566条は買主が不適合を知った時から1年以内の通知が要件。本条は業者が売主のときこれより不利な特約を禁じ、引渡しから2年以上の期間特約だけを認めます。
  • 宅建業法 第39条:39条は手付の額と解除の規制、本条は担保責任の特約の規制で、ともに自ら売主の売買に限る買主保護の規定です。

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建平成29年 問27ア

    通知期間を引渡しから2年とする特約は無効とする誤り。2年以上の期間特約は唯一の例外として有効です。

  • 宅建平成29年 問27ウ

    損害賠償は可・解除は不可とする特約を有効とする誤り。解除権の制限は買主に不利で無効です。

  • 宅建令和2年10月 問42肢4

    免責特約が無効なら責任期間は引渡しから2年になるとする誤り。民法に戻るのは知った時から1年の通知の規定です。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(3問)

契約不適合を通知できる期間の短縮特約

宅地建物取引業者Aが自ら売主となる宅建業者でない買主との中古住宅の売買で、『種類・品質の契約不適合は引渡しから1年以内に通知した場合に限り責任を負う』と定めた。この特約は宅建業法第40条の期間特例として有効である。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。宅建業法第40条第1項は、業者が自ら売主となる売買で契約不適合責任について民法より買主に不利な特約を原則禁じる。通知期間を引渡しの日から2年以上とする特約だけを例外として認める。引渡しから1年とする設問の特約はこの例外に当たらず、買主に不利な期間短縮なので同条第2項により無効となる。

学習ポイント:買主に不利な通知期間の特約は、引渡しから2年以上の場合だけ例外的に認められる。

第40条第1項・第2項、関連:民法第566条

引渡しから2年以上とする期間特約

宅地建物取引業者Bが自ら売主となる宅建業者でない買主との建物売買で、種類・品質の契約不適合を通知できる期間を『引渡しの日から2年以内』と定めた場合、その特約は、買主に不利な期間特約でも第40条が設ける例外に該当し得る。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。宅建業法第40条第1項は、民法第566条の期間について目的物の引渡しの日から2年以上となる特約を、買主に不利な特約禁止の例外とする。したがって『引渡しの日から2年以内に通知』という定めは、同条の期間例外に該当し得る。業者が自由に1年などへ短縮できるという意味ではなく、起算点と2年以上という下限を併せて確認する必要がある。

学習ポイント:契約不適合の通知期間は、引渡しから2年以上とする特約なら例外的に認められる。

第40条第1項、関連:民法第566条

契約不適合責任を全面免除する特約

宅地建物取引業者Cが自ら売主となる中古住宅売買で、宅建業者でない買主Dが了承したので『種類・品質の契約不適合について売主は一切責任を負わない』と特約した。中古物件である以上、この全面免責特約は宅建業法第40条に違反しない。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。宅建業法第40条第1項は、業者が自ら売主となる売買の種類・品質に関する契約不適合責任について、民法より買主に不利な特約を原則禁止する。引渡しから2年以上の通知期間特約という例外はあるが、責任を全面的に免除する特約はそれに当たらない。中古住宅であり、買主が合意したとしても、同条に反する買主に不利な特約は第2項により無効である。

学習ポイント:業者自ら売主の中古住宅でも、契約不適合責任を全面免除する特約は無効。

第40条第1項・第2項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和4年 問43肢2

Aが、土地付建物の売買契約を締結する場合において、買主との間で、「売主は、売買物件の引渡しの日から1年間に限り当該物件の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保する責任を負う」とする旨の特約を設けることができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。引渡しから1年間に限る特約は買主に不利な担保責任の特約として無効(民法の知った時から1年の通知規定より不利)。

宅建令和2年10月 問42肢1

Aが宅地建物取引業者ではないBとの間で締結する宅地の売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を負う期間をBがその不適合を知った時から2年とする特約を定めた場合、この特約は有効である。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。この肢は、責任を負う期間を「不適合を知った時から2年」に限る特約が、民法の規定(不適合を知った時から1年以内に通知すれば足り、権利は消滅時効まで存続する)より買主に不利かどうかで解釈が分かれ、本問は肢1と肢4がいずれも正解とされた。民法より買主に不利な特約は、通知期間を引渡しの日から2年以上とするものを除き無効となる(宅建業法40条)。

宅建令和2年10月 問42肢4

Aが宅地建物取引業者ではないEとの間で締結する建物の売買契約において、Aは当該建物の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任を一切負わないとする特約を定めた場合、この特約は無効となり、Aが当該責任を負う期間は当該建物の引渡日から2年となる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。責任を一切負わない特約は無効だが、民法に戻るのは『知った時から1年以内の通知』の規定であり、引渡日から2年ではない。

宅建平成29年 問27ア

売買契約において、当該宅地の種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合にその不適合について買主が売主に通知すべき期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。通知期間を2年とする特約は民法の『不適合を知った時から1年以内の通知』を買主に有利に変更するもので有効(1年を超える期間は有効)。

宅建平成29年 問27イ

売買契約において、売主の責めに帰すべき事由により当該宅地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合にのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。民法上、売主の担保責任のうち履行の追完・代金減額・解除は売主の帰責事由を要しないため、売主の責めに帰すべき事由がある場合にのみ責任を負うとする特約は買主に不利であり、通知期間を引渡しの日から2年以上とする特約を除き無効となる(宅建業法40条)。

宅建平成29年 問27ウ

当該土地が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合、Aがその不適合について担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。損害賠償は可・解除不可とする特約は民法より買主に不利な制限(解除権の制限)であり宅建業法40条により無効。

宅建平成27年 問39肢2

宅地建物取引業者でない買主Cとの間で土地付建物の売買契約を締結するに当たって、Cが建物を短期間使用後取り壊す予定である場合には、建物について、一切担保責任を負わない旨の特約を定めることができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。建物を取り壊す予定でも一切の担保責任を負わない特約は買主に不利な特約として無効(法40条)。

宅建平成27年 問43肢1

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、自ら売主となる乙県内に所在する中古住宅の売買の業務に関し、当該住宅が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合であっても、その不適合を担保すべき責任を負わない旨の特約を付した。この場合、Aは、乙県知事から指示処分を受けることがある。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。40条違反の特約を付した行為は行為地(乙県)の知事から指示処分を受けることがある。

宅建平成25年 問38ア

A社は、Bとの間で締結した中古住宅の売買契約において、引渡後2年以内に通知された雨漏り、シロアリの害、建物の構造耐力上主要な部分の契約不適合についてのみ責任を負うとする特約を定めることができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。中古住宅の担保責任特約は『引渡しから2年以上』の期間を定める必要がある。『引渡後2年以内に通知』は期間の起算・範囲が異なり、また責任範囲の限定も買主に不利な特約として無効のおそれがある(法40条)。

宅建平成24年 問39肢1

当該建物が新築戸建住宅である場合、宅地建物取引業者でない買主Bの売買を代理する宅地建物取引業者C社との間で当該契約締結を行うに際して、A社が当該住宅の担保責任を負う期間についての特約を定めないこと。

正誤と理由を見る

違反しない

違反しない。担保責任の特約制限(法40条)は買主が宅建業者の場合は適用されない。買主が業者なら担保責任期間の特約を定めなくても違反しない。

ほか2肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第40条の内容は3問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。