第五章 業務/第一節 通則
宅地建物取引業法 第43条(所有権留保等の禁止)
この条の要点
- 割賦販売の登記等の履行時期:割賦販売では、代金の30%を超える額を受領するまでに登記等を履行する。
- 割賦販売後の譲渡担保禁止:引渡しと代金30%超の受領後、業者はその物件を担保目的で譲り受けられない。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第43条(所有権留保等の禁止)
宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合には、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けていない場合にあつては、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、買主が、当該宅地又は建物につき所有権の登記をした後の代金債務について、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
②宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた場合において、当該割賦販売に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
③宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該宅地又は建物を買主に引き渡すまで(当該宅地又は建物を引き渡すまでに受領した代金の額から当該保証に係る債務で当該宅地又は建物を引き渡すまでに弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえていない場合にあつては、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえるまで)に、登記その他引渡し以外の売主の義務を履行しなければならない。ただし、宅地建物取引業者が当該保証債務を履行した場合に取得する求償権及び当該宅地又は建物につき買主が所有権の登記をした後の代金債権について、買主が、これを担保するための抵当権若しくは不動産売買の先取特権の登記を申請し、又はこれを保証する保証人を立てる見込みがないときは、この限りでない。
④宅地建物取引業者は、みずから売主として宅地又は建物の売買を行なつた場合において、当該宅地又は建物の代金の全部又は一部に充てるための買主の金銭の借入れで、当該宅地又は建物の引渡し後一年以上の期間にわたり、かつ、二回以上に分割して返還することを条件とするものに係る債務を保証したときは、当該売買に係る宅地又は建物を買主に引き渡し、かつ、受領した代金の額から当該保証に係る債務で弁済されていないものの額を控除した額が代金の額の十分の三をこえる額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地又は建物を譲り受けてはならない。
この条文の〇×問題(2問)
割賦販売の登記等の履行時期
宅建業者Aが自ら売主として宅地を割賦販売し、宅建業者でない買主Bへ引き渡した後、代金の35%を受領した。Bが登記後の残代金債務について法定の担保等を用意する見込みもあるが、Aは完済まで所有権移転登記義務を履行しなくてよい。
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正解 ×
誤り。割賦販売をする宅建業者は、引渡しまでに代金の30%を超える支払を受けていない場合でも、30%を超える額を受けるまでに登記その他の引渡し以外の義務を履行しなければならない。設問では引渡し済みで35%を受領しており、完済まで登記を留保できない。買主が残代金について法定の担保等を用意する見込みがないときの例外にも当たらない。
学習ポイント:割賦販売では、代金の30%を超える額を受領するまでに登記等を履行する。
第43条第1項本文・ただし書、関連:第78条第2項
割賦販売後の譲渡担保禁止
宅建業者Cが自ら売主として建物を割賦販売し、宅建業者でない買主Dへ引き渡したうえ代金の40%を受領した。残代金を確保するため、CがDからその建物を担保目的で譲り受けることは、第43条の禁止に当たる。
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正解 ○
正しい。宅建業者が自ら売主として宅地・建物を割賦販売した場合、買主への引渡しと代金の30%を超える受領の双方がそろった後は、その物件を担保目的で買主から譲り受けてはならない。設問では引渡し済みで代金の40%を受け取っているため、この禁止が適用される。残代金債権を担保したいという目的であっても譲渡担保は禁止される。
学習ポイント:引渡しと代金30%超の受領後、業者はその物件を担保目的で譲り受けられない。
第43条第2項
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和3年10月 問42肢1
割賦販売の契約を締結し、当該土地付建物を引き渡した場合、Aは、Bから800万円の賦払金の支払を受けるまでに、当該土地付建物に係る所有権の移転登記をしなければならない。
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誤り
誤り。割賦販売で目的物を引き渡したときは、代金の額の10分の3を超える額の支払を受けるまでに所有権の移転登記をしなければならない(宅建業法43条1項)。代金3,200万円の10分の3は960万円であり、800万円の支払を受けるまでに登記をする義務はない。
解説で第43条を参照している問
問題で確認する
第43条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。