第五章 業務/第一節 通則
宅地建物取引業法 第45条(秘密を守る義務)
この条の要点
- 廃業後の秘密保持義務:秘密保持義務は宅建業を営まなくなった後も続く。廃業後の漏洩も違反。
- 正当な理由がある場合の除外:秘密漏洩の禁止には『正当な理由がある場合』の除外がある。一律禁止ではない。
- 秘密漏洩禁止の対象情報の範囲:秘密保持の対象は業務上知り得た秘密全般。資力・信用情報も含まれる。
条文原文
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第45条(秘密を守る義務)
宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業を営まなくなつた後であつても、また同様とする。
この条文の〇×問題(3問)
廃業後の秘密保持義務
宅地建物取引業者であった甲は、宅建業を営んでいた当時、媒介業務を通じて知り得た売主乙の資産状況に関する秘密を、宅建業を廃止した後に正当な理由なく第三者に漏らした。廃業後の行為であるため第45条に違反しない。
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正解 ×
誤り。第45条は宅地建物取引業者に対し、正当な理由がある場合でなければ業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならないと定め、さらに宅地建物取引業を営まなくなった後であっても同様とする。廃業後の漏洩であっても違反となる。
学習ポイント:秘密保持義務は宅建業を営まなくなった後も続く。廃業後の漏洩も違反。
第45条前段・後段(廃業後の義務)
正当な理由がある場合の除外
宅地建物取引業者である甲社は、媒介した取引を巡る訴訟で裁判所から証言を求められるなど正当な理由がある場合には、業務上知り得た秘密を他に明かしても第45条に違反しない。
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正解 ○
正しい。第45条は『正当な理由がある場合でなければ』秘密を他に漏らしてはならないと定めるが、漏洩の一律禁止ではない。裁判所から証言を求められた場合など正当な理由があるときは、業務上知り得た秘密を明かしても違反とならない。
学習ポイント:秘密漏洩の禁止には『正当な理由がある場合』の除外がある。一律禁止ではない。
第45条1項(正当な理由がある場合)
秘密漏洩禁止の対象情報の範囲
宅地建物取引業者である乙社が媒介業務の中で買主丙の融資審査の過程を通じて知り得た丙の資力・信用に関する情報は、第45条の秘密漏洩禁止の対象となる。
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正解 ○
正しい。第45条の保護対象は『その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密』であり、媒介業務の過程で知り得た買主の資力・信用・年収などの情報も含まれる。正当な理由なくこれを他に漏らせば違反となる。違反になるかは漏らす相手の業種ではなく正当な理由の有無で判断され、金融機関への提供であっても正当な理由が必要である。
学習ポイント:秘密保持の対象は業務上知り得た秘密全般。資力・信用情報も含まれる。
第45条1項(秘密の対象範囲)
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
宅建令和3年10月 問40肢4
宅地建物取引業者は、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密に関し、税務署の職員から質問検査権の規定に基づき質問を受けたときであっても、回答してはならない。
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誤り
誤り。税務署の質問検査への回答は正当な理由に当たり守秘義務に反しない。
宅建令和2年12月 問36肢1
宅地建物取引業者は、依頼者本人の承諾があった場合でも、秘密を他に漏らしてはならない。
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誤り
誤り。本人の承諾があれば秘密を漏らしても違反にならない(正当な理由がある場合を除く制限—承諾は正当な理由に当たる)。
宅建令和2年12月 問36肢2
宅地建物取引業者が、宅地建物取引業を営まなくなった後は、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしても、法に違反しない。
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誤り
誤り。業を営まなくなった後も守秘義務は存続する(法45条の2)。
宅建令和2年12月 問36肢3
宅地建物取引業者は、裁判の証人として、その取り扱った宅地建物取引に関して証言を求められた場合、秘密に係る事項を証言することができる。
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正しい
正しい。裁判の証人としての証言は正当な理由があり守秘義務違反にならない。
宅建令和2年12月 問36肢4
宅地建物取引業者は、調査の結果判明した法第35条第1項各号に掲げる事項であっても、売主が秘密にすることを希望した場合は、買主に対して説明しなくてもよい。
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誤り
誤り。35条1項の説明事項は守秘義務より優先し、説明を省略できない。
宅建平成24年 問40イ
宅地建物取引業者は、個人情報の保護に関する法律第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当しない場合、業務上取り扱った個人情報について、正当な理由なく他に漏らしても、秘密を守る義務(法第45条)に違反しない。
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誤り
誤り。秘密を守る義務(法45条)は個人情報保護法の個人情報取扱事業者該当性とは無関係に課される。正当な理由なく漏らせば違反となる。
解説で第45条を参照している問
問題で確認する
第45条の内容は3問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。