第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
民事執行法 第168条(不動産の引渡し等の強制執行)
分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
この条の要点
- 明渡執行の実施方法と実施主体:明渡執行は執行官による占有解去→債権者への占有取得。裁判所の決定ではない。
- 債権者・代理人の出頭要件:明渡執行は債権者または代理人の出頭が要件(債務者の出頭は不要)。
条文原文
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第168条(不動産の引渡し等の強制執行)
不動産等(不動産又は人の居住する船舶等をいう。以下この条及び次条において同じ。)の引渡し又は明渡しの強制執行は、執行官が債務者の不動産等に対する占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法により行う。
②執行官は、前項の強制執行をするため同項の不動産等の占有者を特定する必要があるときは、当該不動産等に在る者に対し、当該不動産等又はこれに近接する場所において、質問をし、又は文書の提示を求めることができる。
③第一項の強制執行は、債権者又はその代理人が執行の場所に出頭したときに限り、することができる。
④執行官は、第一項の強制執行をするに際し、債務者の占有する不動産等に立ち入り、必要があるときは、閉鎖した戸を開くため必要な処分をすることができる。
⑤執行官は、第一項の強制執行においては、その目的物でない動産を取り除いて、債務者、その代理人又は同居の親族若しくは使用人その他の従業者で相当のわきまえのあるものに引き渡さなければならない。この場合において、その動産をこれらの者に引き渡すことができないときは、執行官は、最高裁判所規則で定めるところにより、これを売却することができる。
⑥執行官は、前項の動産のうちに同項の規定による引渡し又は売却をしなかつたものがあるときは、これを保管しなければならない。この場合においては、前項後段の規定を準用する。
⑦前項の規定による保管の費用は、執行費用とする。
⑧第五項(第六項後段において準用する場合を含む。)の規定により動産を売却したときは、執行官は、その売得金から売却及び保管に要した費用を控除し、その残余を供託しなければならない。
⑨第五十七条第五項の規定は、第一項の強制執行について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
明渡執行の実施方法と実施主体
建物の明渡しを求める強制執行は、執行裁判所が債務者に対して建物の明渡しを命ずる決定をし、その決定が債務者に送達されることによって実現される。
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正解 ×
誤り。建物の明渡しの強制執行は、執行官が目的物の占有を解いて債権者にその占有を取得させる方法によって行われる。執行裁判所の決定・命令によるのではなく、執行官による現実の占有解去という実力行為が執行の中身である。
学習ポイント:明渡執行は執行官による占有解去→債権者への占有取得。裁判所の決定ではない。
第168条1項
債権者・代理人の出頭要件
明渡しを求める強制執行は、債権者またはその代理人が出頭する場合に限り実施することができ、債権者側が出頭しなければ執行官は単独で目的物の占有を解くことができない。
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正解 ○
正しい。明渡執行は債権者またはその代理人が出頭する場合に限り実施できる。占有の受領者がいなければ占有取得を実現できないため、債権者側の出頭が執行の要件とされている。債務者の出頭は要件ではない点と対比して把握すべき論点である。
学習ポイント:明渡執行は債権者または代理人の出頭が要件(債務者の出頭は不要)。
第168条3項
根拠・関連条文
問題で確認する
第168条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。