資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第三章 担保権の実行としての競売等

民事執行法 第187条(担保不動産競売の開始決定前の保全処分等)

分野:担保権の実行としての競売等

出題試験:司法書士

この条の要点

  • 開始決定前の保全処分:開始決定前でも価格減少行為を禁止する保全処分ができる。
  • 保全処分の効力存続要件:3月以内に競売申立ての証明がなければ、被申立人等の申立てにより取消し。当然失効ではない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第187条(担保不動産競売の開始決定前の保全処分等)

執行裁判所は、担保不動産競売の開始決定前であつても、債務者又は不動産の所有者若しくは占有者が価格減少行為(第五十五条第一項に規定する価格減少行為をいう。以下この項において同じ。)をする場合において、特に必要があるときは、当該不動産につき担保不動産競売の申立てをしようとする者の申立てにより、買受人が代金を納付するまでの間、同条第一項各号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずることができる。ただし、当該価格減少行為による価格の減少又はそのおそれの程度が軽微であるときは、この限りでない。

②前項の場合において、第五十五条第一項第二号又は第三号に掲げる保全処分は、次に掲げる場合のいずれかに該当するときでなければ、命ずることができない。

一 前項の債務者又は同項の不動産の所有者が当該不動産を占有する場合

二 前項の不動産の占有者の占有の権原が同項の規定による申立てをした者に対抗することができない場合

③第一項の規定による申立てをするには、担保不動産競売の申立てをする場合において第百八十一条第一項から第三項までの規定により提出すべき文書を提示しなければならない。

④執行裁判所は、申立人が第一項の保全処分を命ずる決定の告知を受けた日から三月以内に同項の担保不動産競売の申立てをしたことを証する文書を提出しないときは、被申立人又は同項の不動産の所有者の申立てにより、その決定を取り消さなければならない。

⑤第五十五条第三項から第五項までの規定は第一項の規定による決定について、同条第六項の規定は第一項又はこの項において準用する同条第五項の申立てについての裁判について、同条第七項の規定はこの項において準用する同条第五項の規定による決定について、同条第八項及び第九項並びに第五十五条の二の規定は第一項の規定による決定(第五十五条第一項第一号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずるものを除く。)について、第五十五条第十項の規定は第一項の申立て又は同項の規定による決定(同条第一項第一号に掲げる保全処分又は公示保全処分を命ずるものを除く。)の執行に要した費用について、第八十三条の二の規定は第一項の規定による決定(第五十五条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずるものに限る。)の執行がされた場合について準用する。この場合において、第五十五条第三項中「債務者以外の占有者」とあるのは、「債務者及び不動産の所有者以外の占有者」と読み替えるものとする。

この条文の〇×問題(2問)

開始決定前の保全処分

担保権の実行の申立てがあった後であっても、開始決定がされるまでの間は、執行裁判所は目的物件に変更を加えてその価格を減少させるおそれのある行為を禁止する保全処分をすることができない。

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正解 ×

誤り。執行裁判所は、担保権実行の申立てがあり開始決定前であっても、目的物件に変更を加えその価格を減少させるおそれのある行為を禁止する保全処分をすることができる。換価前の毀損防止のため前倒しの保全が認められている。

学習ポイント:開始決定前でも価格減少行為を禁止する保全処分ができる。

第187条1項

保全処分の効力存続要件

開始決定前の保全処分は、担保権者がその命令の告知を受けてから三月以内に担保権の実行を申し立てたことを証する書面を提出しないときは、その効力を失う。

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正解 ×

誤り。申立人が保全処分の決定の告知を受けた日から3月以内に担保不動産競売の申立てをしたことを証する文書を提出しないときでも、保全処分が当然に失効するわけではない。執行裁判所は、被申立人又は不動産の所有者の申立てにより、その決定を取り消さなければならない(187条4項)。取消しには申立てを要する点に注意する。

学習ポイント:3月以内に競売申立ての証明がなければ、被申立人等の申立てにより取消し。当然失効ではない。

第187条4項

問題で確認する

第187条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。