第二章 強制執行/第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/第一款 不動産に対する強制執行/第二目 強制競売
民事執行法 第83条の2(占有移転禁止の保全処分等の効力)
分野:強制執行/金銭の支払を目的とする債権についての強制執行/不動産に対する強制執行
この条の要点
- 占有承継者への引渡し執行:保全処分執行後の占有承継者は善意でも引渡し執行の対象。
- 執行対象の推定:執行後の被申立人の占有承継人には善意でも引渡執行できる。執行後の占有者は悪意と推定。
条文原文
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第83条の2(占有移転禁止の保全処分等の効力)
強制競売の手続において、第五十五条第一項第三号又は第七十七条第一項第三号に掲げる保全処分及び公示保全処分を命ずる決定の執行がされ、かつ、買受人の申立てにより当該決定の被申立人に対して引渡命令が発せられたときは、買受人は、当該引渡命令に基づき、次に掲げる者に対し、不動産の引渡しの強制執行をすることができる。
一 当該決定の執行がされたことを知つて当該不動産を占有した者
二 当該決定の執行後に当該執行がされたことを知らないで当該決定の被申立人の占有を承継した者
②前項の決定の執行後に同項の不動産を占有した者は、その執行がされたことを知つて占有したものと推定する。
③第一項の引渡命令について同項の決定の被申立人以外の者に対する執行文が付与されたときは、その者は、執行文の付与に対する異議の申立てにおいて、買受人に対抗することができる権原により不動産を占有していること、又は自己が同項各号のいずれにも該当しないことを理由とすることができる。
この条文の〇×問題(2問)
占有承継者への引渡し執行
占有移転を防ぐ保全処分が執行された後に被申立人から占有を承継した者は、その執行の事実を知らなかつたとしても引渡命令による執行の対象となる。
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正解 ○
正しい。占有移転防止の保全処分が執行された後は、執行がされたことを知らないで占有を承継した者にも引渡命令に基づき執行できる。悪意占有者だけでなく善意の承継者にも及ぶ点がひっかけ。善意の占有承継者にも及ぶ設計が保全処分の実効性を支えている。
学習ポイント:保全処分執行後の占有承継者は善意でも引渡し執行の対象。
第83条の2第1項
執行対象の推定
保全処分の決定の執行後に当該決定の被申立人から不動産の占有を承継した者は、その執行がされたことを知らなかったことを立証すれば、引渡しの強制執行を免れる。
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正解 ×
誤り。保全処分の決定の執行がされ、被申立人に対し引渡命令が発せられたときは、買受人は、執行を知って占有した者のほか、執行後に被申立人の占有を承継した者に対しても、引渡しの強制執行をすることができる(83条の2第1項)。承継人は善意であっても免れない。なお、執行後の占有者は執行を知って占有したものと推定され(同条2項)、承継人でない善意の者は推定を覆して争うことができる。
学習ポイント:執行後の被申立人の占有承継人には善意でも引渡執行できる。執行後の占有者は悪意と推定。
第83条の2第2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第83条の2の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。