第二章 強制執行/第一節 総則
民事執行法 第39条(強制執行の停止)
この条の要点
- 停止文書提出の効果:列挙文書の提出で執行停止は義務。裁量ではない。
- 弁済文書による停止期間:弁済文書による停止は4週間。猶予は2回・通算6月まで。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第39条(強制執行の停止)
強制執行は、次に掲げる文書の提出があつたときは、停止しなければならない。
一 債務名義(執行証書を除く。)若しくは仮執行の宣言を取り消す旨又は強制執行を許さない旨を記載した執行力のある裁判の正本又は記録事項証明書
二 債務名義に係る和解、認諾、調停又は労働審判の効力がないことを宣言する確定判決の正本又は記録事項証明書
三 第二十二条第二号から第四号の二までに掲げる債務名義が訴えの取下げその他の事由により効力を失つたことを証する調書の正本その他の裁判所書記官の作成した文書
四 強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した裁判上の和解の調書の正本又は電子調書(民事訴訟法第百六十条第一項に規定する電子調書をいう。第百六十七条の二第一項第四号において同じ。)の記録事項証明書
四の二 強制執行をしない旨又はその申立てを取り下げる旨を記載した調停の調書又は労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十一条第四項の規定により裁判上の和解と同一の効力を有する労働審判の審判書若しくは同法第二十条第七項の調書の正本
五 強制執行を免れるための担保を立てたことを証する文書
六 強制執行の停止及び執行処分の取消しを命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
七 強制執行の一時の停止を命ずる旨を記載した裁判の正本又は記録事項証明書
八 債権者が、債務名義の成立後に、弁済を受け、又は弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書
②前項第八号に掲げる文書のうち弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、四週間に限るものとする。
③第一項第八号に掲げる文書のうち弁済の猶予を承諾した旨を記載した文書の提出による強制執行の停止は、二回に限り、かつ、通じて六月を超えることができない。
この条文の〇×問題(2問)
停止文書提出の効果
債務者乙が強制執行を免れる担保を提供した事実を証明する文書を提出した場合、執行機関は執行を止めなければならない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。執行力ある取消・不許可の裁判の正本、担保提供の証明文書など列挙文書の提出があるときは強制執行を「停止しなければならない」。義務規定であって裁量規定ではない点が骨格である。列挙された文書の提出があれば停止は裁判の裁量ではなく義務となる。
学習ポイント:列挙文書の提出で執行停止は義務。裁量ではない。
第39条1項5号
弁済文書による停止期間
債権者が債務名義の成立後に弁済を受けた旨を記載した文書の提出による強制執行の停止には、期間の制限はなく、手続が終了するまで効力が続く。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。弁済を受けた旨を記載した文書の提出による停止は四週間に限る。弁済の猶予を承諾した旨の文書は二回に限り通じて六月を超えないという別の制限もあり、期間設計がひっかけである。四週間の期間制限と猶予文書の回数・総期間制限を併せて整理しておく。
学習ポイント:弁済文書による停止は4週間。猶予は2回・通算6月まで。
第39条2項・3項
根拠・関連条文
問題で確認する
第39条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。