第九編 執行停止
民事訴訟法 第403条(執行停止の裁判)
この条の要点
- 執行停止命令の内容:執行停止は担保あり・なしで可。既済執行処分の取消し命令も併せて可能。
- 執行停止裁判への不服:執行停止の申立てについての裁判は不服申立て不可。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第403条(執行停止の裁判)
次に掲げる場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、担保を立てさせて、若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てて強制執行の開始若しくは続行をすべき旨を命じ、若しくは担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。ただし、強制執行の開始又は続行をすべき旨の命令は、第三号から第六号までに掲げる場合に限り、することができる。
一 第三百二十七条第一項(第三百八十条第二項において準用する場合を含む。次条において同じ。)の上告又は再審の訴えの提起があった場合において、不服の理由として主張した事情が法律上理由があるとみえ、事実上の点につき疎明があり、かつ、執行により償うことができない損害が生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
二 仮執行の宣言を付した判決に対する上告の提起又は上告受理の申立てがあった場合において、原判決の破棄の原因となるべき事情及び執行により償うことができない損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
三 仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立て(次号の控訴の提起及び督促異議の申立てを除く。)があった場合において、原判決若しくは支払督促の取消し若しくは変更の原因となるべき事情がないとはいえないこと又は執行により著しい損害を生ずるおそれがあることにつき疎明があったとき。
四 手形又は小切手による金銭の支払の請求及びこれに附帯する法定利率による損害賠償の請求について、仮執行の宣言を付した判決に対する控訴の提起又は仮執行の宣言を付した支払督促に対する督促異議の申立てがあった場合において、原判決又は支払督促の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
五 仮執行の宣言を付した手形訴訟若しくは小切手訴訟の判決に対する異議の申立て又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決に対する異議の申立てがあった場合において、原判決の取消し又は変更の原因となるべき事情につき疎明があったとき。
六 第百十七条第一項の訴えの提起があった場合において、変更のため主張した事情が法律上理由があるとみえ、かつ、事実上の点につき疎明があったとき。
②前項に規定する申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の〇×問題(2問)
執行停止命令の内容
法律で定める場面で執行停止の申立てがあると、裁判所は担保を立てさせるか立てさせないかを選んだ上で強制執行の一時停止を命じることができ、さらに担保を立てさせて既にされた執行処分の取消しを命じることも可能である。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。403条1項各号の場合、裁判所は申立てにより、担保を立てさせて若しくは立てさせないで強制執行の一時の停止を命じ、又はこれとともに、担保を立てさせて既にした執行処分の取消しを命ずることができる。担保の提供方法は供託に限られず、405条2項が準用する76条により支払保証委託契約の締結等によることもできる。
学習ポイント:執行停止は担保あり・なしで可。既済執行処分の取消し命令も併せて可能。
第403条1項、関連:第405条2項・第76条
執行停止裁判への不服
執行停止の申立てについての裁判に対しては、申立てが認められなかった当事者は即時抗告をもって不服を申し立てることができる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。執行停止の申立てについての裁判に対しては、不服を申し立てることができないと明定されている。上告や再審、控訴、督促異議等の各場面における停止申立てに対する決定には、抗告による争いは認められない。各号の場面ごとに疎明すべき事情が異なる点にも注意する。
学習ポイント:執行停止の申立てについての裁判は不服申立て不可。
第403条2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第403条の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。