第一編 総則/第五章 法律行為/第三節 代理
民法 第103条(権限の定めのない代理人の権限)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 権限の定めのない代理人と処分行為:権限が定まらない代理人に許されるのは保存行為と性質を変えない利用・改良のみで、売却等の処分はできない。
- 保存行為としての時効完成を妨げる催告:権限の定めがない代理人でも、時効の完成を妨げる催告など権利を現状のまま保つ保存行為はできる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第103条(権限の定めのない代理人の権限)
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
この条文の〇×問題(2問)
権限の定めのない代理人と処分行為
本人から事務の処理を委任されたが代理権の範囲が明らかにされていない代理人は、委任の目的を達成するために必要であると認められるときは、管理する目的物を第三者に売却する権限を有する。
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正解 ×
誤り。権限の定めのない代理人は、保存行為と、代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内の利用・改良を目的とする行為のみをする権限を有する。目的物の売却は所有権を移転させる処分行為であり、委任目的の達成に必要でも権限外の行為となる。
学習ポイント:権限が定まらない代理人に許されるのは保存行為と性質を変えない利用・改良のみで、売却等の処分はできない。
第103条
保存行為としての時効完成を妨げる催告
権限の定めのない代理人は、代理の目的である債権について消滅時効が完成しようとする場合に、その完成を妨げるために裁判外の催告をする権限を有する。
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正解 ○
正しい。権限の定めのない代理人は保存行為をする権限を有し、消滅時効の完成を妨げるための裁判外の催告は、権利を現状のまま保全する保存行為に当たる。権限の定めがなくても、こうした権利の保全行為は許される。
学習ポイント:権限の定めがない代理人でも、時効の完成を妨げる催告など権利を現状のまま保つ保存行為はできる。
第103条1号、関連:第150条1項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成28年度 問4肢4
家庭裁判所が選任した管理人は、家庭裁判所の許可を得ないで、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した判決に対し控訴することができる。
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正しい
正しい。上訴の提起及びそのための訴訟代理人の選任は財産の現状を維持する保存行為(民法103条1項)であり、家庭裁判所の許可なく行える(最判昭47.9.1)。
解説で第103条を参照している問
問題で確認する
第103条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。