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第一編 総則/第五章 法律行為/第三節 代理

民法 第104条(任意代理人による復代理人の選任)

分野:代理

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中マンション管理士重要度 中管理業務主任者重要度 高

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 委任代理人の復代理人選任の要件
  • 権限なき復任の効果と追認:権限なく選任された復代理人の行為は無権代理。無効ではなく、本人の追認で有効になる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第104条(任意代理人による復代理人の選任)

委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

条文の要点

任意代理人の復代理とは、委任による代理人がさらに代理人を選任することで、本人の許諾又はやむを得ない事由があるときに限られます(104条)。

許諾とやむを得ない事由は二者択一で、どちらかあれば選任できます。要件なく選任した復代理人の行為は無権代理となり、本人が追認しなければ本人に効力を生じません。

任意代理人の復代理の要件と効果

法定代理人は自己の責任で復代理人を選任でき、やむを得ない事由があれば選任・監督上の責任のみを負います(105条)。委任代理人が許諾かやむを得ない事由を要するのと対照的です。

項役割内容
1項要件復代理人の選任には、本人の許諾かやむを得ない事由のどちらかが要る
1項効果要件なく選任した復代理人の行為は無権代理となり、本人の追認で有効になる

具体例

Aの委任代理人Bが、Aの許諾もやむを得ない事由もないのに復代理人Dを選任し、Dが権限内の行為をしました。

選任に効力がないためDの行為は無権代理となり、本人Aの追認がなければAに効力が生じません。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、BがAの許諾を得ていた場合に変えます。

許諾があればDは復代理人として有効に選任され、権限内の行為の効果はAに帰属します。

関連条との違い

  • 民法 第105条:法定代理人は自己の責任で復代理人を選任できる。許諾ややむを得ない事由の要件は要らない
  • 民法 第106条:有効に選任された復代理人は権限内の行為で本人を代表し、代理人と同一の権利義務を負う
  • 民法 第113条:権限なく選任された復代理人の行為は無権代理で、本人が追認しなければ効力を生じない

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士令和7年度 問6ウ

    許諾がなければ復代理人を選任できないとする誤り。やむを得ない事由があれば許諾なしでも選任できる

  • 司法書士令和4年度 問5ア

    委任代理人が自己の責任で復代理人を選任できるとする誤り。自己の責任で選任できるのは法定代理人

  • 管業平成30年度 問4肢3

    本人の拒否と事由の不存在でも自己の責任で選任できるとする誤り。委任代理人には選任要件が要る

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年6月24日施行版

この条文の〇×問題(2問)

委任代理人の復代理人選任の要件

委任による代理人が復代理人を選任するには、本人の許諾を得たうえで、さらに選任を必要とするやむを得ない事由がなければならない。

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正解 ×

誤り。民法104条は、委任による代理人が復代理人を選任できるのは本人の許諾を得たとき又はやむを得ない事由があるときとし、両者はいずれか一つで足りる選択的要件である。許諾と事由の双方を要求するものではなく、許諾があれば事由は不要である。

学習ポイント:「許諾を得たとき又はやむを得ない事由」は二者択一。両方そろえという記述は誤りと読む。

第104条、関連:第105条

権限なき復任の効果と追認

委任による代理人が、本人の許諾もやむを得ない事由もないのに復代理人を選任した場合、その復代理人が権限内でした行為は代理権を有しない者がした行為となるため、本人は追認によってこれを有効なものとすることができる。

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正解 ○

正しい。復任権を有しない代理人による復代理人の選任は効力を持たず、その復代理人の行為は無権代理行為となる。無権代理行為は確定的に無効ではなく、本人が追認すれば本人に効力が帰属する。絶対無効ではない点が鍵である。

学習ポイント:権限なく選任された復代理人の行為は無権代理。無効ではなく、本人の追認で有効になる。

第104条、関連:第113条1項・第116条

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和7年 問28イ

法定代理人は、任意代理人と異なり、いつでも復代理人を選任することができるが、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任および監督についての責任のみを負う。

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正しい

正しい。法定代理人は自己の責任で復代理人を選任できる。やむを得ない事由がある場合に、責任が選任・監督に限られる(民法105条)。任意代理人の選任には本人の許諾又はやむを得ない事由が必要である(104条)。

行政書士平成24年 問28肢5

代理人は、法律または本人の意思に基づいて本人のために法律行為を行う者であるから、本人に無断で復代理人を選任することは認められないのに対し、使者は、単に本人の完了した意思決定を相手方に伝達するにすぎないから、本人に無断で別の者を使者に選任することも認められる。

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妥当ではない

代理人の復代理もやむを得ない事由があるとき等には認められ(104条)、使者が無断で別の使者を選任することを一般に許す根拠はない。妥当ではない。

司法書士令和7年度 問6ウ

委任による代理人は、本人の許諾を得た場合でなければ、復代理人を選任することができない。

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誤り

誤り。委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか「やむを得ない事由があるとき」も復代理人を選任できる(104条)。許諾がないと選任できないとはいえない。

司法書士令和4年度 問5ア

委任による代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。

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誤り

誤り。委任による代理人が復代理人を選任できるのは本人の許諾又はやむを得ない事由があるときに限られる(104条)。自己の責任で選任できるのは法定代理人(105条)である。

宅建令和6年 問2肢2

受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。

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正しい

正しい。復受任者の選任は本人の許諾又はやむを得ない事由がある場合に限られる(民法104条)。

宅建平成29年 問1肢2

委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも、復代理人を選任することができる。

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正しい

正しい。委任代理人は本人の許諾またはやむを得ない事由があるときに復代理人を選任できる(民法104条)。

管業令和3年度 問4肢4

Cは、Aの許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

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正しい

正しい。委任による代理人は本人の許諾又はやむを得ない事由がなければ復代理人を選任できない。

管業平成30年度 問4肢3

Bは、Aが復代理人の選任について拒否し、かつ、やむを得ない事由がない場合でも、自己の責任で復代理人Dを選任することができる。

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誤り

誤り。委任代理人は本人の許諾があるとき又はやむを得ない事由があるときでなければ復代理人を選任できない。

問題で確認する

第104条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。