民法 代理
第99条〜第118条
民法の代理分野(第99条〜第118条)をまとめて学べるページです。条文穴埋め19問と判例0件を収録しています。
代理の解説
代理とは、代理人が本人に代わって意思表示を行い、その効果を直接本人に帰属させる制度です(99条)。取引社会を支える基本制度で、宅建・行政書士・司法書士のいずれの試験でも頻出です。代理が成立するには、代理人が本人のためにすることを示して(顕名)意思表示を行い、代理権の範囲内で行為することが必要です。
代理権がないのに代理を装う無権代理は、原則として本人に効果が帰属しません(113条)。ただし本人が追認すれば契約の時にさかのぼって有効になり(116条)、相手方には無権代理人への催告権と取消権が認められます(114条・115条)。追認を得られない無権代理人は、相手方に対して履行または損害賠償の責任を負います(117条)。一方、本人に代理権存在の外観を作った帰責性があり、相手方が無権を知らなかった(善意・無過失の)場合には表見代理が成立し、本人に効果が帰属します(109条・110条・112条)。
このほか、自己契約・双方代理の原則禁止と例外(108条)、復代理人の選任と責任(104条〜107条)、制限行為能力者も代理人になれること(102条)、本人の名を示さない行為の帰属(118条)なども整理しておきましょう。有権代理・表見代理・無権代理の効果の違いを下の表で押さえるのが得点の鍵です。
| 類型 | 根拠条文 | 効果 |
|---|---|---|
| 有権代理 | 99条 | 行為の効果は直接本人に帰属する |
| 表見代理 | 109条・110条・112条 | 本人に帰責事由があり相手方が無権を知らなかったとき、本人に効力が帰属する |
| 無権代理 | 113条〜118条 | 本人に効力が帰属しない。追認で契約時にさかのぼって有効(116条)。相手方は催告・取消が可能 |
代理の過去問
出典元の分類が代理に対応する過去問です。
※ ほか67問は各試験の過去問一覧にあります。
第一編 総則 / 第五章 法律行為 / 第三節 代理
第99条(代理行為の要件及び効果)
代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
第2項前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。
第100条(本人のためにすることを示さない意思表示)
代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。
第101条(代理行為の瑕疵)
代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
第2項相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
第3項特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
第102条(代理人の行為能力)
制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。
第103条(権限の定めのない代理人の権限)
権限の定めのない代理人は、次に掲げる行為のみをする権限を有する。
一 保存行為
二 代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為
第104条(任意代理人による復代理人の選任)
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
第105条(法定代理人による復代理人の選任)
法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、本人に対してその選任及び監督についての責任のみを負う。
第106条(復代理人の権限等)
復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
第2項復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
第107条(代理権の濫用)
代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
第108条(自己契約及び双方代理等)
同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
第2項前項本文に規定するもののほか、代理人と本人との利益が相反する行為については、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
第109条(代理権授与の表示による表見代理等)
第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
第2項第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
第110条(権限外の行為の表見代理)
前条第一項本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。
第111条(代理権の消滅事由)
代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一 本人の死亡
二 代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
第2項委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。
第112条(代理権消滅後の表見代理等)
他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
第2項他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
第113条(無権代理)
代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
第2項追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。
第114条(無権代理の相手方の催告権)
前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。
第115条(無権代理の相手方の取消権)
代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。
第116条(無権代理行為の追認)
追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。
第117条(無権代理人の責任)
他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
第2項前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき。
二 他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が過失によって知らなかったとき。ただし、他人の代理人として契約をした者が自己に代理権がないことを知っていたときは、この限りでない。
三 他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたとき。
第118条(単独行為の無権代理)問題準備中
単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、第百十三条から前条までの規定を準用する。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。