第二編 物権/第八章 先取特権/第二節 先取特権の種類/第三款 不動産の先取特権
民法 第328条(不動産売買の先取特権)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 売買の先取特権と抵当権の優劣:抵当権に先立つのは保存・工事の先取特権だけ。売買の先取特権は登記の先後で決まる。
- 順次売買における売主相互間の先取特権の順位:順次売買の売主相互間の先取特権は、登記の先後ではなく売買の前後で順位が決まる。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第328条(不動産売買の先取特権)
不動産の売買の先取特権は、不動産の代価及びその利息に関し、その不動産について存在する。
この条文の〇×問題(2問)
売買の先取特権と抵当権の優劣
不動産の売主が売買契約と同時に代価の弁済がされていない旨を登記した場合でも、その不動産の売買の先取特権は、それより前に登記された抵当権に先立って行使することはできない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。抵当権に先立って行使できるのは、339条により登記をした不動産保存(337条)・不動産工事(338条)の先取特権に限られる。不動産売買の先取特権は、340条により契約と同時に未弁済の旨を登記して効力が保存されるが、339条の優先効はなく、抵当権との優劣は登記の先後による(341条・373条)。
学習ポイント:抵当権に先立つのは保存・工事の先取特権だけ。売買の先取特権は登記の先後で決まる。
第328条、関連:第337条〜第341条・第373条
順次売買における売主相互間の先取特権の順位
同一の不動産が売主から買主へ、さらにその買主から次の買主へと順次売却された場合、各売主が有する不動産の売買の先取特権の優先権の順位は、効力保存の登記をした先後によって決まる。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。同一の不動産について売買が順次された場合、売主相互間における売買の先取特権の優先権の順位は売買の前後による。先の売却の売主が後の売却の売主に優先するのであり、登記の先後はこの順位の基準ではない。保存登記の有無は効力の問題であって順位の基準とは別である。
学習ポイント:順次売買の売主相互間の先取特権は、登記の先後ではなく売買の前後で順位が決まる。
第328条、関連:第331条2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和7年度 問12オ
不動産の売買の先取特権は、売買契約と同時に不動産の代価又はその利息の弁済がされていない旨の登記がされた場合であっても、その前に登記がされた抵当権に先立って行使することができない。
正誤と理由を見る
正しい
正しい。不動産売買の先取特権と抵当権の優劣は登記の順位の前後による(328条3項・判例)。先取特権の保存登記の前に抵当権登記がされていれば抵当権が優先する。
解説で第328条を参照している問
問題で確認する
第328条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。