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第二編 物権/第八章 先取特権/第三節 先取特権の順位

民法 第330条(動産の先取特権の順位)

分野:先取特権

出題試験:宅建行政書士重要度 中司法書士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 果実に関する先取特権の特別順位:果実の順位は特則で農業労務・種苗肥料供給者・土地賃貸人の順。動産の一般順位をそのまま適用しない。
  • 悪意の第一順位先取特権者の優先制限:第一順位でも債権取得時に下位の先取特権者の存在を知っていたら優先権を行使できない。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第330条(動産の先取特権の順位)

同一の動産について特別の先取特権が互いに競合する場合には、その優先権の順位は、次に掲げる順序に従う。この場合において、第二号に掲げる動産の保存の先取特権について数人の保存者があるときは、後の保存者が前の保存者に優先する。

一 不動産の賃貸、旅館の宿泊及び運輸の先取特権

二 動産の保存の先取特権

三 動産の売買、種苗又は肥料の供給、農業の労務及び工業の労務の先取特権

②前項の場合において、第一順位の先取特権者は、その債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位の先取特権者のために物を保存した者に対しても、同様とする。

③果実に関しては、第一の順位は農業の労務に従事する者に、第二の順位は種苗又は肥料の供給者に、第三の順位は土地の賃貸人に属する。

この条文の〇×問題(2問)

果実に関する先取特権の特別順位

賃貸借の目的である土地から生じた果実について特別の先取特権が競合する場合、農業の労務に従事する者の先取特権は、土地の賃貸人の先取特権に優先する。

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正解 ○

正しい。果実に関しては特則があり、第一順位は農業の労務に従事する者、第二順位は種苗又は肥料の供給者、第三順位は土地の賃貸人に属する。動産一般では不動産の賃貸の先取特権が第一順位でも、果実では賃貸人が最後順位になる。

学習ポイント:果実の順位は特則で農業労務・種苗肥料供給者・土地賃貸人の順。動産の一般順位をそのまま適用しない。

第330条3項、関連:第330条1項

悪意の第一順位先取特権者の優先制限

動産の先取特権で最上位の順位に立つ賃貸人等の債権者は、債権の取得時点で下位の順位の先取特権者の存在を知っていたとしても、常にその下位者に先立って弁済を受けられる。

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正解 ×

誤り。第一順位の先取特権者は、債権取得の時において第二順位又は第三順位の先取特権者があることを知っていたときは、これらの者に対して優先権を行使することができない。第一順位者のために物を保存した者についても同様であり、順位による優先は善意の場合に限り保護される。

学習ポイント:第一順位でも債権取得時に下位の先取特権者の存在を知っていたら優先権を行使できない。

第330条2項

この条文を解説で参照する過去問

司法書士令和6年度 問12エ

同一の動産について動産の保存の先取特権が互いに競合する場合には、前の保存者が後の保存者に優先する。

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誤り

誤り。同一の動産について動産の保存の先取特権が競合する場合には、後の保存者が前の保存者に優先する(330条1項)。

司法書士平成28年度 問11ア

動産売買の先取特権の目的物に質権が設定された場合、当該質権は、当該動産売買の先取特権に優先する。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。動産売買の先取特権の目的物に質権が設定された場合、動産質権者は第1順位の先取特権者と同一の権利を有するので、第3順位の動産売買の先取特権に優先する(民法334条・330条1項)。

問題で確認する

第330条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。