第二編 物権/第八章 先取特権/第二節 先取特権の種類/第二款 動産の先取特権
民法 第321条(動産売買の先取特権)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 動産売買先取特権の被担保債権の範囲:「代価及びその利息」は限定列挙で、解除後の損害賠償や違約金までは含まない。
- 第三取得者への引渡後の行使制限:先取特権は目的動産が第三取得者に引き渡されると行使できず、追及力が制限される。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第321条(動産売買の先取特権)
動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する。
この条文の〇×問題(2問)
動産売買先取特権の被担保債権の範囲
動産の売買の先取特権によって担保される債権は、その動産の代価とその利息に限られ、代金が支払われないことを理由に売買契約を解除したことにより売主に生じた損害賠償債権までは担保されない。
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正解 ○
正しい。第三百二十一条は被担保債権を動産の代価及びその利息に限定して列挙する。契約解除に伴う損害賠償は代価や利息ではないためこの先取特権では担保されず、先取特権が担保する債権の範囲は法律上明確に限定されている。
学習ポイント:「代価及びその利息」は限定列挙で、解除後の損害賠償や違約金までは含まない。
第321条
第三取得者への引渡後の行使制限
代金が支払われないまま買主が目的の動産を第三者に転売して引き渡した後でも、売主は担保物権としての追及力に基づき、その動産について先取特権を行使することができる。
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正解 ×
誤り。第三百三十三条は、先取特権は債務者が目的である動産をその第三取得者に引き渡した後は、その動産について行使することができないと定める。先取特権は公示を欠くため追及力が弱く、第三者の手に渡った目的物には及ばない。
学習ポイント:先取特権は目的動産が第三取得者に引き渡されると行使できず、追及力が制限される。
第321条、関連:第333条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成25年 問29肢1
Aが甲をすでにBに引き渡しており、さらにBがこれをCに引き渡した場合であっても、Aは、Bから売買代金の支払いを受けていないときは、甲につき先取特権を行使することができる。
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妥当ではない
動産売買の先取特権は債務者が目的物を第三取得者に引き渡した後はその動産について行使できず、BからCに引き渡された後はAは行使できない(民法333条)。妥当ではない。
司法書士令和8年度 問13イ
動産売買の先取特権を有する者は、債務者が第三者に当該先取特権の目的である動産を売却したときは、その売却に係る代金債権を差し押さえて物上代位権を行使することができる。
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正しい
正しい。動産売買の先取特権者は、目的動産の売却代金債権を差し押さえて物上代位権を行使できる(321条・304条)。
司法書士令和5年度 問11イ
動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、債務者の総財産について存在する。
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誤り
誤り。動産の売買の先取特権は、動産の代価及びその利息に関し、その動産について存在する(321条)。債務者の総財産について存在するのは一般の先取特権である。
解説で第321条を参照している問
問題で確認する
第321条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。