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第三編 債権/第一章 総則/第六節 債権の消滅/第二款 相殺

民法 第511条(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)

分野:債権の消滅・有価証券

出題試験:宅建重要度 中行政書士重要度 中司法書士重要度 中賃貸不動産経営管理士重要度 中マンション管理士重要度 中

重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。

この条の要点

  • 差押え前取得債権による相殺の対抗可能性:差押えの前後で分ける。差押え前に取得した債権による相殺は差押債権者に対抗できる。
  • 差押え後の他人債権譲受けへの例外制限:差押え後取得でも差押え前の原因なら相殺できるが、差押え後の他人債権の譲受けは除かれる。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第511条(差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止)

差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺をもって差押債権者に対抗することはできないが、差押え前に取得した債権による相殺をもって対抗することができる。

②前項の規定にかかわらず、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであるときは、その第三債務者は、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。ただし、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときは、この限りでない。

この条文の〇×問題(2問)

差押え前取得債権による相殺の対抗可能性

甲が乙に対して有する貸金債権が丙に差し押さえられた場合において、乙がその差押えの前から甲に対して売買代金債権を有していたときは、乙はその債権との相殺の効力を丙に対して主張することができる。

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正解 ○

正しい。差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権による相殺を差押債権者に対抗できないが、差押え前に取得した債権による相殺は対抗できる。差押えの時点が対抗可能性を分ける基準であり、差押えがあれば一切の相殺が否定されるわけではない。

学習ポイント:差押えの前後で分ける。差押え前に取得した債権による相殺は差押債権者に対抗できる。

第511条1項

差押え後の他人債権譲受けへの例外制限

甲が乙に対して有する債権が丙に差し押さえられた後に、乙が丁から甲に対する債権を譲り受けた場合、その債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであれば、乙はその債権による相殺の効力を丙に対して主張することができる。

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正解 ×

誤り。差押え後に取得した債権でも差押え前の原因に基づいて生じたものなら相殺を対抗できるのが原則の例外だが、第三債務者が差押え後に他人の債権を取得したときはその例外に当たらない。差押え後に債権を買い集めて相殺を持ち込むことを防ぐためのただし書である。

学習ポイント:差押え後取得でも差押え前の原因なら相殺できるが、差押え後の他人債権の譲受けは除かれる。

第511条2項ただし書

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和5年 問31肢1

差押えを受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権が差押え前の原因に基づいて生じたものであれば、その第三債務者が、差押え後に他人の債権を取得したときでなければ、その債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。

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正しい

差押え後に取得した債権でも差押え前の原因に基づくものなら相殺で差押債権者に対抗できる(民法511条の解釈)。

司法書士令和3年度 問17ウ

債権が第三者に差し押さえられた場合において、被差押債権の債務者がその差押え前に被差押債権の債権者に対する反対債権を取得しており、その差押え後にその反対債権と被差押債権が相殺に適するようになったときは、その反対債権と被差押債権の弁済期の先後にかかわらず、被差押債権の債務者は、その反対債権による相殺をもって差押債権者に対抗することができる。

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正しい

正しい。被差押債権の債務者が差押え前から有していた反対債権が差押え後に相殺適状となった場合、当該反対債権が差押え後に発生・取得したものでない限り、弁済期の先後にかかわらず差押債権者に相殺を対抗できる(511条2項・最判昭45.6.24)。

問題で確認する

第511条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。