第三編 債権/第五章 不法行為
民法 第711条(近親者に対する損害の賠償)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 近親者の賠償請求と財産権侵害の不要性:財産権侵害の立証を請求の前提にしていないか確認する。近親者固有の慰謝料請求は不要。
- 賠償請求権者の限定列挙:請求権者が列挙の3類型に限られるかを確認し、列挙外の近親者を足していないか注意する。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第711条(近親者に対する損害の賠償)
他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
近親者の賠償請求と財産権侵害の不要性
交通事故で夫を亡くした妻が、夫の死によって自分の財産権が侵害されたことを立証できなくても、加害者に対して精神的損害に対する賠償を請求することができる。
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正解 ○
正しい。民法711条は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても加害者が損害賠償責任を負うと定める。近親者固有の精神的損害に対する請求は財産的損害の存在を前提としない。
学習ポイント:財産権侵害の立証を請求の前提にしていないか確認する。近親者固有の慰謝料請求は不要。
第711条
賠償請求権者の限定列挙
被害者の生命を侵害した者に対して賠償を請求できる近親者として、民法は被害者の父母、配偶者及び子のほか、被害者の兄弟姉妹をも定めている。
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正解 ×
誤り。民法711条が損害賠償を請求できる者として定めるのは、被害者の父母、配偶者及び子の限定列挙であり、兄弟姉妹は明文上含まれない。類推適用により近親者の請求を認めた裁判例はあるが、条文上の請求権者はこの3類型に限られる。
学習ポイント:請求権者が列挙の3類型に限られるかを確認し、列挙外の近親者を足していないか注意する。
第711条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士平成26年 問34肢2
他人の不法行為により夫が死亡した場合には、その妻は、相続によって夫本人の慰謝料請求権を行使できるので、妻には固有の慰謝料請求権は認められていない。
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妥当ではない
相続による夫の慰謝料請求権とは別に、妻には711条に基づく固有の慰謝料請求権も認められる。妥当ではない。
行政書士平成26年 問34肢4
他人の不法行為により死亡した被害者の父母、配偶者、子以外の者であっても、被害者との間にそれらの親族と実質的に同視し得る身分関係が存在するため被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた場合には、その者は、加害者に対して直接固有の慰謝料請求をすることができる。
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妥当
被害者の父母・配偶者・子以外でも実質的に同視し得る身分関係にあり甚大な精神的苦痛を受けた者は固有の慰謝料請求ができる(判例・711条の類推)。妥当。
行政書士平成26年 問34肢5
他人の不法行為により子が重い傷害を受けたために、当該子が死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛をその両親が受けた場合でも、被害者本人は生存しており本人に慰謝料請求権が認められるので、両親には固有の慰謝料請求権は認められていない。
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妥当ではない
本人生存でも死亡に比肩しうべき精神的苦痛を受けた近親者には固有の慰謝料請求権が認められる(判例)。妥当ではない。
管業令和元年度 問3肢4
不法行為により被害者が死亡した場合において、当該被害者の父母は、非財産的損害については、加害者に対して、賠償請求をすることができない。
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誤り
誤り。被害者が死亡した場合、その父母は被害者とは別に固有の慰謝料請求権を有する。
解説で第711条を参照している問
問題で確認する
第711条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。