第四編 親族/第四章 親権/第三節 親権の喪失
民法 第834条(親権喪失の審判)
重要度は過去問の出題年度などをもとにした当サイトの評価です。
この条の要点
- 親権喪失審判の請求権者の限定:親権喪失の審判は請求制で請求権者は限定列挙。列挙外の者は状況が切迫していても請求できない。
- 原因消滅見込みと喪失・停止の使い分け:2年以内に原因消滅の見込みがあれば喪失は不可。より軽い期間付きの停止審判への振分けを考える。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第834条(親権喪失の審判)
父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により、その父又は母について、親権喪失の審判をすることができる。ただし、二年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りでない。
この条文の〇×問題(2問)
親権喪失審判の請求権者の限定
父による親権の行使が著しく不適当で子の利益を著しく害している場合、子を日常的に世話してきた近隣住民や学校の教職員も、家庭裁判所に親権喪失の審判を請求することができる。
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正解 ×
誤り。民法834条は親権喪失の審判の請求権者を、子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人および検察官に限定列挙している。近隣住民や教職員など列挙にない者は、子の利益を害する切迫した状況があっても請求権を持たない。
学習ポイント:親権喪失の審判は請求制で請求権者は限定列挙。列挙外の者は状況が切迫していても請求できない。
第834条本文
原因消滅見込みと喪失・停止の使い分け
父または母による親権の行使が著しく困難で子の利益を著しく害する場合でも、2年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは親権喪失の審判はできないが、期間を定めた親権停止の審判ができる余地は残る。
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正解 ○
正しい。民法834条ただし書は、2年以内に原因が消滅する見込みがあるときは親権喪失の審判をできないとする。他方、834条の2は、行使が困難または不適当で子の利益を害する場合に2年を超えない範囲で期間を定める親権停止の審判を認めており、より軽い制裁への振分けが可能である。
学習ポイント:2年以内に原因消滅の見込みがあれば喪失は不可。より軽い期間付きの停止審判への振分けを考える。
第834条ただし書、関連:第834条の2第1項・2項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和2年度 問20オ
BがFと婚姻して、FがCと養子縁組をした場合において、B及びFがCを虐待していると疑われるときは、Aは、家庭裁判所に対し、Aへの親権者の変更を求める調停又は審判の申立てをすることができる。
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誤り
誤り。子が実親の一方と養親の共同親権に服する場合には、出題当時の民法819条6項による親権者の変更はできないとされ、Aがなし得るのは親権喪失の審判の請求である(民法834条、最決平26.4.14)。(2024年の改正(2026年4月施行)で離婚後も父母双方を親権者とすることができるようになり、819条の文言も改められている)
司法書士平成26年度 問21オ
家庭裁判所が親権停止の審判をするには、父又は母による虐待又は悪意の遺棄があるときその他父又は母による親権の行使が著しく困難又は不適当であることにより子の利益を著しく害するときでなければならない。
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誤り
誤り。親権停止の審判の要件は、親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときであり(民法834条の2)、虐待又は悪意の遺棄は親権喪失の事由(同834条)である。
解説で第834条を参照している問
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第834条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。