第二編 株式会社/第二章 株式/第三節 株式の譲渡等/第三款 株式の質入れ
会社法 第146条(株式の質入れ)
この条の要点
- 株券発行会社の株式質入れの効力要件:株券発行会社の質入れは株券交付が効力要件。譲渡と同じ構造で把握する。
- 譲渡制限株式への質権設定の承認要否:質入れは譲渡でないため譲渡制限株式でも会社の承認は不要。承認手続の適用範囲を区別。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第146条(株式の質入れ)
株主は、その有する株式に質権を設定することができる。
②株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。
この条文の〇×問題(2問)
株券発行会社の株式質入れの効力要件
株券発行会社の株式に質権を設定する場合、質権設定者と質権者の合意がありかつ質権者の氏名及び住所を株主名簿に記載すれば、株券の交付がなくても質権は有効に設定される。
正解と解説を見る
正解 ×
誤り。株券発行会社の株式への質権の設定は、当該株式に係る株券を交付しなければ効力を生じない。株券の交付を欠く質入れは当事者間でも質権設定の効力を生じず、名簿記載で補完することはできない。この命題は「株券発行会社の株式質入れの効力要件」の取り違えを誘うひっかけである。
学習ポイント:株券発行会社の質入れは株券交付が効力要件。譲渡と同じ構造で把握する。
第146条2項、関連:第128条1項
譲渡制限株式への質権設定の承認要否
譲渡制限株式の株主は、その株式に質権を設定する場合であっても、株式会社の承認を受けることを要しない。
正解と解説を見る
正解 ○
正しい。株式に質権を設定することは譲渡ではないため、譲渡制限株式であっても譲渡承認の対象にはならず、会社の承認を得ずに質権を設定できる。ただし譲渡制限株式の名簿記載請求の特例は別途定められる。この「譲渡制限株式への質権設定の承認要否」を正確に理解していれば迷わず判断できる。
学習ポイント:質入れは譲渡でないため譲渡制限株式でも会社の承認は不要。承認手続の適用範囲を区別。
第146条1項、関連:第136条・第134条
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和3年 問38肢1
株主が株式に質権を設定する場合には、質権者の氏名または名称および住所を株主名簿に記載または記録しなければ、質権の効力は生じない。
正誤と理由を見る
誤り
株券不発行会社の株式の質入れは当事者の合意で効力が生じ、名簿記載は対抗要件(会社法146条・147条)。誤り。
司法書士令和4年度 問29ア
株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなくても、当事者間の合意によりその効力を生ずる。
正誤と理由を見る
誤り
誤り。株券発行会社の株式の質入れは、株券を交付しなければその効力を生じない(146条2項)。合意のみでは足りない。
解説で第146条を参照している問
問題で確認する
第146条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。