資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第二編 株式会社/第一章 設立/第一節 総則

会社法 第25条

分野:株式会社の設立(発起設立)

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 設立方法の二類型:設立は発起設立と募集設立の二類型。募集設立でも発起人の引受けは前提。
  • 各発起人の引受義務:各発起人は設立時発行株式を一株以上引き受ける義務を負う。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第25条

株式会社は、次に掲げるいずれかの方法により設立することができる。

一 次節から第八節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式をいう。以下同じ。)の全部を引き受ける方法

二 次節、第三節、第三十九条及び第六節から第九節までに規定するところにより、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法

②各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。

条文の要点

発起人の引受義務とは、株式会社の設立に際し、発起人の各人が設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない義務です(25条2項)。

発起設立でも募集設立でも変わらず、一人が全部を引き受けて他の発起人を免除することはできません。一株も引き受けない発起人がいる設立は瑕疵を抱え、会社の成立後も無効の訴えで争われます。

発起人の引受義務の範囲

義務は発起人個人ごとに課され、複数の発起人のうち一人以上が引き受ければよいわけではありません。他の発起人が引き受けた株式の出資財産の価額が定款の定めを満たしていても、引受けを欠く発起人の存在は補正されず、設立の無効原因になります。

項役割内容
1項1号定義発起人だけで設立時発行株式の全部を引き受ける設立方法(発起設立)
1項2号定義発起人の引受けに加えて、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする設立方法(募集設立)
2項要件設立方法を問わず、発起人全員が一株以上の設立時発行株式を引き受けることを要求する

具体例

発起人A・B・Cは、設立時発行株式100株をAが50株、Bが30株、Cが20株と配分して全員で引き受け、外部の引受人を募らない発起設立を選びました。

A・B・C全員が一株以上を引き受けているため引受義務を満たし、そのまま設立手続を進められます。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、Cが一株も引き受けず、100株をAとBの2人だけで引き受けた場合に変えます。

発起人のうち一人でも引受けがなければ設立に瑕疵が残り、会社の成立後に設立の無効の訴えの対象になります。

関連条との違い

  • 会社法 第34条:25条は発起人各人の引受義務で、34条の払込み・給付は引受けた後の履行の段階。引受義務と出資の履行義務は別の義務
  • 会社法 第51条:51条は会社の成立後に発起人が錯誤・詐欺・強迫で引受けを取り消せない制限。引受義務そのものを果たさない場合の瑕疵とは効果が違う
  • 会社法 第828条:設立の無効は会社の成立の日から2年以内に訴えでのみ主張できる。引受義務違反は設立登記を経ても消えない

過去問で誤りとされた肢の型

  • 行政書士平成27年 問37イ

    募集設立なら発起人のうち1名だけが設立時発行株式を引き受ければよいとする誤り。各発起人の引受義務は設立方法によって軽減されない

  • 司法書士平成26年度 問27イ

    一株も引き受けない発起人がいても他の発起人が全部を引き受ければ設立は無効でないとする誤り。引受けは発起人全員の個別の要件

  • 司法書士平成30年度 問27オ

    払込みを怠って株主となる権利を失った発起人がいても、他の発起人の出資財産の価額が定款の定めを満たせば設立は有効とする誤り。義務違反は価額の充足では補正されない

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年8月12日施行版

この条文の〇×問題(2問)

設立方法の二類型

株式会社の設立は、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける方法のほか、発起人自身も設立時発行株式を引き受けた上で、さらに設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法によってもすることができる。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。株式会社の設立方法には、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける方法(発起設立)と、発起人が設立時発行株式を引き受けるほか、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする方法(募集設立)の二類型がある。募集設立では発起人も設立時発行株式を引き受ける。

学習ポイント:設立は発起設立と募集設立の二類型。募集設立でも発起人の引受けは前提。

第25条1項

各発起人の引受義務

発起人のうちの一人が設立時発行株式の全部を引き受ければ、残りの発起人は設立時発行株式を一株も引き受けなくても、発起人として株式会社を設立することができる。

正解と解説を見る

正解 ×

誤り。各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。発起人の一部だけが引き受けて他の発起人が引き受けないことは許されず、発起人全員の引受けが設立の要件である。募集設立でもこの全員引受義務は同様に課される。

学習ポイント:各発起人は設立時発行株式を一株以上引き受ける義務を負う。

第25条2項

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和2年 問37ア

発起設立または募集設立のいずれの場合であっても、各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。

正誤と理由を見る

発起設立・募集設立とも各発起人は設立時発行株式を1株以上引受けなければならない(会社法25条2項)。正しい。

行政書士平成27年 問37イ

複数の発起人がいる場合において、発起設立の各発起人は、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならないが、募集設立の発起人は、そのうち少なくとも1名が設立時発行株式を1株以上引き受ければよい。

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妥当ではない

各発起人は発起設立・募集設立を問わず設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない(25条2項)。妥当ではない。

司法書士令和6年度 問27ア

発起設立の場合も、募集設立の場合も、各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。発起設立・募集設立のいずれでも、各発起人は設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない(25条2項)。

司法書士平成30年度 問27オ

発起設立の場合において、設立時発行株式1株のみを引き受けた発起人が、出資の履行をせず、設立時発行株式の株主となる権利を失ったときであっても、他の発起人が引き受けた設立時発行株式につき出資した財産の価額が定款に記載された設立に際して出資される財産の価額又はその最低額を満たしているときは、株式会社の設立の無効事由とはならない。

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誤り

誤り。各発起人は設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず(会社法25条2項)、これを欠けば設立無効事由となる。出資財産の価額の充足は関係しない。

司法書士平成26年度 問27イ

複数の発起人のうち、設立時発行株式を1株も引き受けない発起人がいる場合であっても、他の発起人が全ての設立時発行株式を引き受けるときは、設立の無効原因とはならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。各発起人は設立に際し設立時発行株式を1株以上引き受けなければならず(会社法25条2項)、1株も引き受けない発起人がいる場合は設立の無効原因となる。

問題で確認する

第25条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。