第二編 株式会社/第四章 機関/第二節 株主総会以外の機関の設置
会社法 第328条(大会社における監査役会等の設置義務)
この条の要点
- 非公開の大会社の監査機関:非公開大会社の必置は会計監査人と監査役。監査役会必置は公開大会社のみ。
- 会計監査人の設置義務の範囲:会計監査人は公開/非公開を問わず大会社・監査等委員会設置・指名委員会等設置で必置。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第328条(大会社における監査役会等の設置義務)
大会社(公開会社でないもの、監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
②公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。
条文の要点
大会社の機関設置義務とは、最終事業年度の貸借対照表で資本金5億円以上又は負債200億円以上の株式会社に監査役会・会計監査人の設置を強制する規定です(328条)。
公開会社である大会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)は監査役会と会計監査人を必置し、非公開の大会社は会計監査人を必置します。非公開の大会社(両委員会会社を除く)は監査役会の設置義務がなく、監査役で足ります。
大会社の機関設置義務の公開性による違い
監査役会が必置なのは公開大会社(両委員会会社を除く)だけです。非公開大会社は会計監査人を必置し、両委員会会社でなければ327条3項で監査役も置く必要があります。両委員会会社は327条5項でも会計監査人が必置で、監査役を置けません。
| 項 | 役割 | 内容 |
|---|---|---|
| 1項 | 要件 | 大会社(非公開・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)は監査役会と会計監査人を置かなければならない |
| 2項 | 要件 | 公開会社でない大会社は会計監査人を置かなければならない |
具体例
株式会社A社は公開会社で、最終事業年度の貸借対照表の資本金が6億円の大会社です。株主B・CがA社の株式を保有しています。A社は監査等委員会設置会社でも指名委員会等設置会社でもありません。
A社は公開会社である大会社なので、監査役会と会計監査人の双方を置かなければなりません(1項)。
反例(結論が変わる)
同じ設定で、A社が公開会社でない株式会社(非公開会社)である場合に変えます。
非公開の大会社は会計監査人を必置しますが(2項)、監査役会の設置義務はなく、監査役で足ります。
関連条との違い
過去問で誤りとされた肢の型
- 司法書士令和4年度 問65ア
公開会社かつ大会社でない会社が会計監査人設置の登記をする場合監査役会設置の登記も併せ申請しなければならないとする誤り。監査役会必置は公開大会社のみで、大会社でなければ不要
- 司法書士平成28年度 問30エ
公開会社かつ大会社の会計参与設置会社は監査役会を置かなければならないとする誤り。公開大会社は監査役会又は委員会を置く必要があり、監査役会必置ではない
- 司法書士平成27年度 問30ア
監査役を置く非公開の大会社でも監査役の監査範囲を会計に限定する定款を定められるとする誤り。大会社は会計監査人設置会社なので限定できない
ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。
法令版: 2026年8月12日施行版
この条文の〇×問題(2問)
非公開の大会社の監査機関
非公開の大会社のうち監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社を除いた会社には、監査役だけでは足りず、監査役会と会計監査人の双方の設置が義務付けられている。
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正解 ×
誤り。公開会社でない大会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)に必置とされるのは会計監査人であり(328条2項)、会計監査人設置会社として監査役を置く必要がある(327条3項)。監査役会の設置義務があるのは公開会社である大会社(328条1項)であり、非公開の大会社は監査役会を置かなくてもよい。
学習ポイント:非公開大会社の必置は会計監査人と監査役。監査役会必置は公開大会社のみ。
第328条2項、関連:第328条1項・第327条3項
会計監査人の設置義務の範囲
公開会社でない株式会社は、大会社であっても、監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社でない限り会計監査人を置く義務はなく、設置は任意である。
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正解 ×
誤り。公開会社でない大会社は会計監査人を置かなければならない。非公開でも大会社であれば外部専門家による会計監査が強制され、監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社も同様に必置であり、非公開の中小会社にのみ義務はない。
学習ポイント:会計監査人は公開/非公開を問わず大会社・監査等委員会設置・指名委員会等設置で必置。
第328条2項、関連:第327条5項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
行政書士令和4年 問40イ
公開会社ではない大会社は、会計監査人に代えて、会計参与を置くことができる。
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大会社には会計監査人の設置が義務(会社法328条)で、会計参与で代えることはできない。誤り。
行政書士令和2年 問40肢4
会計監査人を選任しなければならない。
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正しい
大会社は会計監査人を置かなければならない(会社法328条)。正しい。
司法書士令和4年度 問65ア
取締役会及び監査役を置く旨の定款の定めがある会社法上の公開会社であって大会社ではない会社が、新たに会計監査人設置会社の定めの設定による変更の登記をする場合には、併せて監査役会設置会社の定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。
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誤り
誤り。監査役会の設置が義務付けられるのは公開会社である大会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)であり(328条1項)、大会社でなければ監査役会設置の定めの登記は不要。
司法書士平成28年度 問30エ
会社法上の公開会社であり、かつ、大会社である会計参与設置会社は、監査役会を置かなければならない。
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誤り
誤り。公開会社かつ大会社は監査役会又は委員会を置く必要があり(会社法328条1項)、監査等委員会・指名委員会等設置会社は監査役会を置けない。監査役会必置ではない。
司法書士平成27年度 問30ア
監査役を置く株式会社は、大会社である場合でも、会社法上の公開会社でないときは、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。
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誤り
誤り。大会社は会計監査人設置会社であるため(会社法328条2項)、公開会社でなくても監査役の監査範囲を会計に限定する定款の定めはできない(同389条1項)。
問題で確認する
第328条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。