第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付/第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付の手続/第二節 吸収合併等の手続/第一款 吸収合併消滅会社、吸収分割会社及び株式交換完全子会社の手続/第一目 株式会社の手続
会社法 第784条(吸収合併契約等の承認を要しない場合)
この条の要点
- 略式合併等:9割特別支配会社なら消滅側の総会承認は省略可。略式と簡易を区別。
- 略式時の買取請求:略式でも買取請求は可能。総会を経ない場合は全株主(支配会社除く)が対象。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第784条(吸収合併契約等の承認を要しない場合)
前条第一項の規定は、吸収合併存続会社、吸収分割承継会社又は株式交換完全親会社(以下この目において「存続会社等」という。)が消滅株式会社等の特別支配会社である場合には、適用しない。ただし、吸収合併又は株式交換における合併対価等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合であって、消滅株式会社等が公開会社であり、かつ、種類株式発行会社でないときは、この限りでない。
②前条の規定は、吸収分割により吸収分割承継会社に承継させる資産の帳簿価額の合計額が吸収分割株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を吸収分割株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合には、適用しない。
この条文の〇×問題(2問)
略式合併等
吸収合併存続会社等が消滅株式会社等の総株主の議決権の9割以上を有する特別支配会社である場合には、原則として消滅株式会社等の株主総会による承認決議を要しない。
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正解 ○
正しい。存続会社等が消滅株式会社等の総株主の議決権の9割以上を有する特別支配会社である場合は、消滅会社側の株主総会承認は原則不要となる(略式合併等)。ただし対価が譲渡制限株式等で消滅会社が公開会社かつ非種類株式発行会社の場合は例外として承認が必要。
学習ポイント:9割特別支配会社なら消滅側の総会承認は省略可。略式と簡易を区別。
第784条1項・第468条1項
略式時の買取請求
特別支配会社に対する略式の吸収合併等で株主総会の決議を経ない場合、消滅株式会社等の株主は株式買取請求をすることができない。
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正解 ×
誤り。特別支配会社による略式で株主総会決議を経ない場合でも、反対株主に該当するのは当該特別支配会社を除く全ての株主であり、株式買取請求が認められる。承認決議を経ないことは買取請求を失わせる理由にならない。
学習ポイント:略式でも買取請求は可能。総会を経ない場合は全株主(支配会社除く)が対象。
第784条・第785条2項2号
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成26年度 問34ウ
譲渡会社は、事業譲渡契約の相手方が譲渡会社の特別支配会社である場合には、株主総会の決議によって当該事業譲渡契約の承認を受ける必要はなく、吸収分割会社も、吸収分割契約の相手方が吸収分割会社の特別支配会社である場合には、株主総会の決議によって当該吸収分割契約の承認を受ける必要はない。
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正しい
正しい。譲渡会社の事業譲渡の相手方がその特別支配会社である場合は株主総会の承認決議を要せず(会社法468条1項・467条1項2号)、吸収分割でも相手方が特別支配会社の場合は不要である(会社法784条1項)。
司法書士平成26年度 問70ア
A社に承継させる資産の帳簿価額の合計額がB社の総資産額として法務省令により定まる額の5分の1を超えず、かつ、B社において株主総会の承認決議を経ずに吸収分割の手続を行った場合において、B社の株主から吸収分割に反対する旨の通知があったときは、A社の吸収分割による変更の登記の申請書に、反対する旨を通知したB社の株主が有する株式の数を証する書面を添付しなければならない。
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誤り
誤り。B社が株主総会の承認決議を経ずに吸収分割を行った簡易分割の場合、反対株主に株式買取請求権は認められず(会社法784条2項・785条1項2号)、反対株主の有する株式数を証する書面の添付を要しない。
解説で第784条を参照している問
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第784条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。