資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第六章 司法

日本国憲法 第82条

分野:司法

出題試験:行政書士司法書士

この条の要点

  • 判決の公開:非公開は対審のみで全員一致決定が要件。判決は常に公開される。
  • 非公開決定の要件:対審の非公開は全員一致の決定が要件。政治犯罪等の対審は常に公開。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第82条

裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。

②裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。

条文の要点

裁判の公開とは、刑事事件を含む裁判の対審及び判決を公開の法廷で行うべきとする原則です(82条1項)。

裁判を国民の監視にさらして公正を担保する制度です。例外的に対審を非公開とできるのは裁判官の全員一致の決定があるときだけで、政治犯罪等の事件は常に公開が要請されます。

裁判の公開の例外の範囲

非公開にできるのは対審だけで、判決の公開に例外はありません。非公開の決定には裁判官の全員一致が要り、過半数では足りません。政治犯罪・出版に関する犯罪・憲法3章の権利が問題となる事件は但書により常に公開です。

項役割内容
1項効果対審と判決の双方を公開の法廷で行う
2項本文例外裁判官の全員一致で公の秩序・善良の風俗を害する虞ありと決した場合は対審を非公開にできる
2項但書例外政治犯罪・出版犯罪・3章の権利が問題の事件は常に公開する

具体例

AとBの訴訟で、82条2項但書の事件には当たらず、裁判官全員が公の秩序を害するおそれを認め、全員一致で対審を非公開とする決定をしました。

但書の事件でなく全員一致の決定もあるため、対審を非公開にできます。判決は公開法廷で行います。

反例(結論が変わる)

同じ事件で、非公開の決定に賛成した裁判官の割合だけを過半数に変えます。

全員一致という要件が満たされないため、対審を非公開にはできません。

関連条との違い

  • 憲法 第37条:37条は刑事被告人が公平な裁判所の公開裁判を受ける権利としての保障。82条は対審・判決の公開を国に義務付ける制度的一般原則
  • 憲法 第21条:21条は報道の自由を保障し、取材の自由はその精神に照らして尊重される。82条は法廷公開の原則で、非公開の要件を定める

過去問で誤りとされた肢の型

  • 司法書士平成28年度 問3オ

    対審の非公開を裁判官の過半数で決められるという誤り。全員一致の決定が要件

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 1947年5月3日施行版

この条文の〇×問題(2問)

判決の公開

裁判官の全員一致により公の秩序を害する虞があると決定した場合、裁判の対審だけでなく判決も公開しないことができる。

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正解 ×

誤り。裁判の対審及び判決は公開法廷で行われるが、裁判所が裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決定した場合には対審は公開しないことができる。判決の公開はいかなる場合にも維持されるべきで、但書は対審のみを例外とする。

学習ポイント:非公開は対審のみで全員一致決定が要件。判決は常に公開される。

第82条1項・2項

非公開決定の要件

公の秩序や善良の風俗を害すると裁判官全員が一致して決定したときだけ、対審を非公開とすることができる。

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正解 ○

正しい。裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決定した場合には、対審は公開しないでこれを行うことができる(82条2項本文)。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪又は第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常に公開しなければならない(同項ただし書)。

学習ポイント:対審の非公開は全員一致の決定が要件。政治犯罪等の対審は常に公開。

第82条2項本文・ただし書

この条文を解説で参照する過去問

行政書士令和5年 問4肢5

憲法は、裁判は公開の法廷における対審および判決によってなされると定めているが、訴訟の非訟化の趨勢(すうせい)をふまえれば、純然たる訴訟事件であっても公開の法廷における対審および判決によらない柔軟な処理が許されるとするのが判例である。

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妥当でない

憲法82条の公開対審・判決の原則は純然たる訴訟事件にも及び、柔軟な処理を許す判例はない。

行政書士令和4年 問7肢1

裁判は、公開法廷における対審および判決によらなければならないので、カメラ取材を裁判所の許可の下に置き、開廷中のカメラ取材を制限することは、原則として許されない。

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妥当でない

開廷中のカメラ取材の制限は法廷の秩序維持等のため許容される(裁判所の許可制は合憲・判例)。

行政書士令和4年 問7肢3

証人尋問の際に、傍聴人と証人との間で遮へい措置が採られても、審理が公開されていることに変わりはないから、裁判の公開に関する憲法の規定には違反しない。

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妥当である

証人と傍聴人の遮へい措置があっても審理の公開性は失われず憲法82条に違反しない(判例)。妥当。

行政書士平成25年 問7肢2

憲法82条1項は、裁判の対審及び判決が公開の法廷で行われるべきことを定めているが、その趣旨は、裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすることにある。

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憲法82条1項の公開の法廷の趣旨は、裁判を一般に公開して公正な裁判を制度的に保障し、国民の信頼を確保することにあると判示された。正しい。

司法書士令和6年度 問3オ

裁判所は、政治犯罪、出版に関する犯罪又は憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件を除き、裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、対審を公開しないで行うことができる。

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正しい

正しい。裁判所は政治犯罪・出版に関する犯罪・憲法3章の権利が問題となる事件を除き、裁判官全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害するおそれありと決した場合に対審を非公開とできる(82条2項)。

司法書士平成28年度 問3オ

裁判所は、政治犯罪、出版に関する犯罪又は憲法第3章で保障する国民の権利が問題となっている事件を除いて、裁判官の過半数をもって、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、非公開で対審を行うことができる。

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誤り

誤り。裁判の対審の非公開は裁判所が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると決した場合に限られるが、政治犯罪・出版犯罪・憲法3章保障の権利が問題の事件では非公開にできない(憲法82条2項)。

問題で確認する

第82条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。