第三章 登記手続/第五節 株式会社の登記
商業登記法 第73条(清算人の登記)
この条の要点
- 法定清算人の就任承諾書面の要否:就任承諾書面が要るのは定款選定・総会決議による清算人。取締役の当然就任・裁判所選任には承諾書は付かない。
- 裁判所選任清算人の添付書面:裁判所選任の清算人は選任と代表清算人の氏名・住所を証する書面を添付。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第73条(清算人の登記)
清算人の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。
②会社法第四百七十八条第一項第二号又は第三号に掲げる者が清算人となつた場合の清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付しなければならない。
③裁判所が選任した者が清算人となつた場合の清算人の登記の申請書には、その選任及び会社法第九百二十八条第一項第二号に掲げる事項を証する書面を添付しなければならない。
この条文の〇×問題(2問)
法定清算人の就任承諾書面の要否
株式会社において取締役が法律の規定により当然に清算人となった場合、その清算人の登記の申請書には、就任を承諾したことを証する書面を添付する必要はない。
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正解 ○
正しい。清算人の登記の申請書には定款の添付が必要だが、就任の承諾を証する書面の添付が義務付けられるのは、定款の定め又は株主総会の決議により清算人となった者である。取締役は法律上当然に清算人となる法定清算人で、就任に承諾の概念がないため、承諾を証する書面は要しない。
学習ポイント:就任承諾書面が要るのは定款選定・総会決議による清算人。取締役の当然就任・裁判所選任には承諾書は付かない。
第73条1項・2項、関連:会社法478条1項
裁判所選任清算人の添付書面
裁判所の選任によって株式会社の清算人に就任した者について、その登記を申請する際は、就任を承諾したことを示す資料を申請書に添えて提出する必要がある。
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正解 ×
誤り。裁判所が選任した者が清算人となった場合の登記の申請書には、その選任及び代表清算人の氏名・住所(会社法928条1項2号)を証する書面を添付する(73条3項)。就任の承諾を証する書面の添付が求められるのは、定款の定め又は株主総会の決議により清算人となった者の場合である(同条2項)。
学習ポイント:裁判所選任の清算人は選任と代表清算人の氏名・住所を証する書面を添付。
第73条3項、関連:会社法928条1項2号
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士平成31年度 問68ア
最初の清算人を裁判所が選任した場合の当該選任による清算人の登記の申請書には、当該清算人に係る選任決定書のほか、定款も添付しなければならない。
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正しい
正しい。清算人の登記の申請書には定款の添付を要する(商業登記法73条1項)。裁判所が最初の清算人を選任した場合も選任決定書のほか定款を添付しなければならない。
司法書士平成25年度 問69ア
会社の定款の定め以外の方法によって清算人が就任した場合において、清算人の登記の申請書に定款を添付することを要しないときがある。
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該当する(合同会社のみ)。株式会社の最初の清算人の登記では必ず定款を添付するが(商登法73条1項)、合同会社では清算人が定款で定められた場合又は法定清算人の場合に限り添付する(商登法118条・99条1項)。
司法書士平成25年度 問69ウ
清算人が1名である場合にする清算人の登記の申請書には、当該清算人と解散時の代表取締役又は代表社員とが同一人であるときを除き、清算人の就任承諾書に押印された印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。
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いずれにも該当しない
いずれにも該当しない。株式会社・合同会社のいずれの最初の清算人の登記でも、就任承諾書に押印された印鑑の市区町村長の証明書は添付書面とならない(商登法73条・99条・118条)。
解説で第73条を参照している問
問題で確認する
第73条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。