資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第六章 監督

宅地建物取引業法 第68条の2(登録の消除)

分野:監督

出題試験:宅建

この条の要点

  • 不正登録と消除:不正手段による宅建士登録は必要的消除事由。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第68条の2(登録の消除)

都道府県知事は、その登録を受けている宅地建物取引士が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該登録を消除しなければならない。

一 第十八条第一項第一号から第八号まで又は第十二号のいずれかに該当するに至つたとき。

二 不正の手段により第十八条第一項の登録を受けたとき。

三 不正の手段により宅地建物取引士証の交付を受けたとき。

四 前条第一項各号のいずれかに該当し情状が特に重いとき又は同条第二項若しくは第四項の規定による事務の禁止の処分に違反したとき。

②第十八条第一項の登録を受けている者で宅地建物取引士証の交付を受けていないものが次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該登録をしている都道府県知事は、当該登録を消除しなければならない。

一 第十八条第一項第一号から第八号まで又は第十二号のいずれかに該当するに至つたとき。

二 不正の手段により第十八条第一項の登録を受けたとき。

三 宅地建物取引士としてすべき事務を行い、情状が特に重いとき。

条文の要点

登録の消除とは、登録や証の不正取得・欠格等の法定事由がある者の資格登録を、登録知事が抹消する処分です(68条の2第1項)。

1項は宅建士証の交付を受けた者、2項は未交付の登録者を対象とし、いずれも「消除しなければならない」義務的処分です。ただし2項3号の事務を行った場合は情状が特に重いときに限られます。

登録の消除の事由と対象

証交付済みの宅建士には1項、未交付の登録者には2項が適用されます。68条の違反行為を理由とする1項4号前段と2項3号は重い情状が条件ですが、不正取得や1項4号後段の事務禁止違反にはその限定がありません。

項役割内容
1項1号要件18条1項1号から8号まで又は12号の欠格事由に該当するに至ったときは消除する
1項2号・3号要件不正の手段により登録または証の交付を受けたときも消除事由で、情状の軽重を問わない
1項4号要件68条1項各号に該当し情状が特に重いとき、または事務禁止処分に違反したときは消除する
2項3号例外証の交付を受けていない登録者が事務を行った場合は、情状が特に重いときに限り消除対象となる

具体例

宅建士Aは不正の手段で宅建士の登録を受け、宅建士証の交付も受けていた。このことが発覚して登録知事Bに判明した。

Aを登録した知事Bは、情状のいかんを問わずAの登録を消除しなければならない。

反例(結論が変わる)

同じ証交付済みのAについて、登録は不正によらず適法に受けており、ほかの消除事由もない場合に変えます。

登録の不正取得という事由がないので、1項2号による消除はできません。証未交付者の事務行為に重い情状を求める2項3号とは区別します。

関連条との違い

  • 宅建業法 第66条:66条は業者の免許取消し、68条の2は宅建士個人の登録消除。免許取消しは役員・政令使用人の事由も業者に及ぶが、登録消除は本人の事由に限られる
  • 宅建業法 第68条:68条は指示や一定期間の事務禁止を定める。68条の2は登録自体を抹消する終局的な処分

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和5年 問41肢3

    不正手段による証の交付の場合の消除に情状が特に重いという限定をつける誤り。不正手段には情状の限定がない

  • 宅建令和3年10月 問28肢2

    証未交付のまま事務を行った場合、情状を問わず消除しなければならないとする誤り。情状が特に重いときに限られる

  • 宅建平成30年 問32肢2

    不正手段による登録の場合に試験合格の取消しをする誤り。登録の消除が法定された処分

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(1問)

不正登録と消除

宅建士Aが不正の手段で登録を受けたことが判明した場合、Aを登録した都道府県知事は宅建士証を回収するだけでなく、Aの登録を消除しなければならない。

正解と解説を見る

正解 ○

正しい。第68条の2第1項第2号は、不正の手段で宅建士登録を受けた者について、登録知事がその登録を消除しなければならないと規定する。宅建士証の交付を受けたかどうかによって、不正登録が許容されるわけではない。同条第2項も証の交付を受けていない登録者について不正登録による消除を規定する。

学習ポイント:不正手段による宅建士登録は必要的消除事由。

第68条の2第1項第2号・第2項第2号

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和5年 問41肢3

宅地建物取引士が不正の手段により宅地建物取引士証の交付を受けた場合においては、その登録をしている都道府県知事は、情状が特に重いときは、当該宅地建物取引士の登録を消除することができる。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。不正手段による証の交付の場合の登録消除は『情状が特に重い』という限定はなく、登録を消除する規定。

宅建令和3年10月 問28肢2

甲県知事の登録を受けているが宅地建物取引士証の交付を受けていないBが、宅地建物取引士としてすべき事務を行った場合、情状のいかんを問わず、甲県知事はBの登録を消除しなければならない。

正誤と理由を見る

誤り

誤り。取引士証未交付のまま事務を行った場合の登録消除は『情状が特に重い』場合に限られ、直ちに必ず消除ではない。

宅建令和2年12月 問26肢2

宅地建物取引士は、自ら役員を務める宅地建物取引業者が宅地建物取引業に関し不正な行為をし、情状が特に重いことにより免許を取り消された場合、宅地建物取引士の登録を消除されることとなる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。情状特に重い不正行為で免許取消となった業者の役員である取引士は登録消除される(法68条の2)。

宅建平成30年 問32肢2

宅地建物取引士が不正の手段により宅地建物取引士の登録を受けた場合、その登録をした都道府県知事は、宅地建物取引士資格試験の合格の決定を取り消さなければならない。

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誤り

誤り。不正手段による登録の場合は登録の消除であって、試験合格の取消しではない。

宅建平成25年 問42肢1

Aは、乙県内の業務に関し、他人に自己の名義の使用を許し、当該他人がその名義を使用して取引士である旨の表示をした場合、乙県知事から必要な指示を受けることはあるが、取引士として行う事務の禁止の処分を受けることはない。

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誤り

誤り。名義貸しをした場合、行為地の乙県知事から事務禁止処分を受けることがある(法68条の2)。

宅建平成24年 問36肢4

宅地建物取引業者E社(甲県知事免許)の専任の宅建士であるF(乙県知事登録)は、E社が媒介した丙県に所在する建物の売買に関する取引において取引士として行う事務に関し著しく不当な行為をした場合、丙県知事による事務禁止処分の対象となる。

正誤と理由を見る

正しい

正しい。宅建士の事務禁止処分は、当該事務が行われた地の都道府県知事がその区域内における事務を禁止できる。丙県での行為は丙県知事の処分対象(法68条の2)。

問題で確認する

第68条の2の内容は1問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。