資格ジュピター条文穴埋め・判例演習

第六章 監督

宅地建物取引業法 第66条(免許の取消し)

分野:監督

出題試験:宅建

この条の要点

  • 不正取得と必要的取消し:不正手段による免許取得は必要的取消し事由。
  • 長期未開始・休止:免許後一年以内に未開始、または一年以上継続休止は取消し事由。
  • 業務停止命令違反:業務停止命令に違反した業者の免許は、必要的取消しの対象。
  • 免許条件違反:免許条件違反は裁量的取消しで、必要的取消しと区別する。

条文原文

色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。

第66条(免許の取消し)

国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該免許を取り消さなければならない。

一 第五条第一項第一号、第五号から第七号まで、第十号又は第十四号のいずれかに該当するに至つたとき。

二 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が第五条第一項第一号から第七号まで又は第十号のいずれかに該当するに至つたとき。

三 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第七号まで又は第十号のいずれかに該当する者があるに至つたとき。

四 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第七号まで又は第十号のいずれかに該当する者があるに至つたとき。

五 第七条第一項各号のいずれかに該当する場合において第三条第一項の免許を受けていないことが判明したとき。

六 免許を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続いて一年以上事業を休止したとき。

七 第十一条第一項の規定による届出がなくて同項第三号から第五号までのいずれかに該当する事実が判明したとき。

八 不正の手段により第三条第一項の免許を受けたとき。

九 前条第二項各号のいずれかに該当し情状が特に重いとき又は同条第二項若しくは第四項の規定による業務の停止の処分に違反したとき。

②国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が第三条の二第一項の規定により付された条件に違反したときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。

条文の要点

免許の取消しとは、法定事由に該当した宅建業者から免許権者が免許を剥奪する監督処分です(66条1項)。

1項の事由に該当すれば免許権者は必ず取り消さなければならず、欠格事由は本人だけでなく法定代理人・役員・政令使用人のものも業者の免許を失わせます。2項の免許条件への違反は取り消すかどうか裁量の余地があります。

免許の取消しの再免許制限

取消しを理由とする5年間の欠格は、5条1項2号が挙げる66条1項8号・9号による取消しに限られます。未開始・休止による取消しにはその5年制限がありません。破産や刑罰等による欠格の存続は、それぞれの事由の規定で別に判定します。

項役割内容
1項要件本人・法定代理人・役員・政令使用人の誰かに5条1項の一部の号の欠格事由が生じた場合
1項要件免許後1年以内に事業を始めない、または1年以上継続して休止した場合
1項要件不正手段による取得、65条2項各号への該当で情状が特に重い、業務停止処分への違反の場合
1項効果いずれの事由も義務的で、該当すれば免許権者は必ず取り消す
2項例外免許に付された条件への違反は「取り消すことができる」裁量的取消し

具体例

宅建業者A社は免許を受けたが、資金繰りの目途が立たず、免許から2年経っても一度も宅建業を始めていなかった。免許権者の知事Bはこの事実を把握した。

免許後1年以内に事業を開始していないので、知事はA社の免許を取り消さなければならない。

反例(結論が変わる)

同じ設定で、A社が免許に付された条件に違反しただけで、1項各号の事由には当たらない場合に変えます。

2項の裁量的取消しの対象にはなり得ますが、義務的取消しではなく、免許権者には維持する選択肢も残ります。

関連条との違い

  • 宅建業法 第65条:65条の指示・業務停止は裁量的で、停止期間は1年以内です。66条1項は免許そのものを必ず取り消す処分で、停止違反も対象となります。
  • 宅建業法 第67条:67条は所在不明という手続的事由による裁量的取消し。66条1項は違反・欠格という実体事由による義務的取消し
  • 宅建業法 第68条の2:68条の2は宅建士個人の登録消除、66条は業者の免許取消し。業者の役員・政令使用人の事由が業者全体の免許を失わせる

過去問で誤りとされた肢の型

  • 宅建令和5年 問29肢1

    支店代表者の懲役刑でも免許は取り消されないとする誤り。事務所代表者である政令使用人の欠格事由は業者の免許に及ぶ

  • 宅建令和5年 問29肢4

    非常勤なら取締役の有罪でも免許に影響しないとする誤り。役員の欠格事由は勤務形態を問わない

  • 宅建令和2年12月 問31肢1

    事業未開始による取消し後も5年は免許を受けられないという誤り。取消しを理由とする5年制限は66条1項8号・9号の取消しに限られます。

ほかの誤り肢は「この条文を解説で参照する過去問」で確認できます。

法令版: 2026年4月1日施行版

この条文の〇×問題(4問)

不正取得と必要的取消し

宅建業者Aが虚偽の資料を用いるなど不正の手段で免許を受けたことが判明した場合、免許権者は事情を考慮して業務停止にとどめ、免許を維持し続けることができる。

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正解 ×

誤り。第66条第1項第8号は、不正の手段により第3条第1項の免許を受けた場合を必要的な免許取消し事由とする。免許権者は要件に該当する業者の免許を取り消さなければならない。業務停止の対象にもなり得るという一般論で、法が明示する必要的取消しを任意に停止処分へ置き換えることはできない。

学習ポイント:不正手段による免許取得は必要的取消し事由。

第66条第1項第8号

長期未開始・休止

宅建業者Bが免許を受けてから一年以内に宅建業を開始せず、又は開始後に引き続き一年以上事業を休止した場合、免許権者による免許取消しの対象となる。

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正解 ○

正しい。第66条第1項第6号は、免許後一年以内に事業を開始しないこと、または引き続き一年以上事業を休止したことを必要的取消し事由として定める。業務の実態がない免許を無期限に維持する制度ではない。停止が継続している場合は、単発の営業日を挟んでいないかなど、法定の継続期間を正確に判断する。

学習ポイント:免許後一年以内に未開始、または一年以上継続休止は取消し事由。

第66条第1項第6号

業務停止命令違反

宅建業者Cが適法な業務停止命令を受けた後、その停止期間中にも宅建業務を続けたときは、情状の重さとは別に免許の必要的取消しの対象になる。

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正解 ○

正しい。第66条第1項第9号は、第65条第2項または第4項による業務停止処分に違反した場合を必要的免許取消し事由とする。同号には業務停止に該当する行為の情状が特に重い場合も含まれるが、既に出された停止命令への違反は別の要件である。指示だけで済むと一般化してはならない。

学習ポイント:業務停止命令に違反した業者の免許は、必要的取消しの対象。

第66条第1項第9号、第65条第2項・第4項

免許条件違反

宅建業者Dが免許に付された条件に違反した場合、第66条による免許取消しは必要的であり、免許権者には取消しをしない選択の余地がない。

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正解 ×

誤り。免許条件違反についての第66条第2項は、免許権者が免許を取り消すことができると定める裁量的取消しである。これに対し同条第1項各号の必要的取消し事由では、免許権者は取り消さなければならない。条件違反を第1項の不正取得や長期休止などと同じ処分形式で扱うと誤る。

学習ポイント:免許条件違反は裁量的取消しで、必要的取消しと区別する。

第66条第2項・第1項

この条文を解説で参照する過去問

宅建令和7年 問41肢1

宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が免許を受けてから1年以内に事業を開始しないときは、甲県知事は免許を取り消さなければならない。

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正しい

正しい。免許後1年以内に事業を開始しない場合(又は1年以上休止)は免許を取り消さなければならない。

宅建令和6年 問31肢1

国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が法第65条第1項の規定による指示に従わない場合、その業務の全部又は一部の停止を命ずることができ、業務の停止の処分に違反した場合、免許を取り消さなければならない。

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正しい

正しい。指示に従わない場合は業務停止を命じられ、停止処分に違反した場合は免許を取り消さなければならない(義務的取消し)。

宅建令和6年 問38肢2

宅地建物取引業者Bが宅地建物取引業者Cに自己の名義をもって宅地建物取引業を営ませる行為は、Bが名義の使用を書面で指示している場合であれば、宅地建物取引業法に違反しない。

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誤り

誤り。名義貸しは書面指示の有無にかかわらず違反(免許取消事由)。

宅建令和5年 問29肢1

宅地建物取引業者A社の使用人であって、A社の宅地建物取引業を行う支店の代表者であるものが、道路交通法の規定に違反したことにより懲役の刑に処せられたとしても、A社の免許は取り消されることはない。

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誤り

誤り。支店代表者(政令使用人)の懲役の刑は欠格事由となり免許取消対象。

宅建令和5年 問29肢2

宅地建物取引業者B社の取締役が、所得税法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられたとしても、B社の免許は取り消されることはない。

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正しい

正しい。所得税法違反による罰金刑は欠格事由に該当せず免許は取り消されない。

宅建令和5年 問29肢3

宅地建物取引業者である個人Cが、宅地建物取引業法の規定に違反したことにより罰金の刑に処せられたとしても、Cの免許は取り消されることはない。

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誤り

誤り。宅建業法違反による罰金の刑は欠格事由となり免許取消対象。

宅建令和5年 問29肢4

宅地建物取引業者D社の非常勤の取締役が、刑法第222条(脅迫)の罪を犯したことにより罰金の刑に処せられたとしても、D社の免許は取り消されることはない。

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誤り

誤り。非常勤でも取締役(役員)が脅迫罪で罰金の刑に処せられれば欠格事由となり免許取消対象。

宅建令和3年12月 問28ア

Aが、不正の手段により甲県知事から免許を受けたとき、甲県知事はAに対して当該免許を取り消さなければならない。

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正しい

正しい。不正手段による免許取得は免許取消の必須事由(法66条)。

宅建令和3年12月 問36肢4

宅地建物取引業者E(丁県知事免許)が引き続いて1年以上事業を休止したときは、丁県知事は免許を取り消さなければならない。

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正しい

正しい。引き続いて1年以上事業を休止したときは免許を取り消さなければならない(法66条)。

宅建令和2年12月 問31肢1

宅地建物取引業者が、免許を受けてから1年以内に事業を開始せず免許が取り消され、その後5年を経過していない場合は、免許を受けることができない。

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誤り

誤り。1年以内に事業を開始しないことによる免許取消は『不正の手段による免許』や『欠格事由該当』ではなく、取消後の5年制限の対象にならない(法5条の5年制限は不正取得・欠格事由の取消の場合)。

ほか2肢は、各過去問のページで確認できます。

問題で確認する

第66条の内容は4問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。