第二章 強制執行/第三節 金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
民事執行法 第168条の2(明渡しの催告)
分野:強制執行/金銭の支払を目的としない請求権についての強制執行
この条の要点
- 明渡催告の機能:明渡催告は執行官が明渡執行の申立てを受けてする。裁判所の職権ではない。
- 引渡期限の長さ:引渡し期限は原則として催告日から1月を経過する日。許可を得ればそれ以後の日も可。
条文原文
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第168条の2(明渡しの催告)
執行官は、不動産等の引渡し又は明渡しの強制執行の申立てがあつた場合において、当該強制執行を開始することができるときは、次項に規定する引渡し期限を定めて、明渡しの催告(不動産等の引渡し又は明渡しの催告をいう。以下この条において同じ。)をすることができる。ただし、債務者が当該不動産等を占有していないときは、この限りでない。
②引渡し期限(明渡しの催告に基づき第六項の規定による強制執行をすることができる期限をいう。以下この条において同じ。)は、明渡しの催告があつた日から一月を経過する日とする。ただし、執行官は、執行裁判所の許可を得て、当該日以後の日を引渡し期限とすることができる。
③執行官は、明渡しの催告をしたときは、その旨、引渡し期限及び第五項の規定により債務者が不動産等の占有を移転することを禁止されている旨を、当該不動産等の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により、公示しなければならない。
④執行官は、引渡し期限が経過するまでの間においては、執行裁判所の許可を得て、引渡し期限を延長することができる。この場合においては、執行官は、引渡し期限の変更があつた旨及び変更後の引渡し期限を、当該不動産等の所在する場所に公示書その他の標識を掲示する方法により、公示しなければならない。
⑤明渡しの催告があつたときは、債務者は、不動産等の占有を移転してはならない。ただし、債権者に対して不動産等の引渡し又は明渡しをする場合は、この限りでない。
⑥明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があつたときは、引渡し期限が経過するまでの間においては、占有者(第一項の不動産等を占有する者であつて債務者以外のものをいう。以下この条において同じ。)に対して、第一項の申立てに基づく強制執行をすることができる。この場合において、第四十二条及び前条の規定の適用については、当該占有者を債務者とみなす。
⑦明渡しの催告後に不動産等の占有の移転があつたときは、占有者は、明渡しの催告があつたことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由として、債権者に対し、強制執行の不許を求める訴えを提起することができる。この場合においては、第三十六条、第三十七条及び第三十八条第三項の規定を準用する。
⑧明渡しの催告後に不動産等を占有した占有者は、明渡しの催告があつたことを知つて占有したものと推定する。
⑨第六項の規定により占有者に対して強制執行がされたときは、当該占有者は、執行異議の申立てにおいて、債権者に対抗することができる権原により目的物を占有していること、又は明渡しの催告があつたことを知らず、かつ、債務者の占有の承継人でないことを理由とすることができる。
⑩明渡しの催告に要した費用は、執行費用とする。
この条文の〇×問題(2問)
明渡催告の機能
執行裁判所は、債務者に対しその申立てに限らず職権においても、建物からの退去を求める明渡催告を発し、引渡期限を定めてその占有の移転を禁止することができる。
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正解 ×
誤り。明渡しの催告をするのは執行裁判所ではなく執行官であり、不動産等の引渡し又は明渡しの強制執行の申立てがあり、強制執行を開始できる場合にすることができる(168条の2第1項)。職権や債務者の申立てによるものではない。催告後、債務者は占有を移転してはならず、引渡し期限は原則として催告の日から1月を経過する日である。
学習ポイント:明渡催告は執行官が明渡執行の申立てを受けてする。裁判所の職権ではない。
第168条の2第1項・2項
引渡期限の長さ
明渡催告において定められる引渡期限は、催告が発せられた日から二週間後とされている。
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正解 ×
誤り。明渡しの催告で定める引渡し期限は、原則として明渡しの催告があった日から1月を経過する日とされる(168条の2第2項本文)。2週間ではない。もっとも執行官は、執行裁判所の許可を得て、その日以後の日を引渡し期限とすることができる(同項ただし書)。
学習ポイント:引渡し期限は原則として催告日から1月を経過する日。許可を得ればそれ以後の日も可。
第168条の2第2項
根拠・関連条文
問題で確認する
第168条の2の内容は2問の〇×問題と2問の条文穴埋めで確認できます。