第二章 強制執行/第一節 総則
民事執行法 第32条(執行文の付与等に関する異議の申立て)
この条の要点
- 執行文付与の異議:公証人の執行文処分への異議は役場所在地管轄地裁。
- 異議裁判の手続:異議の裁判は口頭弁論不要・不服申立て不可。
条文原文
色付きの語句は試験で問われる重要な語句です。
第32条(執行文の付与等に関する異議の申立て)
執行文の付与の申立てに関する処分に対しては、裁判所書記官の処分にあつてはその裁判所書記官の所属する裁判所に、公証人の処分にあつてはその公証人の役場の所在地を管轄する地方裁判所に異議を申し立てることができる。
②執行文の付与に対し、異議の申立てがあつたときは、裁判所は、異議についての裁判をするまでの間、担保を立てさせ、若しくは立てさせないで強制執行の停止を命じ、又は担保を立てさせてその続行を命ずることができる。急迫の事情があるときは、裁判長も、これらの処分を命ずることができる。
③第一項の規定による申立てについての裁判及び前項の規定による裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
④前項に規定する裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
⑤前各項の規定は、第二十八条第二項の規定による少額訴訟における確定判決又は仮執行の宣言を付した少額訴訟の判決若しくは支払督促の正本又は記録事項証明書の交付について準用する。
この条文の〇×問題(2問)
執行文付与の異議
公証人による執行文の付与に関する処分への不服は、その公証人の役場がある地を管轄する地方裁判所への異議申立てで争う。
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正解 ○
正しい。異議の申立先は、書記官の処分ならその所属裁判所、公証人の処分ならその役場の所在地を管轄する地方裁判所である。付与権者に応じて異議先が異なる対応関係が論点。書記官の処分なら所属裁判所、公証人の処分なら役場所在地の地裁という対応を確認する。
学習ポイント:公証人の執行文処分への異議は役場所在地管轄地裁。
第32条1項
異議裁判の手続
執行文の付与の申立てに関する処分についての異議の申立てに対する裁判は、口頭弁論を経てされなければならず、その裁判に対しては更に執行抗告をすることができる。
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正解 ×
誤り。異議の申立てについての裁判は口頭弁論を経ないですることができ、その裁判に対しては不服を申し立てることができない。審理方式と不服申立ての双方を反対に述べた命題である。口頭弁論を経ない裁判が許され、かつ不服申立てができない二点が誤りの中核である。
学習ポイント:異議の裁判は口頭弁論不要・不服申立て不可。
第32条3項・4項
根拠・関連条文
この条文を解説で参照する過去問
司法書士令和8年度 問42オ
執行文の付与の申立てに関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てを却下した裁判に対しては、不服を申し立てることができる。
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誤り
誤り。執行文付与の申立てに関する裁判所書記官の処分に対する異議の申立てを却下する裁判には不服申立てができない(民執32条4項)。
司法書士令和4年度 問42ア
執行文の付与の申立てに関する裁判所書記官の処分に対しては、執行異議を申し立てることができる。
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誤り
誤り。執行文付与に関する裁判所書記官・公証人の処分は執行機関の執行処分ではないため執行異議の対象とならず、32条の異議申立てによる。
解説で第32条を参照している問
問題で確認する
第32条の内容は2問の〇×問題と1問の条文穴埋めで確認できます。